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看護師のベストな転職時期とは?経験年数から分析!

看護師が転職する場合、「1年間のうちの何月に転職するのか」という1年間を通して見ることよりも、「経験年数が何年目の状態で転職するのか」という看護師の経験年数がとても重要になります。

経験年数の浅い看護師の場合ですと、実務経験不足とみなされてしまう場合が多いのが実情です。

また、経験不足ということに伴い、転職先の病院が求めるスキルが身についていない、「入職してもすぐに辞めてしまうのではないだろうか」という評価をされやすいことが考えられます。

中途採用を検討している病院が求めているのは、即戦力となる看護師です。

そのため、現実では経験年数の浅い看護師の積極的に採用する病院が少ないということがいえます。

今回は、経験年数別にそれぞれの看護師の特徴や、どのような状態であるのかを紹介し、最適な転職時期を分析していきます。

看護師1年目

看護師1年目は、とにかく研修や勉強会のオンパレードです。

職場環境へ慣れることや、同期の仲間を作ることから始まります。

看護師1年目は研修が多い

看護師1年目は、新入職員向けオリエンテーションから始まり、病棟以外の場所へ研修にいくこともあります。

約2週間の研修期間が終わると、いよいよ配属先の病棟で日々を過ごすこととなります。

プリセプターと呼ばれるベテラン看護師と、1対1で看護技術や看護知識などのスキルを教わりながら、出来ることの確実に増やすための時期です。

細かな目標設定をしながら、独り立ちに向けての準備期間ともいえます。

学びの時期である1年目の看護師は、看護学校を卒業して間もないため、臨床で活かすための看護知識や基礎看護技術が不足しています。

そのため、自立して出来る業務がとても限られています。

新人看護師での転職はあまりおすすめしない

看護学生時代の病棟実習とは違い、1日に受け持つ患者さんの人数も徐々に増えていくので、学生時代とのギャップを感じる1年目の看護師が多いです。

新人看護師が、必要最低限の業務を独り立ちして行うことができるまで、たいていの病院は3カ月を目安に教育プログラムを採用していることが多いです。

この新人看護師の時期は数多くの知識を吸収することができるため、転職はあまりおすすめしません。

看護師の中途採用というのは、即戦力となる人材が求められているのが現状です。

そのため、1年目の段階ではそもそも応募できる求人が少ない可能性が高いのです。

仮に、もしも転職に成功したとしても丁寧な基本的教育を受けられない可能性が高いのです。

規模の大きな病院の場合には、新人指導のマニュアルも完備されていることが多いのですが、そうでない限りは転職先で教育を受けられることは極めて稀である、という認識を持つことが重要となります。

看護師1年目という時期は、今後の成長を考えると重要な時期です。

周囲から必ずといって良いほど教育の機会に恵まれています。

また、未経験のものが多いからこそ全てを吸収できる時期でもあります。

この時期に、看護知識やスキル習得に時間を使わずに『転職』ということに時間を使ってしまうことは成長を自分で止めてしまうといえるでしょう。

このように、知識習得の段階である1年目で、向き・不向きを判断してしまうことは出来ません。

大きな悩みや、精神的な病を患った場合は転職も視野に入れよう

ただし、職場の人間関係で大きな悩みを抱えている場合や、精神的な病を患ってしまった場合は別です。

このような場合には、精神的にも身体的にも追い込まれていることが考えられますので、たとえ大事な時期である1年目であったとしても、転職を検討していく必要があります。

自分自身の精神や身体の状況としっかり向き合い、自身を大切にしていくことが何よりも重要です。

看護師として、自分はどのように働いていきたいのか、なぜ転職をしたいと思ったのかを改めて考えてみるとよいでしょう。

また、看護師1年目であっても、看護師転職サイトは利用することが可能です。

自分の可能性を広げるためにも、今の職場以外でどのような病院があるのかを知ることから始めるのも大切です。

看護師2年目・3年目

看護師2年目は、1年目よりも職場環境にも慣れ、日々の仕事にも慣れが出てくる時期です。

自立して行うことのできる業務が増えて、仕事へのやりがいも感じられるようになります。

また、1年目よりも更に高度な看護技術や知識を身につけることが出来る時期でもあります。

その一方で、プリセプターがいないことから、常に相談できる存在がいません。

そのため、日々の業務を行っていく中で、自分一人で判断しなければならないことが増えてきますし、業務への責任も増してきます。

看護師2年目は徐々にリーダー業務が加わってくる

病棟業務に従事している場合、2年目の後半頃から先輩看護師が個々のスキルを見極めて、徐々にリーダー業務が加わってくるのもこの時期です。

看護師3年目となると、いよいよリーダー業務の本格化と、プリセプターとして4月に入職した新人を教育する側にまわることになります。

リーダーという業務は、自分自身の業務だけではなく、その日の一日に予定されている全ての業務がスムーズに円滑に行われるように、共に働く看護師のほか医師や臨床検査技師など異業種と密に連絡を取り合う業務がメインです。

そして、プリセプターとしての働きが加わります。

自分自身の日常の業務に、プラスアルファという形で新人への教育の業務が加わります。

知識習得のスピードは人それぞれですので、教育が計画通りにいく人もいれば、上手く進まないことも十分に考えられます。

計画通りに進まないことへの、焦りや不安を感じてしまう看護師も多いというのがこの時期です。

看護師2年目・3年目は基礎看護知識やスキルは身についた状態

この時期の転職は、基礎看護知識やスキルは身についた状態であるといえます。

つまり、新人の時のようにゼロからの教育は不要な状態で、業務の独り立ちは可能です。

しかし、専門的な技術や経験はまだまだ不足しているとみなされてしまうことが多いと思われます。

この時期の看護師は、業務量が膨大になるだけではなく、業務遂行のためのコミュニケーションスキルも非常に求められます。

求められるものが多くなるために、なかには病棟勤務そのものが苦痛に感じてしまう看護師も出てきます。

その苦痛さゆえに転職を検討する看護師が徐々に増えます。

また、「お礼奉公」が終わるのも、看護師3年目という時期です。

3年目に転職しようと検討する看護師は多い

3年目の「お礼奉公」が明けたと同時に転職しようと検討する看護師は多く、即戦力として転職を受け入れる病院も徐々に増えてきます。

転職先を検索するうえで大切なことは、転職先は『病棟』だけではないということです。

もしも今、病棟勤務に苦痛を感じているならば、『病棟』から『病棟』へ転職しても、今と同じ苦痛が継続することが予想されます。

転職先を検索する際には視野を広げて、クリニックなどの外来勤務も考えてみると良いと思われます。

外来勤務をしても何も学べないのではないかと、知識や技術の習得に不安を感じる方も多いかと思いますが、決してそんなことはありません。

クリニックだからこそ、外来だからこそ学べる技術やスキルは、必ずあるのです。

実際に働いてみると、自分に合っていたというケースもあります。

病棟では学べない知識や、コミュニケーションスキルが身についたという意見もあります。

今の働き方について、今の状態は本当に自分に合っているのか、改めて自己と向き合ってみて下さい。

2年目・3年目の看護師の転職のメリットは体力があり先入観が少ないこと

この2年目・3年目の時期のメリットは、体力があることと、先入観が少ないということです。

転職先の指導者の立場からすると、2年目・3年目の看護師は基礎看護知識が身についている状態ですので、とても指導しやすい存在とされています。

また、長期にわたって雇用の場合には、今後大きな成長が期待できる期待のホープ的な存在であるといえるでしょう。

その一方で、このような上司の大きな期待を肌でヒシヒシと感じ、プレッシャーと受け止めてしまう看護師もなかにはいます。

精神的負担を強く感じてしまい、転職したいという思いへ繋がる場合にはリーダー業務の少ない場所へ転職することも、自らを守るための一つの手段であると思われます。

看護師4年目・5年目

看護師4年目は、基礎看護技術をはじめとした看護のスキルや、疾患・薬剤などの知識が一通り身についた状態であり、リーダー業務や新人教育・育成もこなしている段階です。

そのため、一般的には『一人前の看護師』とみなされる時期とされています。

転職先の病院側からしても、4年目・5年目の看護師であれば、安心して業務を任せることの出来る『即戦力』と捉えられる存在でしょう。

看護師4年目・5年目は転職に有利

この時期の転職は看護師にとって、とても有利な時期であるといえます。

看護師5年目も同様に、転職に非常に有利な経験年数であるとされています。

もし転職した場合には、現在の役職よりも更に上の役職(主任・課長)も狙うことが可能といえるでしょう。

給与アップを狙うことは十分に可能であると考えられます。

今までの経験を活かして、さらに専門的なスキルや知識を身につけ、看護師としての質を高めていきたいと、理想の看護師像が固まってくるのもこの時期です。

4年目または5年目の時期の転職はベストなタイミングと考えられます。

体力面から転職を検討する看護師が増える

4年目・5年目となってくると、体力的にも厳しくなってくる時期であるため、長く続けられるにはどうしたら良いかと悩み、転職を検討する看護師が増えてくるのが実情です。

体力面だけではなく、結婚や妊娠する看護師が出てくるのもこの時期が多いです。

様々なライフイベントを機に病院を退職、あるいは勤務形態を常勤からパート勤務へ変更する看護師も多いでしょう。

最初から『転職』のみを検討するのではなく、もしも大きな総合病院にお勤めの場合には院内での『異動』という選択肢もあるということを念頭におきながら、転職活動を進めていくことが大切です。

この時期になりますと、働くための条件を提示した際に希望が通るケースが多いです。

そのため、転職できる職場の幅が病院以外にも広がってきます。

これまで勤めていた『病棟』だけではなく、訪問看護ステーション、介護保険施設、デイサービス、クリニックなど看護師が関わる各方面への転職が可能となります。

このように、看護師の資格を活かして、病院ではない場所での転職ができるわけです。

自分のスタイルや自分の理想に合った職場を探しやすくなりますので、自分の働きたい条件や、どんな看護師になりたいのかを改めて確立しておくのが良いでしょう。

何月に転職するのか検討しよう

4年目、5年目の看護師で転職を本当にする場合には、転職するのを何月にするのか具体的に考えていきましょう。

たいていの病院では、4月に新入職員が入職、人事異動が多くあります。

そして、7月と12月に賞与が支給されるというのが一般的です。

4月という時期は、新人指導が始まって間もない時期であるため、新人指導と日々の業務に追われていることが予想されます。

この時期の転職は職場に迷惑をかけないためにも避けたほうが無難でしょう。

一般的に、1年目の看護師が必要最低限の業務を独り立ちして行うことができるまでには約3カ月を要する病院がほとんどです。

12月の場合には、年末年始の休みが集中しやすい時期になり、休みすらも取得しにくい時期といえます。

そのため、12月の退職は上司からかなり嫌がられてしまうと考えられます。

これらを踏まえますと、7月には賞与支給もあるため、ベストな転職の時期は7月ということになります。

まとめ

今回は、看護師の経験年数からベストな転職時期を分析してみました。

4年目または5年目となってきますと、人生におけるライフイベント(結婚・妊娠・出産など)を迎える看護師が多いことや、更に上の役職を目指していきたいと考えるパターンが多いです。

また、一つの分野に特化した専門知識を身につけて、その道のスペシャリスト(認定看護師)を目指していくパターンもあります。

日々の業務に追われがちな看護師ですが、自分の理想の看護師像は何かを考える必要があります。

自分の思い描いた理想の看護師になるためには、どのような知識を習得する必要があるのか、どのような環境で働くことが適切なのかを、冷静に考えられるのが4年目または5年目という時期であるともいえます。