今回はココロ・ヅクリ工房株式会社、代表 井ノ口氏にお話を伺ってきました。
「シュウカツ部!」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | ココロ・ヅクリ工房株式会社 |
代表者 | 井ノ口 英明 |
設立 | 2020年 |
主な事業 | 人財開発、人財活性化コンサルティング |
社員数 | 1名(取材時) |
会社所在地 | 〒103-0027 東京都中央区日本橋3丁目2−14 |
会社HP | https://kokoro-zukuri.com/ |
①井ノ口社長の現在の事業内容について
主に組織開発、人財活性化を研修やコンサルティングで行っており、特に、レゴ®シリアスプレイ®(LSP)メソッド活用研修を多く行っています。
この研修は、潜在的な想いや形にすることが難しい事象をレゴで可視化し、メンバー間で共有することで、相互理解が深まり、協力体制を構築しやすくなるというものです。
こういったチームビルディングやマインドの醸成を行う研修は、会社の方針や行動指針と社員の意識や仕事の目標を、納得感を持って一致させることが主な目的になります。
新入社員であれば、これから会社でやっていくための自覚を促したり、会社の方針と目指す方向性を一致させることが効果的に行えます。
特に、会社や仕事にどう向き合えばよいのか、自分の仕事が社会とどう繋がっているのかを理解し、自信や誇りを感じながら働くことが可能になります。
社会人向けが主ですが、自分に合った就職先を探す大学生、大学選びを模索する高校生からもニーズがあります。
このメソッドを率先して導入している教育機関としては、九州産業大学、名古屋大学、実践女子大学、聖学院高校(東京都)、聖光学院高校(神奈川県)などがあり、授業、カリキュラムに取り入れられています。
特殊な例ですが、聖光学院では、系列の幼稚園でも、上手く取り入れています。
学生にとっては、本当にやりたいこと、仕事を理解し、就職先とのギャップやミスマッチを理解することが出来るメソッドです。
私は、心理カウンセラーの資格やアンガーマネジメント講座の資格を持っていますので、
上手く活用しながら研修を実践しています。
②もし採用するとしたら就活生にどのような事を求めますか?
企業研修講師ですので、大学生をそのまま採用するのは少し難しいです。
まずは、社会での経験を積んでいただき、経験に裏打ちされた説得力が必要になります。
それでも、勤務しながら大学に通う社会人学生の方、辛い経験を乗り越えてきた特殊な社会経験のある方など、苦労人であればある程、採用の確率は上がると思います。
性格面で言うと、人前で話す事、しっかり聞く力もある方が向いていると思います。
③就活生の時に行っていた対策
対策は色々やっていましたね。当時、SPIが導入され始めた時期で、参考書もほとんどない状況でした。
今では考えられないですが、TOEICもまだ評価対象ではない時代でした。
バブルが弾けて、数年経った頃で、就職超氷河期という事もあり、バブルの時は100人採用していた企業が3人しか採らないなどひどい状況が続いていました。
どんな対策をしても無駄と感じてしまう、そんな時代でした。
大学院の推薦で入社することが出来ましたが、自分の今まで専攻していた分野とは全く異なる職を得ることがやっとでした。
④前職から現在のお仕事を始められた経緯について
前は、素材の会社「AGC」で勤めていました。
2012年から数年で売り上げが急降下し、利益は出ていたのですが、リストラが始まってしまいました。
ベテランがリストラされていく中、若手社員にも、その雰囲気が伝播、離職する若手が増えてきていました。なんとかこの状況を防ぎたいと必死に考えていました。
そんな中、各企業の管理職が集まる社外の勉強会に何度か参加した際、組織の立て直しに有効なレゴ®シリアスプレイメソッドに出会いました。
勝手に使命感に燃えていたので、自腹でファシリテーター資格を取りに行き、辞職覚悟で部長に懇願し、社内展開にこぎ着けました。会社の費用で資格を取った者が2人出たこともあり、私は、世の中の問題を抱えている組織に広めたいと考え、起業を決意しました。
⑤仕事遂行に必要な能力は何だと思いますか?
「相手を巻き込んでコミュニケーションできること」
「要領良く、周りに頼れる人がいて、頼ることに抵抗がないこと、協力してもらえそうなことは丸投げできること」です。
また、「外部にコンサルなどの協力者がいること」も重要で、いざとなった時、協力して貰う事も出来ますので、そういった人脈を構築する能力はあった方がいいと思います。
⑥最近の就活生について、何か思うことはありますか?
最近は、素直で大人しい人が多い印象があります。
もっとガツガツしてもいいんじゃないかなと思います。
自分が本当にやりたいことが分かっていない人も多くいると思いますので、インターンにまず行って体験してみるのがおススメです。
インターンという形ではなくても、社会経験は本当に大事になってきますので、何かしら社会と接点のある活動をした方がいいと思います。例えば、ボランティア、社会貢献活動、積極的にアプローチしたい大人がいる人は、コンタクトを試みるのもよいでしょう。
⑦「就活うつ」についてどう対処していくのが良いか?
就活は「0か100か」の世界です。
もし、自分が70点、受かった人が90点だったらその面接は落ちてしまいます。
いいとこまでいったとしてもそれが可視化されないので自分の実力がどのレベルなのかを測ることは難しいのが実際です。
だから、「気にしないで、次へ行く」というのが一番です。いいとこまでいった。あとちょっとだったと思って落ち込まずに続ければよい。
超氷河期時代に比べれば今の時代、しっかりと対策が出来ていて、周りから見ても問題ないのならそのうち受かります。大丈夫です。
⑧自身の経験から社会人として学んだこと
「なるようにしかならない」という事ですが、「諦めないこと」です。
私自身、一生懸命努力していたが、自分の希望した業種には就職できませんでした。
しかし、自分の思っていた業種、業務とは異なっていたとしても、隠れて爪は研いでおいた方が良い、自分の興味のある事は、こっそりとまた、勇気をもって、やり続けた方が良いと思います。
諦めないで続けていれば、絶対に、その道に通じる誰かがどこかで見ていてくれて、いつか引き上げてくれます。それが、高確率で起きます。
「諦めない事」が、自身の経験として学んだことでした。
⑨御社のPR事項、就活生に向けたアドバイスなど
初めの質問でも回答したように、レゴ研修は、大学生でも有効です。自分がどういう職種に就きたいか、本当にやりたいことは何かを知る手段として、体験してみるのが良いと思います。
これからの時代、ジョブ制の採用も始まり、人生100年時代でもあるため、転職が徐々に当たり前になり始めています。
そのため、企業側は、長く勤めて欲しいと考えているため、採用の際に、学生の想いと企業側の仕事のミスマッチを非常に気にしています。比較的、希望職種や働き方について、自由にものが言える、聞いてもらえる環境が整ってきたと思います。
ただ、希望職種に就けなかったとしても、3~5年、とりあえず頑張ってみることが重要と思います。社会人経験を積みながら、自分のやりたいことへ向けて努力を継続することが大事です。
どんなに小さな仕事、向いていないと感じる仕事でも、社会人として人生を歩み始めること、やってみることが重要と思います。