「2023年卒の求人倍率はどれくらいなんだろう?」
「景気が回復して、求人倍率も上がればいいのに」
などと、今就活真っ最中の2023年卒生は、企業の求人倍率が気になることでしょう。
この記事では、そんな就活生のために
- 2022年卒の新卒採用の求人倍率
- 2022年以前の求人倍率
- 2023年卒の新卒採用の求人倍率
- そもそも求人倍率とは?
- 求人倍率が高い企業
- 求人倍率が低い企業
- 現代の就活を勝ち抜くためのポイント
を解説します。
この記事を読むと、2023卒の求人倍率、就活に必要な情報がわかります。
2022年卒の新卒採用の求人倍率
2022年卒生の求人倍率がどのくらいだったか知っているでしょうか?
2022年卒生の大学求人倍率は1.50倍でした。
2022年卒はコロナ禍真っ只中の就活となり、企業側もコロナ禍の中で先行きが不透明で、中小企業などで採用数が減りました。
飲食店などコロナの影響をとても受ける業種で採用数が減ったのも、大学求人倍率が1.50倍だったことの要因の一つです。
しかし、従業員数が1,000人以上の大手では採用意欲が回復してきているため、この流れが今後も続くことを期待したいですね。
2022年以前の求人倍率
2022年卒の求人倍率がわかったところで、それ以前の2019年、2020年、2021年の求人倍率を見ていきましょう。
新型コロナウイルス感染症のことが中国から世界保健機関に報告されたのが2019年12月31日です。
日本でも2020年3月下旬からは都市部で集団感染が報告され、その後だんだんと感染者が急増していきました。
2020年4月16日には全都道府県を対象に緊急事態宣言が発出されたのは、記憶に新しいでしょう。
そのような状況の中、2019年から2021年の求人倍率はどのような変化があったのでしょうか。
2019年の就活における求人倍率
2019年卒の大学求人倍率は1.88倍で、7年連続の上昇でした。
コロナの報告が2019年12月のため、この時期はまだコロナの影響を受けていません。
中小企業では、前年が6.45倍、2019年卒が9.91倍と大きくポイントが上昇し、過去最高となりました。
しかし、従業員数5,000人以上の企業では0.37倍となり、従業員規模が大きくなればなるほど就職するのが難しくなるということが数字でもわかります。
業種別では流通業が12.57倍、建設業は9.55倍で、流通業は前年よりも1.25ポイント、建設業は0.14ポイント上昇しています。
製造業は1.97倍、サービス・情報業は0.45倍、金融業は0.21倍です。
また、通年採用を実施すると回答した企業は全体の27.8%で、その中でも従業員数が300人未満の企業の場合、38.3%の企業が通年採用を予定していました。
2020年の就活における求人倍率
2019年4月に発表された2020年卒の大学求人倍率は1.83倍でした。
調査期間は2019年1月から3月の間です。
前年の大学求人倍率が1.88倍で、それに比べ0.05ポイント低下、この低下は8年ぶりでした。
前年より低下したとはいえ、高水準に変わりはありません。
前年はかなり高かった中小企業の大学求人率は、9.91倍から8.62倍になりました。
しかしこちらも依然として高水準です。
中小企業では新卒を採用することが難しく、そのため中途採用に注力している傾向がうかがえます。
従業員数5,000人以上の企業の大学求人率は0.42倍になり、前年の0.37倍よりも0.05ポイントわずかながら上昇しました。
業種別では去年倍率が高かった建設業と流通業で倍率が低下しました。
建設業は9.55倍から6.21倍に、流通業は12.57倍から11.04倍になっています。
2021年の就活における求人倍率
2020年8月にリクルートワークス研究所が発表した2021年卒の大学求人倍率は1.53倍(6月調査)でした。
6月の調査のため、すでにコロナの影響が日本にも及んでいる時期です。
2020年卒の大学求人倍率が1.83倍、今回が1.53倍と0.3ポイント下がりました。
0.3ポイント以上低下したのは10年ぶりのことです。
しかし、かつてのバブル崩壊やリーマンショック後ほどの低水準にはなりませんでした。
従業員数300人未満の企業では大学求人倍率が5.22ポイント低下し、3.40倍、従業員数が300人から999人の企業も1.22倍から0.36ポイント低下し、0.86倍になりました。
業種別でもほとんどの業種において、大学求人倍率は低下しています。
下落幅が大きかったのは流通業で、11.04倍から7.28倍になりました。
2023年卒の新卒採用の求人倍率
今まで、過去の大学求人倍率の推移を見てきました。
2023年卒生の大学求人倍率は、どのような水準になっているでしょうか。
リクルートワークス研究所が2022年4月、2023年卒の大学求人倍率を発表しました。
その結果、2023年卒業予定の大学生、大学院生の大学求人倍率は1.58倍でした。
コロナ禍になる前は大学求人倍率が1.6倍以上あり、まだその水準までには回復していませんが、それでも去年の大学求人倍率よりも0.08ポイント上昇しています。
民間企業の求人総数も3.1万人増加しているため、景気は回復傾向にあるといえるでしょう。
従業員別では、300人未満の中小企業が0.03ポイント上昇して5.31倍に、300人から999人の企業では0.14ポイント上昇して1.12倍になりました。
1,000人から4,999人の企業でも1.11倍と0.22ポイント上昇しましたが、5,000人以上の企業では0.04ポイント低下して0.37倍でした。
業種別では、建設業が7.70倍、製造業が1.81倍、金融業が0.22倍、サービス・情報業が0.33倍と求人倍率が増加しています。
そもそも求人倍率とは?
求人倍率とは就活をする上で意識して見る数字ですが、そもそもどのような数字かわかっていますでしょうか。
「なんとなくしかわかっていない」という就活生でも大丈夫です。
今からの説明を読んでいただくとわかるでしょう。
求人倍率を見ると、あなたが就職したい企業が就職しやすいかどうかがわかります。
また、業界の動向なども理解しやすくなるでしょう。
- 求人倍率の見方は?
- 求人倍率の計算方法
- 正社員の求人とは限らない
一つひとつ詳しく説明します。
求人倍率の見方は?
求人倍率とは就職を希望する人たちに対して、求人が何件あるかの割合を示しています。
もし求人倍率が「1」ならば、職を求める人と、求人の数が同数という意味です。
働きたい人が多くて、求人の数が少なければ、求人倍率は1より少ない数になり、働きたい人より求人の数が多ければ、求人倍率は1より大きい数で表されます。
就活の中で「売り手市場」「買い手市場」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
売り手市場とは、求人数が求職者よりも多く、求職者にたくさん選択肢がある状態です。
売り手市場になると、就職がしやすくなるため、就活生にとっては有利です。
買い手市場とは、売り手市場の逆で、1つの求人に求職者が集まるため、企業側が良い人材を選びやすくなります。
求人倍率の計算方法
「企業の求人数÷求職者数」で求人倍率が求められます。
倍率というと、倍率が高いほうが難しいようなイメージがありますが、求人倍率は高いほうが就活生にとっては仕事を見つけやすくなるでしょう。
一般的に景気が悪くなると、求人倍率が下がってきます。
何故ならば、企業側が苦しくなり新しい人材を採用する余裕がなくなり、新たな採用がなくなったり、業績悪化のためリストラされ失業者が増えたりするからです。
景気が良くなると、企業もどんどん拡大し、新規採用者数が増加するため、求人倍率が上がります。
このように求人倍率と景気は関連しているため、新卒生や転職希望者など、就活をしようと思う方は求人倍率を注意して見ておく必要があります。
正社員の求人とは限らない
求人倍率がどのくらいかを知ろうと思えば厚生労働省のホームページをみればわかります。
しかし、厚生労働省が発表する有効求人倍率は、正社員だけの倍率ではありません。
全ての雇用形態の求人が含まれているため、パートやアルバイトでの求人も含まれています。
パート・アルバイトを除いた有効求人倍率もありますが、それでも派遣や契約社員は含まれており、厳密には正社員だけの有効求人倍率はわかりません。
また、ハローワークでの求人数を元にしているため、ハローワーク以外の例えば就職雑誌や求人サイトなどの数は反映されていません。
厚生労働省の有効求人倍率は、新卒での求人も除かれています。
就活生はリクルートワークス研究所が発表する大学求人倍率を参考にしてください。
求人倍率が高い企業
求人倍率が高い企業、つまり求人数が多く比較的入りやすい企業はどんな企業があるでしょうか。
ちなみに、リクルートワークスが行った2023年卒の大卒求人倍率調査で、求人倍率が高かった業種は建設業、流通業、製造業でした。
その中でも建設業と流通業は特に倍率が高いようです。
企業の規模でいうと、従業員が300人未満や、従業員300~999人の企業の求人倍率は高い傾向にあります。
就活生の多くは有名企業や大企業に就職できればいいなという考えがあるかもしれません。
しかし、そのような企業は求人倍率が低めです。
大企業=優良企業とは限りません。
中小企業の中にもあなたが知らないだけで、多くの優良企業があります。
そして、あまり名前を知られていないからこそ、求人倍率も高い会社があるのです。
求人倍率が低い企業
やはり、有名企業、大企業は求人倍率が低いです。
味の素やカルピスなどの食品メーカー、JAL、ANAなどの航空会社の求人倍率は0.4を下回ります。
他にも人気ランキングに名前が上がるような企業の求人倍率は、低いと思っていて間違いありません。
2023年卒の大卒求人倍率調査でも従業員5,000人以上の企業の大卒求人倍率は特に低く、従業員1,000~4,999人の場合だと、少しだけ高くなります。
業界で見ると、金融業やサービス・情報業の求人倍率が低いですね。
人気のある企業にチャレンジする就活生は、同時に求人倍率が高い企業にもエントリーをしておきましょう。
有名企業に就職できるのは上位2~3%の就活生という現状のため、チャレンジがだめでも次に打てる手を準備しておいてください。
現代の就活を勝ち抜くためのポイント
求人倍率のことがわかると、どの企業が就職しやすい、しにくいというのがわかってきます。
可能性の多い求人倍率が高い企業を狙うのか、それとも求人倍率が低くても、あなたの行きたい企業にチャレンジするのかはあなた次第です。
現代の就活を勝ち抜くためのポイントとして、
- オンラインでの就活に慣れる
- スマートフォンではなくパソコンで面接を受ける
- 面接を録音しておく
- 表情やトーンを意識する
- アイスブレイクに注意する
の5つを説明します。
オンラインでの就活に慣れる
コロナ禍になり、対面での企業説明会や、面接などがだんだんとオンラインに変わってきました。
この傾向は今後も続くでしょう。
そのため、オンラインでの就活に慣れておく必要があります。
もし今までオンラインで誰かと話したことがないのであれば、就活に取りかかる前にオンラインでのイベントに申し込んで体験してみたり、友人とオンラインで話してみたりすることをおすすめします。
何度かオンラインでの体験を重ねれば、すぐに慣れるでしょう。
スマートフォンではなくパソコンで面接を受ける
スマートフォンで面接を受けてはいけないということはありませんが、パソコンで受けるほうがスムーズに受けられるでしょう。
例えば、スマートフォンの場合、机に直置きすると、どうしてもカメラが下から映ります。
すると面接官を見下ろすような角度になってしまうため注意が必要です。
面接時に電話がかかってきたり、アプリの通知が来たりすると面接の邪魔です。
また、面接の際に画面共有されることがあるかもしれません。
その場合スマートフォンだと画面が小さく見えづらいでしょう。
面接を録音しておく
オンラインの面接だと、その面接の様子を録音することが可能です。
面接を録音しておいて、あとから聞き直すことは、あなたの面接の改善点を見つけることに役に立ちます。
ただしここで十分注意してほしいことがあります。
無断で録音することは違法にはなりませんが、その録音したものを一般に公開すると、法的に問題になる可能性があることです。
名誉毀損やプライバシーの侵害になることがあるため、録音したものの取り扱いは慎重にしてください。
表情やトーンを意識する
オンラインでの面接の場合、普段話しているときよりも自分の表情や声のトーンに注意しましょう。
対面だと伝わるような表情や声のトーンでも、オンラインだと少しオーバー気味にしないと上手く伝わりません。
普段通り話すというよりも、普段よりもリアクションを大きく、表情を豊かに、声を大きくする意識を持って面接に望んでください。
そのほうが企業側にもはっきりと伝わり、ハキハキしているという印象を持たれやすくなるでしょう。
アイスブレイクに注意する
面接の際にはいきなり本題に入らずに、アイスブレイクと呼ばれる、面接の前に緊張をほぐすような話題を振られることがあります。
面接の最初に、面接に関係のないようなことを聞かれたら、企業側がアイスブレイクで緊張をほぐそうとしてくれていると考えてください。
企業側も場を和ませ、あなたにできるだけリラックスして、実力を発揮してほしいと思っています。
アイスブレイク的な質問をされたら、気負わずにリラックスして答えましょう。
まとめ
この記事では、新卒採用の求人倍率と就活に必要な情報を解説しました。
2023年卒の新卒採用の求人倍率が1.58倍と、去年に比べると少しですがアップし、企業の新卒の採用が少しずつ回復しているのに、胸をなでおろしたのではないでしょうか。
また、オンラインで就活をするのは2023年卒生も変わらないため、オンラインに必要な環境を整えたり、必要なものを揃えたりしてください。
卒業後の進路が決まる大事な時期です。
さまざまな情報を集め、動くことで就活を有利に進めていってください。