今回はLATVIA HAZE(ラトビア・ヘイズ) オーナー 谷本瑞絵氏にお話を伺ってきました。
「シュウカツ部!」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
事業名称 | LATVIA HAZE(ラトビア・ヘイズ) |
代表 | 谷本 瑞絵 |
設立 | 2007年 |
主な事業 | バルト三国ラトビアの手作りバスアイテムを直輸入、店舗とオンラインショップで小売販売 |
社員数 | 5名(取材時) |
会社所在地 | 540-0026大阪府大阪市中央区内本町2-3-1 |
会社HP | https://shopping.latviahaze.com/ |
①事業内容について
当店は、日本で唯一バルト三国ラトビアのハンドメイド・バスアイテム専門店として、石けんや入浴剤などのバスアイテムを直輸入、実店舗とオンラインショップで小売販売をしています。
2007年、「ステンダース」というラトビア発祥のバスアイテムブランドとして、大阪市内のオフィス街に実店舗を構えました。当初、「ステンダース」は、ヨーロッパとロシア中心の店舗展開だったため、当店はアジア1号店かつ日本1号店としてスタートを切りました。
その後、「ラトビア・ヘイズ」というオリジナルブランドを立ち上げ、自身が企画する商品を現地生産、また、取引先を増やし、取扱商品を増やしています。
ラトビア・ヘイズのバスアイテムには、ラトビアの美しい自然を採り入れる豊かな文化や暮らしが込められています。
私たちが提供するのは、日常の中の発見、新しい視点や気づきです。
バスタイムは、ただ体を清潔にするだけでなく、アイデアが浮かんだり、自分と向き合ったり、リフレッシュやご褒美の時間でもあります。当店のバスアイテムには、新たな発見やイマジネーションとともに楽しんで頂きたいという想いを込めています。
「ラトビア・ヘイズ」とは、英語で「ラトビアの霧」という意味です。
霧がかかった幻想的なラトビアの森。霧の向こうに見える何かに、恐怖心というよりも、好奇心がくすぐられ思わず一歩を踏み出してしまう…。そこには、踏み出さなければ得られない体験、出逢えない世界が広がります。ラトビアの霧から得たインスピレーションと、バスルームの湯気を重ね合わせ、「ラトビア・ヘイズ」と名付けました。
ラトビアについて、全く知らない方も多いでしょう。
自然を身近に暮らすラトビアには、普段忙しく生活する私たちが忘れかけている大切なものや、心を豊かにする発見が詰まった、素晴らしいバスアイテムがたくさんあります。
極寒のピーク2月にはマイナス20度にもなり、冬の外気の乾燥と室内の暖房で、お肌はカサカサになります。そのため、高い保湿力、保温効果、肌に優しい成分へのニーズが高く、それに応えるバスアイテムが多くあります。
香り、デザイン、保湿力、コンセプト、使い心地…ラトビアで作られたバスアイテムのすべてに魅了され、「バスタイムが特別な時間になる楽しさを、日本の人たちにも味わってほしい。」そのような思いが湧き、創業しました。
②現在のお仕事に向いている人の特徴
実は、当店で活躍するスタッフは、秘書、銀行員、飲食店ホール係、事務員など、販売経験のある人はいません。これまでのスタッフも、販売経験者はほとんどいませんでした。
販売経験以上に求められるのは、「バランス」です。
お店や商品のプレゼンテーション力、お客様が求めるものを、細かいしぐさや会話から読み取る力、共感力が必要です。また、話しながらテキパキと動く、色彩を見て美しいギフトを作る、在庫や売上管理など、様々なスキルをバランスよく駆使しなくてはなりません。
一つに特化するより、トータルでバランスよくこなせることが大切です。
それができるよう、チェックリストやマニュアルを用意しているので、スタッフ全員が共通認識を持ち、一定のレベルで仕事をこなすことができます。
人の役に立つことを喜びと感じ、サービス精神があることは、当店の仕事では特に重視しています。基本を忠実に守り、信頼を積み上げる人、自分の考えに凝り固まらず、アドバイスを採り入れ愚直に行動する人は成長が早いです。
おしゃれなイメージ、憧れだけでは、続けることは難しいのではないでしょうか。
③前職のお仕事について
私は横浜で海外引越コーディネーターとして働いていました。
海外・日本駐在の政府高官、外資系企業社員や公的機関職員の引越荷物を、海外の引越業者と協力して輸出入するという業務でした。
ある時、横田基地から在ドイツNATO空軍基地へ引越すイギリス人とジャマイカ人ご夫妻を担当しました。
日々のやりとりから親しくなり、「独立するまでサポートする」という心強い誘いに、ご夫妻の引越先の在ドイツNATO空軍基地で、アメリカ車の米軍向け営業販売の仕事の入社試験を受けたのです。
筆記試験と面接試験に合格した私は、当時勤めていた会社を辞め、ドイツ行きを決めました。
毎日屋外のショールームで、モデル車に興味を持つ軍人客に話しかけて売り込む、完全歩合制の営業販売でした。勤務地ドイツの真冬は、マイナス10度になることもある過酷な環境。
同僚は、主にイギリス人。アジア人で英語を母国語としないのは、私だけでした。
言語的に不利なため、成果を出すためには工夫をせざる得ませんでした。
オフィスの中で待つのではなく、真っ先にお客様に声をかけることができる屋外ショールームで待機。
モデル車を囲む体格の良い軍人客の間に、「Hi!」と元気よくあいさつに入ることすら、深呼吸で心を整えてからでなくてはできませんでした。時には、話しかけても方言が強くて聞き取れず、戸惑うこともよくありました。けれど、とにかく数をこなすことを頑張りました。
同僚の中で自分ひとりが、言語的に不利であることが悔しくてたまりませんでした。そんな中、ある人から「言葉が話せないのは、強みでもあるんだよ。」と、言われたことに考えが一変しました。「流暢に話す人の言葉は、聞き流しがちだけど、一言ずつ一生懸命な言葉には、人は注目しようとするんだよ。」そう言われて初めて、自分のハンディを強みに変えることを学びました。
④成果を出す上で大切にしていた考え方
「人がやらないことをやる」ですね。
周りと同じことをすると、差別化できない。
ユニークであることが人と違う成果を生むのではないでしょうか。
私よりずっと背の高い同僚たちの中で、目立つために考えたのが、今も続けている趣味のダンスを活かすこと。ショールームの販売車のラジオの音楽放送をかけて、踊っていました(笑)。覚えてくれる人が増え、車を買う時には声をかけてくれたのです。
あとは、フォローをしっかりすることです。
日本では考えられないですが、お客様が購入された後にフォローのメールを送ったり、日々の電話対応などに力を入れる同僚はいませんでした。
私はそこを工夫したのです。この日本流の接客方法には同僚達も驚いていましたね。
気づけばその方法は、同僚の間でマニュアルのように広まっていきました。
丁寧なフォローや対応は、とても大切です。
また、お客様に寄り添うことも大切です。
例えば、洋服を買う時。入店後すぐに「何かお探しですか?」とすぐに寄ってこられると、売り込まれそうで引いてしまうことがありませんか。
けれど、「華やかな色のシャツですね。このジャケットと合いますよ。」と、自分に寄り添って勧められると、「私のことを分かってくれている」と、信頼が増します。すると、この人に相談しよう、選んでもらおうという気持ちになります。
「自分にとってメリットがなければ、人は聞くどころか興味すら持たない」ということを理解しておかなくてはなりません。
⑤就活生の時に行っていた対策
私の就職活動は、男女雇用機会均等法の施行前でした。当時は、女性への固定観念が強い社会情勢でした。女性のリクルートスーツはスカートでなくては、面接で受からないとまで言われていたのです。そのような中、キャリア志向の強かった私は、女性にスカートを求める保守的な会社なら、男性ほどの仕事は任さないのではと考えました。それなら、入社できたとしても、自分らしく働けないし、続かない。面接で落ちたほうがお互いのためだと思っていたのです。あえて、パンツスーツで面接に挑むことにしました。自分と企業がマッチングするには、自分が無理をするのではなく、自分の考え方をパンツスーツで表現し、相手に選択してもらうことが大切だと思ったのです。今振り返っても良い対策だったと思います。
⑥現在、就活生になるとしたら、どういった対策をしますか?
当時は無かった「インターンシップ」という機会をぜひ長期で体験したいです。
実社会を体感できるのは、学生から社会人へのギャップを少しでも埋めるステップとして、とても勉強になると思います。
というのは、学生生活では、自分より年上の人たちは、先生や先輩のように教えてくれる、サポートしてくれる存在ですが、社会に出ると、その人たちは、お客様や上司。自分の立場がサービスを提供する側に一転します。アルバイトだけでは、学生ということで大目に見られ、社会人へのステップとしては不十分に思います。
社会に出る前に、長期インターンシップと合わせて、働くとは何か、お給料をもらうとはどういうことなのか、本などでせめて仕組みや概念だけでも知っておけばよかったと思います。学生気分の延長で、学ばせてもらえる、成長させてもらえるとつい期待しがちですが、それらは、働く中で得られる副産物であって、働くとは、自分の価値を提供することです。
仕組みや概念を少しでも理解しておけば、社会に出た時に勘違いや間違った期待で苦労したり、ギャップに戸惑うことが、少しでも減るのではないでしょうか。
⑦良くないと思う企業を見抜く方法は?
自分の価値観と合うかどうかを見極めることが大切です。
私が重視するのは、性別や年齢よりも、その本人を見る会社かどうか。
自分が変えることのできない特性で判断されるのは、未来がありません。
沢山の経験を積めるかどうかも、私にとって大切でした。
決まったことしかさせない、任せてくれない社風では、何年先も同じことを繰り返すだけで経験値が上がらないからです。もちろん、自分がやりたくない仕事もありましたが、何でもやっておくと、次につながったり、あとで役に立ったので、どれも必要な経験だったと思います。
今のご時世では、パワハラ・セクハラのある会社は「良くない会社」とされ、意識は随分と変わりましたが、私の世代は日常茶飯事でした。良いことではありませんが、様々な対処法が身に着く環境だったとも言えます。
笑いに変えて切り返す言い方や回避方法を研究したり、自分に有利に運ぶ方法を見出したり、逆境の中だからこその能力が身に付きました。
⑧自身の経験から社会人として学んだ事
「市場価値のあるスキルを身に着けること」
在職中の会社で通用するスキルだけでなく、広い市場で求められるスキルを意識して身に着けておくことが大切です。それは、後のキャリア選択肢を広げてくれます。
ほとんどの新卒学生は、実社会で役立つ経験、スキル、職歴をもっていません。
けれど、「若さ」という価値で採用してもらえます。
「若さ」の価値があるうちに、経験値やスキルを上げておくと有利だと思います。
もう一つは、「謙虚であること」です。
能力や実力を過大評価して勘違いすることは誰でもあると思います。
大手企業に勤務しているだけで、自分まで大きくなったようにふるまったり、会社のネームバリューを自分の価値と勘違いしたり、環境が有利なだけなのに自分の実力と自慢したり。そういう人をたくさん見る機会もありました。
輸入商社の海外課で勤務していたときのこんなエピソードがあります。
入荷状況を早く知り、納品したい営業部の人たちは、入荷商品管理をする管理課を通さず、最新情報が手に入る私に便宜を計ってもらおうとします。低姿勢に頭を下げ、私を偉い人のように扱い、機嫌を取るのです。すると、自分が偉くなったような、能力も実力も高い人物のような感覚になりました。でも、すぐにハッと気づきました。私の能力や実力とは全く関係なく、単に私のポジションに頭を下げているだけなんだ、と。
同時に怖くなりました。周囲に持ち上げられ続けると、自分が偉い人間であるといつか勘違いしてしまうかもしれない。
謙虚であることの大切さを、さらに強く感じた出来事がありました。成績を上げやすいエリアを偶然担当することになった営業担当者は、好調ぶりを自慢し、周囲を見下していました。ところが、担当エリアが変わった途端、成績不振になったのです。助けてくれる人も応援してくれる人もいません。けれど、いつも謙虚にしている人は、必ず誰かの助けや応援があります。謙虚であることにデメリットはないと思います。
⑨最後にPR事項や就活生に向けたアドバイスなどございましたらお願いします。
面接に落ち続け、就職先が決まらずストレス状態に陥る「就活鬱」というのを耳にします。自分を否定されたように感じるのでしょうね。
就職活動は、両想いの相手を探すようなもの。断られた、否定されたのではなく、「相性が合わなかった」と受け止めたほうが良いと思います。就職できたとしても、合わない環境なら、結局辞めることになります。だから、「採用しないでおきますね。」と言ってくれているのかもしれません。つまり、「落としてくれてありがとう」です。
また、その会社に本当に入社したかったのかを、改めて振り返るのも「就活鬱」にならないコツかもしれません。
心から入社を希望すれば、きっと自然と目が輝き、熱意が伝わりますが、滑り止め的に応募すればどうなるでしょう。「ぜひ御社で働きたい!」という人と、「他で落ちるかもしれないので、とりあえず御社も受けておきました。」という人とでは、どちらを採用したいでしょうか。つまり、拒否されたのではなく、自分が相手にそうさせたのかもしれません。
否定と取らず、自分と相性の合う会社を見つけるのが就職活動だと思えば、就活鬱になりにくいのではと思います。
当店では、現在スタッフ増員募集中です。応募ページをぜひご覧ください!
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当店では、面接の後、職場見学・体験をする「お見合い期間」を設けています。ここでお互いを知り、相性を見ます。両想いとなれば入社後約1カ月間、私とスタッフの知識と経験を集約したマニュアルを使って行う研修期間に入ります。
お客様を観察し、会話を通じてニーズをつかみ、気持ちに寄り添う接客販売を身につけていきます。
入店後すぐに接客に入らず、お客様が店内を見回す時間を取り、自然な会話で居心地良い雰囲気を作ることも一つです。
同時に、おもてなしの行動も身につけます。
例えば、雨の日。お客様がお帰りの際、スタッフにお客様の自転車を拭くように促すと、たいていサドルから拭きます。けれど、自転車に乗る時、最初に手に触れるのはハンドル。なので、ハンドルを先に拭いてあげるべきです。大差のないことかもしれませんが、喜んで頂くための対応や行動をどれだけ細やかにできるかを大切にしています。
75%以上がリピーター様という当店では、お客様との距離が近く、日々嬉しいお声をたくさんいただきます。仕事が楽しくなってきて、もっともっと喜ばせたくなってきて、無意識に一生懸命になってしまうんです。「このお店と出逢って、あなたと出逢って、毎日がステキになった!」そう言ってもらえる、やりがいのあるお仕事だと思っています。
仕事にやりがいを感じながら、成長し、自分を磨き続けたいと考えるならぜひご応募下さい。
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