「もう会社に行きたくない。」
「今日も上司に何か言われるのかな…」
そう思いながら会社に行くのは非常にしんどいもの。
また、「仕返しをしたい」「弱点を見つけてパワハラ上司を潰したい」感情を抱くのも自然の心理です。
仕事自体は嫌いじゃなかったのに、パワハラ上司のせいで会社を辞めてしまったケースは非常に多いのです。
でも泣き寝入りのまま辞めるなんて嫌ですよね?
かといって感情的に動いてしまうのはNGです。
単にパワハラ上司の足を引っ張ったり嫌がらせするだけでは、自分の立場が悪くなる恐れがあります。
森で出会った熊(パワハラ上司)に、やみくもに立ち向かってもやられるだけ。
パワハラ上司を的確に追い込むには、戦略を持ったやり方が非常に重要なのです。
さらに、戦略を持った追い込みは今後の人生にいい影響を与える可能性も。
今回は、パワハラ上司を的確かつ確実に追い込む方法をご紹介します。
まずは自分が受けたパワハラの実態を明確にする
いくらパワハラ上司に我慢ならなくても、衝動的に会社や周りに言いふらすのはいい仕返とは言えません。
裏付けがないまま騒ぐと、周りから「感情的な人」とレッテルを貼られる恐れがあるからです。
まずは、ご自身がパワハラ上司に受けている実態を明確にすることからはじめましょう。
法令違反になるパワハラの特徴
- 暴力
いかなる理由でも相手に非があり、一発アウトの案件です。
場合によっては傷害罪で訴えることも可能。
暴力によるパワハラは、証拠があればほぼ100%相手を追い込むことができます。
- サービス残業の強要
報酬を支払わない残業の強要は、労働基準法違反に値します。
昔に比べて現代は、サービス残業の問題が露見しやすい世の中。
放置すれば国から会社へ行政処分が下り、最悪会社の信頼が失われますので会社側も対応せざるを得ない案件です。
就業規則違反になるパワハラの特徴
- 暴言・名誉棄損・侮辱
「バカ・アホ」
「お前は使えない・給料泥棒」
「こんな事もできないなら死んじまえ」
など、人格否定をする暴言です。
また、学歴や容姿をけなす行為も当て余ります。
- 立場を利用した脅迫
部の人事権を持っている上司でよくあるのが「お前を辞めさせる(移動させる)ことなんか簡単だ」
など脅すケースです。
自分次第でお前はどうにでもなると支配力を誇示し、部下を精神的にコントロールさせるのが目的です。
- 過剰な叱責
叱責=パワハラとは限りませんが、パワハラになりうる叱責の特徴がいくつかあります。
- 叱責の対象が特定の社員
- 人前で長時間の叱責
- 叱責が感情的・ヒステリック
- 叱責しながら物に当たる、物を投げる
過剰な叱責は相手の尊厳を奪う行為にも繋がりますので、上司を追い込む材料として十分の弱点になります。
パワハラ上司をどう追い込みたいのか明確にする
では、いったい自分はパワハラ上司を具体的にどう追い込みたいのか?
単純にパワハラ上司に言い返したい、反撃したいのであれば難しく考える必要はありません。
勇気を出して反撃ができれば、それだけでパワハラが収まる可能性も。
しかしパワハラ上司を辞めさせたいのであれば、会社が「この人物は会社に不利益を与える」と判断する裏付けが必要になります。
つまり、反撃したい・辞めさせたいかで追い込み方は違うのです。
パワハラ上司への反撃はもっとも正当な意思表示
パワハラ上司を的確に追い込むためには、戦略を持って挑むべきだと申し上げました。
しかしパワハラ上司と戦うのですから、当然あなたもそれなりに消耗するリスクがあります。
ただ、そこまでしなくても上司とのコミュニケーションを変えるだけで、その後のパワハラが起きなくなる可能性もあるのです。
パワハラの原因は主にコミュニケーション不足
パワハラをはじめとする会社でのハラスメントは、主に上司と部下のコミュニケーション不足が原因です。
現に、下図の厚生労働省が調査した「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」に記されています。
引用元:厚生労働省 職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書
パワハラに関する相談があった職場に当てはまる特徴として、「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」がなんと50%近くもあったのです。
これはつまり、「パワハラが起きやすい職場は、上司と部下でコミュニケーションが満足にとれていない」となります。
コミュニケーションが取れていなければ、お互いのことが分かりません。
思い込みの可能性だってあります。
上司から見れば、部下が何が得意で何が不得意か分からない。
当然信頼関係が生まれないまま、パワハラが起きる環境が整っていきます。
もちろんコミュニケーション不足は上司側の責任でもありますが、あなたの心に余裕があるなら壁をとっぱらう気持ちでコミュニケーションを図るのもひとつの手です。
パワハラを受けたら勇気を出して反撃する
パワハラ上司におびえているあなたにとって、反撃することは難しいかもしれません。
しかし、パワハラをする人間は自分を大きく見せたい欲の表れです。
つまり気が弱く自分に自信がない。
受け答えが小さく曖昧に反撃してもパワハラ上司はエスカレートするだけ。
まずはハッキリとした声量で応えることです。
きっと緊張で心臓がバクバクしますから、気持ちゆっくりめに話す意識を持ちましょう。
例えば暴言を言われたとしたら「〇〇(言われた言葉をそのままオウム返し)は暴言ですのでやめてください」と返します。
気を付けたいのが、反撃=反抗ではないということ。
毅然と論理立てたコミュニケーションを意識しましょう。
では暴力や脅迫にはどう反撃したらいいのでしょうか?
ここまでくると一個人の反撃では済ませてはいけません。
きちんとパワハラ上司に責任を負わせるべきです。
パワハラ上司を辞めさせる的確な方法は証拠集め
労働者の保障がされている日本では、社員に対し会社は簡単に解雇できません。
しかし、パワハラ上司が会社に損失をもたらす恐れが十分に考えられると判断すれば、解雇は可能となります。
その判断の材料となるのが証拠です。
厚生労働省の調査では、パワハラの実態を把握する上で感じた課題が「被害者や加害者等の証言が一致しない」とあります。
パワハラ上司に関しても同様で、被害者が声をあげるだけでは会社も動けないのが実情なのです。
引用元:厚生労働省 職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書
しかし、証拠があれば会社もスムーズに判断がしやすくなるので、上司の評価を下げるには十分な裏付けとなります。
さらに、パワハラの内容が極めて悪質と認められれば、解雇も可能なのです。
これこそパワハラ上司を追い込む的確な方法と言えるのではないでしょうか。
では一体どういう方法で証拠を集めればいいのか?
パワハラ上司を追い込む決め手となる、証拠の集め方を説明します。
また、パワハラを訴える期限については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
録音
もっとも的確で決め手となるのが録音です。
暴言や脅迫、叱責はとくにパワハラのレベルを客観的に計れるので、非常に重要なエビデンスとなります。
ちなみに無断で録音したものすべてがプライバシーの侵害になると誤解されがちですが、パワハラ上司を追い込むための録音はこれにあたりません。
精神的肉体的自由を拘束する・人格の侵害を伴う内容であるため、パワハラの証拠として認められるからです。(参照:企業法務ナビ)
診断書・領収書
暴力を受けたらすぐに病院へ行き、診断書を発行してもらいます。
強制的に上司に飲み会に行かされ、上司の飲み代まで請求された領収書もパワハラの証拠となります。
メモやメール
パワハラを受けたらメモを取るクセをつけます。
いつ・どこで・誰が・何を・どれくらい・どうした、など細かくメモすると客観的に伝わりやすく書き出しましょう。
また、TwitterなどSNSでつぶやいたものがメモ代わりになるケースも。
会社でのメールも、パワハラだと思う内容があれば保存しておきます。
証人
あなたが本当に頼りになる人が会社にいるのであれば、パワハラ上司を追い込む強力な手助けとなりえます。
パワハラ上司よりも立場が上の人であればなおさら心強いでしょう。
しかし、人選を間違うとパワハラ上司の耳に入って余計にひどくなる恐れがあるので、くれぐれも慎重に。
証拠を提出する場所
証拠を集めるだけでなく、証拠の提出場所も重要です。
パワハラ上司から受けた証拠が、より効果的に使われるよう冷静に判断しなければいけません。
あなたの会社の中から、もっとも適切な提出場所を見つけるのです。
人事
コンプライアンス部など、ハラスメント関連を扱う部署があれば事前に相談をした上で証拠を提出します。
逆にハラスメントに特化した部署がなければ、たいていは人事や総務部が窓口となります。
現在は、ハラスメントによる意識が昔よりもはるかに高まっているので、会社側も無碍にはしません。
しかし、あくまでも会社は社員を守るためでなく、会社を守る組織。
このパワハラを放置すれば、会社に大損害を与えてしまうという危機感を持たせるような訴え方をすると、より効果があります。
人事が信頼できない
会社側が非常に保守的など、パワハラに向き合ってくれなさそうかどうかは、あなたがパワハラを受けている時からなんとなく感じているはずです。
そんな時は、労働基準監督署内にある総合労働相談コーナーに行くことをおすすめします。
また、会社HPがあれば匿名でパワハラにまつわる証拠データなどを送るのもひとつの手段です。
パワハラ上司本人(オススメしない)
とくにパワハラ上司個人に対し、非常に恨みがある場合は証拠を本人に突きつけたくなるものです。
しかし現実はそううまくいきません。
権力があるパワハラ上司本人に証拠があると知られてしまうと、証拠を握りつぶされたり、逆に自分が加害者になってしまう可能性もあるのです。
また、個人×個人での対立はパワハラ上司と同じ土俵に立ちかねない恐れもあるので、直接証拠を突きつけるやり方はオススメしません。
弁護士に相談して法的に罰することも可能
会社としては人事経由でパワハラを告発するよりも、外部からの通報を恐れています。
パワハラ上司が行ったパワハラが悪質、かつゆるぎない証拠があれば弁護士へ相談するのもおすすめ。
弁護士から会社へ訴えが入れば、会社も動かざるを得ないからです。
退職も上司の評価が下がり追い込む結果となる
「パワハラ上司のせいで退職するなんて負けた気がする」
そう感じる人もいるかもしれません。
しかし、退職は上司の評価を下げるチャンスとなり、結果的に追い込みに繋がります。
その決定的な決め手となるのが、退職の理由です。
「上司のパワハラが原因で退職する」と示すのです。
多くのパワハラ被害者は、上司にパワハラが原因でも黙って自己都合として退職してしまいます。
理由としては「一刻も早く会社を去りたい」と思うほど、パワハラ上司から逃げたい気持ちが大きいからです。
しかし、パワハラのせいで辞めると会社に伝えれば確実に上司の査定に響き評価は下がります。
降格や異動など上司にとって不利な立場になることはもちろん、社内でパワハラが明らかになったことで他の社員からも声があがる可能性も。
場合によっては、上司自ら退職あるいは解雇となる展開も考えられるのです。
パワハラ上司が悔しがる退職とは
ただ退職するだけでなく、次の会社が今より待遇がいい職場であれば、パワハラ上司に精神的ダメージを与えられる結果に。
パワハラをするような人間は嫉妬深く、自分より弱い者にしか威張れない劣等感を抱いています。
キャリアアップして転職していく部下の姿を、パワハラ上司が悔しがらないはずはありません。
会社も離れられる上に給料も上がる、なおかつパワハラ上司を悔しがらせることができる。
これほどスカっとする結果はないと思います。
ただ、転職するにも戦略が必要。
短期間でキャリアアップを目指すには転職エージェントを活用したほうが効果的です。
転職の成功率を上げるためにも複数の転職エージェントを併用すると、希望の転職が実現しやすくなります。
転職エージェントを利用した転職成功のポイントは下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
パワハラ上司に会いたくないなら退職代行サービスを使う
「とにかく今すぐ辞めたい」
「二度とパワハラ上司の顔を見たくない」
そんな人は退職代行サービスがあります。
退職代行サービスは、退職希望のあなたに代わって退職にまつわるすべての手続きを代行してくれるのです。
会社の貸与品や私物は郵送で対応するなど、退職代行サービスに頼れば会社とのやり取りが一切不要になります。
パワハラで精神がボロボロになった人がこれ以上精神的負担を負わないために、退職代行サービスは存在するのです。
退職代行「NEXT」については下記の記事で詳しく解説しています。
あなたの行動がパワハラとは無縁の人生をつくる
パワハラは「自分にも原因があるかも」と真面目に考えてしまい、つい我慢してしまう傾向があります。
しかしパワハラ上司に我慢する必要は絶対にありません。
コミュニケーションを図っても無理なら戦略を持って挑みましょう。
的確に対処できれば、どんな形であれパワハラ上司を追い込むことができます。
まずは今の状況から脱却したいと思う気持ちから。
その気持ちがパワハラのない人生を送るきっかけになるのです。