「転職回数が多いんじゃないかな?」「平均の転職回数は何回ぐらいなんだろう?」と不安に思っている人もいるでしょう。
看護師は人手不足の職場が多く、求人も多く出ており、すぐに転職できることから、転職回数が多い人もいます。
そもそも看護師の転職回数は何回程度?
「そもそも看護師の転職回数の平均は何回なの?」と疑問に思っている方も多いと思います。
看護師の転職回数は、20代であれば、2回程度が平均です。
20代では3回以上、30代では5回以上の転職回数であれば、多いと言われます。
新卒で働いてから、ひとつの職場で3〜5年程度働き、転職することになると、大体2回程度になるからです。
転職・退職理由で多いものはなに?
転職を考える理由としてどのようなものがあるのかというと
- 残業が多く、自分の時間を確保できない
- 業務量に対する給料が割に合わない
- 人間関係に疲れた
- キャリアアップを考えている
- 人員が少なく、勤務がハードで体調を崩してしまった
- 結婚・出産などライフステージの変化
- 継続して3年以上働いて、ある程度の知識・技術が身についた
このような理由が挙げられることが多いです。
残業が多く、自分の時間を確保できない
看護師はどうしても、忙しく人員が少ないところも多いので、業務時間内に仕事が終わらず、残業になることが多いです。
また始業前の残業も一般企業と違い、当たり前にしているところが多く、1日の半分以上を病院で過ごすことも少なくないでしょう。
そして、看護の仕事だけでなく、委員会や勉強会、ミーティングを時間外に行っているところも多く、これらに関連して残業をしなくてはならないことも多いです。
そのため、残業が多すぎて、自分のプライベートな時間を確保するため、転職を考える人も多いです。
業務量に対する給料が割に合わない
看護師は人手が足りていない職場が多く、スタッフ一人当たりに対する負担がかなり大きいことがよくあります。
そして、それだけ業務量が多いのに、給料が安いというところもあるのではないでしょうか。
必死に働いているのに、給料にも反映されない…ということから、転職を考える人も多いです。
人間関係に疲れた
看護師の転職理由として多いのが、人間関係に関するものです。
どうしても合う人・合わない人というのはありますし、社会人として合わない人とも仕事をしていく必要があります。
しかし、看護師はチームワークが必要です。
特に夜勤などは少ない人数で多くの患者をみるため、お互いに協力しあい、働くことになります。
それなのに、自分の仕事を人に任せたり、ナースコールに出てくれない、嫌味を言われる場合は、どうしようもありません。
自分から歩み寄る努力をしたり、勤務を調整してもらったりしても、どうしても改善できない場合には、転職を考える人が多いです。
キャリアアップを考えている
看護師として、働いていくうちに、自分のやりたいことや勉強していきたい分野が見つかることも多いでしょう。
そのため、今の職場を離れてよりキャリアアップができる職場に転職するという人もいます。
人員が少なく、勤務がハードで体調を崩してしまった
看護師は少ない人数で勤務を組んでいるという職場も多くあります。
そのため、必要な休日数休めなかったり、勤務が連勤になってハードになってしまったりといったことがあります。
そうすると、しっかり休めないまま仕事をすることになり、結果的に体調を崩してしまいます。
人員が補充され、しっかりと休めることが理想ではあります。
しかし、むずかしい場合は、退職・転職することになるでしょう。
結婚・出産などライフステージの変化
20代から30代は結婚、結婚に伴う転居、妊娠や出産などライフステージの変化があります。
そのため、その時のライフステージの変化に応じて転職をする人が多いです。
継続して3年以上働いて、ある程度の知識・技術が身についた
看護師はよく「3年経験してやっと一人前だよ」と言われます。
1年目はまだ「患者をみる」余裕がなく、経験・知識ともに不足している状態です。
3年もすると、配属している科の特殊性や知識・経験も徐々についていきます。
また、3年以上継続して働いていないと、次の職場を探す選択肢が少なくなるため、3年は働いて、転職を考える看護師が多いと思います。
転職回数が多いことによる影響は何?
「転職回数が平均よりも多い…」と感じた方は、転職回数が多いと、どんな影響があるのか?ということが気になるのではないでしょうか。
転職回数が多いことによるデメリットは就職先の印象が悪くなることです。
転職回数は2回程度が平均とお伝えしましたが、
- 2回以上の転職歴がある
- 1つの職場で3年以上継続して勤務していない
これらが履歴書で確認できると、転職先では原因によっては採用を躊躇してしまうかもしれません。
その理由としては、
- すぐに辞めてしまうのではないかと思われる
- 何かコミュニケーションに問題があるのではないか?と思われる
- 本人に何か重大な問題があるのではと思われる
- 知識・スキルがしっかりと育っておらず、身についていないのではないかと思われる
ことがあります。
すぐに辞めてしまうのではないかと思われる
なんと言っても、この理由が大きいでしょう。
同じ職場で継続して勤務できていないスタッフだと、せっかく採用してもすぐに辞めてしまうのではないか?と採用する側は、不安になってしまいます。
スタッフを新しく採用し、教育し、そして一人前になるまでに育てるには、時間も労力も資金も要します。
そのため、すぐに辞めてしまうと感じられるスタッフは採用を躊躇される可能性があります。
何かコミュニケーションに問題があるのではないか?と思われる
継続して勤務できていない場合、コミュニケーション能力に問題があるのではないか?と考えられることが多いです。
看護師の転職理由として、人間関係が原因のことは多々あります。
いろいろな職場を転々とするのは、コミュニケーションがうまく取れないからではないか?
今いるスタッフや医師とうまくコミュニケーションが取れないのではないか?と感じ、採用をためらうことも多いようです。
本人に何か重大な問題があるのではと思われる
経験があまり多くないのに、何ヶ所も職場を変えている場合は、本人に何か重大な問題があるのではないか?と疑われてしまうこともあるようです。
例えば、退職理由や転職回数の多さを聞かれた場合に、前職場の悪口や愚痴を面接などで正直に話してしまうことは、就職先にも当たり前ですが、印象がよくありません。
採用しても、同じように悪口や愚痴を言うのではないか?と疑われてしまいます。
知識・スキルがしっかりと育っておらず、身についていないのではないかと思われる
特に20代で3回以上の転職回数の場合、一つの職場で継続して勤務していないため、知識・経験が乏しいのではないか?と思われます。
既卒看護師には即戦力を求めている病院も多いです。
また、クリニックやスタッフの人員が少ない病院だと、教育制度が整っていなかったり、そもそも教育できるスタッフがいなかったりします。
そのため、一からていねいに指導することができないので、採用されないという可能性もあります。
転職回数が多くても就職できる?
ここまで、転職回数が多いことによるデメリットをお伝えしました。
では、転職回数が多いと次の職場で採用が絶対不利になるのか?というと、必ずしもそうではありません。
転職回数が多くても就職できるポイントは
- コミュニケーションが問題なく取れる
- 転職理由が明快で説明できる(結婚、転勤、スキルアップなど)
- 一ヶ所で3年以上の経験がある
- 専門的な分野がある
理由を具体的に説明します。
コミュニケーションが問題なく取れる
先ほど転職回数が多いことで、コミュニケーション能力に問題があるのではないか?と疑われてしまうとお伝えしました。
そのため、コミュニケーションが問題なく取れるということを、面接で証明すればいいのです。
転職理由が明快で説明できる(結婚、転勤、スキルアップなど)
転職理由は基本的にポジティブな内容がいいです。
前職場に不満があって辞めた場合でも、面接の場では、前職場の悪口や不満は口にしないのが賢明です。
もし不満があって辞めた場合でも、面接までに、ポジティブな理由で辞めたことを面接で伝えられるように考えておきましょう。
例えば、
・結婚に伴う転勤、転居で辞めた
・妊娠や出産でライフスタイルの変化があって、辞めた
・看護師として、経験していくうちに興味のある分野がはっきりして辞めた
上記のような理由であれば、面接官もマイナスな印象を抱くことはないでしょう。
「人間関係が理由で辞めたから理由が思い浮かばない…」「なんとなく辞めたからなぁ…」
と言う場合には、事前に考えておきましょう。
また、転職回数が多いことを自分でも自覚していると表明することも大切です。
転職回数が多い、一ヶ所で長く勤務していない場合は、
「長く勤務したかったのですが、〇〇〜」と伝えたり、「こういったことを自分なりに対策や改善をしたりして、勤務できるようにしたのですが、〇〇〜」と伝えましょう。
自分でも転職回数が多いことを改善しようと思っている、自分で原因に対して長く勤務できるように対策を講じているということがわかれば、面接時の印象も変わってくるでしょう。
一ヶ所で継続して3年以上勤務した経験がある
一ヶ所で継続して3年以上勤務した経験がある人も採用される可能性が高いです。
新卒から3年以上同じ場所で勤務していると、研修で技術や知識、接遇など基本的なことを学んでいることが多いからです。
そして、一つの職場で継続して勤務できていることで、すぐに辞めてしまう可能性が低いことも就職する時には有利になるでしょう。
専門的な分野がある
助産師や手術室、ICUなど専門的な分野で働いていた経験がある場合は、即戦力になるため、転職回数が多くても、あまり重要視されない可能性があります。
転職を成功させるための対策は?
看護師の転職を成功させるためには、以下が重要です。
- 自分が将来、どんな看護師になりたいにか、ビジョンをはっきりさせる
- 応募先のホームページ、募集要項をしっかり読み、情報収集を行う
- 面接で意欲を伝える
ここでは、上記項目について解説していきます。
自分が将来、どんな看護師になりたいにか、ビジョンをはっきりさせる
転職先に一貫性がない場合、急性期から慢性期、また急性期へと転職している場合や、病院やクリニックなど病院の規模もバラバラの場合です。
このような人は、面接官も疑問に思い、理由を追求されることが多いです。
また、自分の中でも看護師としての将来のビジョンがはっきりしていないと、今後も転職をすることになります。
応募先のホームページ、募集要項をしっかり読み、情報収集を行う
ホームページや募集要項に書いてある内容を面接で質問してしまうと、印象が悪くなります。
例えば、「夜勤の回数は月に何回ですか?」「土日祝日は休みですか?」などは、募集要項に書いてあることが多いです。
そんな内容を質問してしまうと、採用側から「きちんと見ていないな、本当に就職したいと思って調べたのかな?」と疑問を持たれてしまいます。
募集要項をしっかりと読んだ上で、それでも気になるところは質問したらいいのですが、質問内容には気をつけましょう。
面接で意欲があることを伝える
面接で意欲があることを伝えることも大切です。
例えば、20代後半から30代の看護師であれば、リーダーとして後輩指導の経験を生かして働きたいと伝えましょう。
また、今までに経験したことのない透析や訪問看護などの部署に配属される可能性があるのであれば、事前にどのようなことを勉強すればいいのかなどを聞きます。
積極的に質問することで、意欲をアピールできるでしょう。
まとめ
転職回数が多くても、難なく転職できる人ももちろん多くいます。
転職回数が多くなると、なぜ転職理由が多いのか、面接では必ず聞かれると思います。
そのため、自分の転職回数の多さを自覚し、転職回数が多くなった原因・理由をはっきり説明できることが重要です。
他責するような発言はなるべくしないようにしましょう。
自分で考えるだけではうまくいかない時や、転職がうまくいかない時には、転職サイトを使うこともおすすめです。
情報収集をうまくしながら、転職が成功するよう願っています。