労働環境

【急増】労災認定されるメンタルヘルスとは?メンタル問題を抱える労働者たち!

労働環境

平成22年の厚生労働省による労働者安全衛生基本調査では、「メンタルヘルス上の理由により、連続一ヶ月以上の求職または退職した労働者がいる」と9割が回答しています。

近年では、職場内いじめによる心の病のトラブルが職場で大きな問題になっていて、セルフチェックの機械や、相談できる窓口などのメンタルヘルス対策は、今や必要不可欠になっています。

これから、メンタル支援における法律や指針、求職や復職支援など、パワハラやセクハラをめぐる問題についての、メンタルヘルス対策をとりあげていきたいと思います。

メンタルヘルスに問題を抱える社員は多い

平成22年の労働政策研究・研修機構による「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」では、メンタルヘルスに問題を抱える社員が7割と高い数値をだしたのは医療・福祉系でした。

地方公務員安全衛生推進協会における「地方公務員健康状況等調査」では、「精神及び行動の障害」の長期病休者の休業理由が、10年間で約3倍に増加しています。

しかし、このような状況下においてもメンタルヘルスケア対策に「必要性を感じない」との回答企業は約40%以上に達するのです。

ただ、メンタルヘルス不全にて休職になった場合、休業補償や補充人員の給与、医療費などの経費がかかったり、損害補償などの負担も生じる可能性があるので、これからメンタルヘルスケア対策は積極的にとり込まれていくことになるでしょう。

メンタルヘルス悪化の要因

①拘束時間と仕事量の増大

長びく不況にて、リストラや新規採用制限の企業が多い状況に陥り、残った社員の担う業務の量や責任は増大し、肉体的にも精神的にも過度な負担がかかるためです。

②雇用形態の複雑化

人員削減を要し、その補いで採用される雇用形態の多様化は、正社員の仕事の分担や管理などの負担の増大をまねき、非正規雇用の労働者は、単純作業や安い賃金に、いつ解雇されるかわからない不安を抱えかるなどにより精神的な負担も多くなるので、メンタルヘルス面で問題を抱えやすくなります。

③人間関係の希薄化

雇用形態の複雑化は、人間関係の希薄化というメンタルヘルス問題をおこします。

終身雇用とは違い、雇用形態が違うと仲間意識は生まれにくく、コミュニケーションも減りますので、上司も部下も、互いの不調に気づきにくくなるのです。

メンタルヘルスケア疾患の症状と対策

うつ病

多忙や人間関係のストレスなどにより、脳内物質ノルアドレナリンが過剰に分泌されることにより生じます。

症状としては、無気力や意欲の低下などがみられます。

※休暇中では元気なのに、会社にいくとうつが生じる新型うつ病が、若い世代に多くなっています。

躁うつ病

脳内物質のセロトニンが減ることで、ノルアドレナリンの過剰分泌により、自分の気持ちをコントロールできなくなり、暴走状態になる躁状態と、無気力のうつ状態をくり返します。

不安障害

過剰に反応があらわれる病気になり、症状としては動悸や吐き気、手足の震えなどがあります。

その他にも、社交不安障害やパニック障害、恐怖症などがありますが、改善策としてはプライベートでのストレス発散法をみつけることが望ましいです。

自己で改善が厳しいようでしたら、長びかせる前に、設置されている相談窓口「総合労働相談コーナー」を活用することや、メンタルクリニックで相談することが望ましいでしょう。

セクハラとパワハラ事情

セクハラやパワハラは法的に責任追及される事例もある

職場でセクハラやパワハラがおこなわれると、事業所も法的責任を負う場合があります。

  • 上司が部下の女性の異性関係が乱れてると会社内外でうわさし、その女性部下が退職に追い込まれた事例があります。

 →裁判所で、会社にその事態に対処する義務があったとし、その女性に対して損害賠償責任を負うと判断しました。

  • 男性従業員が、女子トイレへの侵入を発見したけれど、会社は事実確認を怠り、問題を放置した事例もあります。

 →裁判所は、会社は職場環境を守る義務を怠ったとして、女性従業員に対し慰謝料を払う義務があるとしました。

  • おなじ職場で働く従業員に陰口をいわれ続け、職員が自殺をしてしまった。

 →裁判所では、従業員を管理する立場にある者は、職場の環境を守る義務を負うので、管理者である会社は損害賠償責任を負うと判断しました。

セクハラとパワハラの対応

  • 職場内でのセクハラやパワハラには厳しく処分をおこなうと周知させてもらう。
  • セクハラやパワハラに耐え続けると、判断力・行動力も低下してしまうので、適切に対応できるようはやめに相談窓口を利用する。

セクハラとパワハラの裏事情

職場でのいじめとは、上司から部下へという方式が想像されがちですが、近年は上司の指示や存在を無視したり、業務に非協力的だったりと、逆パワハラの被害もおもてだってきています。

人間関係からのきり離しとされる無視は、孤立させる卑劣行為であり、上司のマネジメント能力の欠如の実害と仕向ける行動として、法的にパワハラと認められています。

この逆ハラについては、耐え続けると判断力など低下をきたしますので、はやめに対処するのが望ましく、相談窓口を利用しましょう。

労働者のための法律

会社には、労働者を守るための法律があり、メンタルヘルスケアのための規定もあるので、不安を抱えてストレスで悩む前に、これらの知識も対策に役だててください。

労働者の心の健康を守るための法律と指針

企業側は法令や指針の規定を遵守して、雇用環境を整備しなければならないとされています。

  • 労働基準法ー労働時間、有給休暇、賃金、労働契約内容
  • 労働安全衛生法ー労働者の安全と健康の確保、快適な職場環境の提供
  • 労働者災害補償保険法(労災保険法)ー仕事上での事故によりケガを負った場合の給付
  • 労働者の心の健康の保持増進のための指針ー労働者のメンタルヘルスについての衛生委員で調査審議することや、メンタルヘルスケアするための方法
  • 心の健康問題により、休業した労働者の職場復帰支援の手びきー休業していた労働者が、円滑に職場復帰できるように、事業者がなすべき措置

労働基準法の労働条件を守るための法律

賃金の額や労働時間など、労働の最低条件は労働基準法で規定されていて、労働基準法は、労働者の心身の健康のために必要な法律であります。

  • 解雇予告日と解雇予告手当

 →解雇日の30日前に予告すれば、予告手当は不要

 →解雇日の20日前に予告する場合、10日分の予告手当を支払う

 →決定当日に解雇する場合、30日分の予告手当を支払う

メンタルヘルスの個人情報管理

メンタルヘルスケアに重要なものは個人情報保護になり、関する情報を取得・開示する際において、労働者本人の同意を得ることと定められています。

病院や企業での労働者の相談窓口にも、保護法によりプライバシーも保護され、多くの労働者が改善していますので、相談したことによる状況悪化など、悪用される心配をもち、病気を長びかせないようにしましょう。

【個人情報の取り扱い】

  • 利用目的を特定しなければならない
  • 利用目的の達成に必要な範囲内の利用にとどめなからばならない
  • 適正な手段によって取得しなければならない
  • 取得に際しては利用目的を通知・公表しなければならない

労働者の一定期間の労働義務を免除する処分

私傷病求職の場合、休業4日目より健康保険から標準報酬月額の6割の傷病手当金が支払われます。

※1日につき標準報酬日額の2/3以上の賃金を支給した場合、傷病手当は不支給となり、2/3に満たない場合は差額が支給されます。

復職時、労使間でトラブルが多いため、求職事由消滅の際の取り扱い、求職期間満了後の取り扱い(復職手続き、休職期間の延長、退職、解雇など)について、就業規則や私傷病求職取扱規定などで明確にしておくことが望ましいようです。

【対象求職の種類抜粋】

  • 私傷病求職:業務外の負傷や疾病で長期間休業する場合
  • 事故求職:私的な事故による場合
  • 自己都合求職:海外留学や議員など公職への就任に伴う場合
  • ボランティア求職:ボランティア活動で求職する場合

労災に該当するメンタルヘルス

メンタルヘルスケアも自己管理のひとつであり、精神面の不調は単純なミスにもつながりますので、ささいな体調の変化に気づいたら、はやめに対処しましょう。

うつ病になりやすいケース

  • 長時間労働や休日出勤などにより疲労が重なる
  • 重大なプロジェクトを任される、重いノルマを課せられる
  • 海外などへの出張が多い
  • とりひき先とトラブルをおこすなど、人間関係トラブル

病気発症の兆候

職場において、メンタルヘルス疾患の原因に、仕事を任せてもらえない、ノルマが厳しい、過度な期待をかけられる、パワハラやセクハラを受けている、職場の人間関係が悪いなどがあげられます。

自分の体調の変化に気づかなかったり、そのまま無理を続けると、環境の変化やささいなひと言などで、急激に悪化してしまうこともありますので、注意が必要です。

  • 悩みごとなどが増え、メンタルヘルスに変調をきたすと、不眠などになりやすくなり、倦怠感が強くなります。
  • 遅刻や早退、欠勤が増えだしたら、危険信号ととらえましょう。
  • ストレスによる脳内物質のバランスの崩れにより、感情のコントロールができにくくなっていきます。
  • 喜怒哀楽がでやすくなったりしたら注意しましょう。集中力や思考力も低下をはじめますので、判断力もにぶり、業務上の簡単なミスが目だつようになります。

このような症状がではじめたら、カウンセリングなどを利用して、話をきいてもらうのもひとつの解決策になります。

ストレスが大きく関与しているので、朝はや起きして、太陽光を浴びながらひと駅歩いたり、カラオケなどの解消法もとりいれるといいでしょう。

労災に該当する精神障害

以前は、精神疾患と業務との間で因果関係を証明することは難しく、労災が認められることはまずありませんでしたが、厚生労働省が判断基準を「心理的負荷による精神障害の認定基準」と改善してから、労災認定ケースは増えているようです。

  • 対象疾病を発病している

 →原則国際疾病分類第10回修正版(ICD-10)第V章「精神及び行動の障害」に分類される精神障害

  • 対象疾病の発病前6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること

 →強度の認定基準「業務による心理的負荷評価表」を指標とし、総合評価が「強」と判断された場合、「特別な出来事」として認定される。

※発病日から起算した直前の一ヶ月間に、160時間を超える時間外労働では「強」認定されます。

対象疾病発病と認められない事象

  • 離婚や別居などの自己都合の出来事
  • 配偶者や子ども、親や兄弟など、自分以外の家族や親族の出来事
  • 財産損失など金銭問題
  • 天災や犯罪などの、事件や事故、災害の体験

復職までの段階的な支援方法

復帰に不安がある人は、厚生労働省が発表した「心の健康問題により、休業した労働者の職場復帰支援の手びき」を参考にするといいでしょう。

復帰支援までの5ステップ

  • 診断書の提出など、病気休業開始及び休業中のケア
  • 産業医などによる精査や、主治医による職場復帰判断の情報提供書
  • 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
  • 求職していた労働者の状態における最終確認、職場復帰の決定
  • 職場復帰支援プランの実施状況の確認や、治療状況の確認など、復帰後のフォローアップ

近年では、有給消化などの条件交渉もおこない、退職も確実にできる、労働組合法人が運営している退職代行サービスがあります。

まとめ

環境の変化は、大きなストレス要因になりかねませんので、転職活動の負担を大幅に軽減し、転職をスムーズにおこなえる転職エージェントに相談するのも方法です。

このようなサービスが増え、転職しやすい時代ともいえますが、心身の健康を最優先と考えた方がいいようです。

まずは転職の前に、近年増加している相談窓口などで、メンタル面を前向きに整えるよう働きかけてくれる、メンタルヘルスケア対策を用いるようにしてみることが、得策だと思われます。

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