ただでさえ大変な看護師の業務。
結婚生活と両立させようと思うと、さまざまな悩みやストレスが目の前に立ちはだかるはずです。
実例を見ながら、自分がなににストレスを感じているかを明確にしましょう。
そして、具体的な対処法とストレスの解決に結びつく転職のポイント、転職先例まで解説します。
28歳 看護師経験5年 A子さんの場合
では、看護師A子さんの悩みを例に見ていきましょう。
看護師:A子さん 28歳 総合病院に5年勤務 年収470万(2交代制で夜勤月4回) A子さんの夫 31歳 会社員、土日・祝日休み 年収420万 |
A子さんは、今の仕事を続けながら共働きすることを前提に、結婚生活をスタートしました。
お互いの勤務先の中間にあたる最寄り駅に転居したので、通勤時間は30分から1時間に。
2~3年はしっかりお金を貯めてから、子どもを作りたいと考えていました。
シフト制だけど土日の休みは月4回程度あるので、夫との時間もそこそことれると思っていました。
そして、結婚して3カ月。
残業して家にもどっても、疲れて夕食の準備をする気力はありません。
たまった洗濯物にもウンザリ。
夫と休みの合うせっかくの休日も、ふたりで楽しむ余裕がありません。
夜勤明けもゆっくり休めないので、夫に不満の矛先が向いてしまい、最近はギスギスした状態になることも。
でも、収入はあまり落としたくないから、とりあえず一日一日なんとかしのいでいる状態です。
看護師が結婚後に直面する具体的ストレスとは?
では、A子さんのかかえるストレスを、ひとつひとつ見ていきましょう。
- 看護師の仕事と家事の両立がキツイ
- 通勤時間が2倍になった
- 夫と休日にゆっくり過ごせない
- 余裕がないから、夫にイライラしてしまう
1~4はすべて時間的にゆとりがないことに起因する悩みです。
すぐに専業主婦や短時間のパートになれるなら悩みは解決しますが、今後の生活を見すえて、ある程度収入は維持しなければいけないのです。
みなさんの中にも、同じようなことで悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
夜勤をしながらのフルタイム。ただでさえ大変な看護師の業務に加え、結婚生活の維持が加わるのです。
両立させようと思うと、続けるのはかなりむずかしい職業なのでは?とさえ思います。
でも、頑張りすぎるとメンタルに支障をきたす恐れも。
体力的・精神的に疲れがたまってしまうと、うつ病になるリスクもあります。
現に私は精神科の勤務経験がありますが、看護師さんの入院患者の割合は結構多いです。
常に2~3人はいるな、という印象でした。
うつになる人は性格的に真面目なので、めいっぱい頑張りすぎてキャパを超えてしまうのですね。
そうなってしまう前に、「結婚」という大きな人生の節目をよい機会ととらえて、働く環境を見直してみるのもいいかもしれません。
看護師の結婚後のストレス、家事の負担を解決!
では、具体的な解決方法について考えていきます。
最新家電を導入する
まずは、身近な手を付けやすいところからはじめましょう。
家事の負担を最小限にするため、最新家電を導入してはどうでしょうか?
食器洗いは食洗器、洗濯は乾燥までできる全自動洗濯機を。
食事作りが苦手なら、調理家電。掃除ならルンバやブラーバなど。
今は、家事労働を効率化するための便利な家電がそろってます。
全部そろえるのは無理でも、自分の苦手な家事を代行してくれるものから導入してみることをおススメします。
わたしは、仕事帰りの食事作りがものすごく億劫に感じるタチ。
どうしたものかといろいろ調べ、調理家電のホットクックを購入しました。
材料を切ってセットするだけなので、とても重宝してます。
今では食事作りがぐんとラクになりました。
同僚には、20万近くする乾燥機能付きの全自動洗濯機を購入した人もいます。
高かったけど、洗濯物を干す手間がなくなって「すごくラク!」と話していました。
また、マンションに住んでいる友人はルンバを購入。
「何もしなくていいから、ラクだよ。」とみな一様に「ラク」だと言っています(笑)
食器洗いがストレスなら、食洗器を購入を検討しましょう。
夫に汚れたお皿のセット方法をマスターしてもらうと、それだけでも家事の負担が激減して、ストレスの解決になると思います。
看護師の結婚後のストレス、通勤時間と休日のすれ違いを解決!
今の職場で、短時間正職員制度を検討する
結婚による転居で、通勤時間が負担になった場合、どうしたらいいのでしょうか?
まずは、今の職場で短時間正職員になるなど、勤務形態の変更が可能か確認してみましょう。
メリットとしては、環境の変化による新たなストレスがないことがあげられます。
慣れている業務と人間関係はそのままで、通勤時間の増加による時間的な負担をゼロに戻すことが可能です。
日本看護協会も、「多様な勤務形態」の普及に力を入れています。
短時間正職員とは、正職員という安定した身分はそのままに、通常より短い時間で働ける雇用形態です。
社会保険・育児護休業なども適用されます。
給与は正職員のフルタイム職員と同様の給与体系が、勤務時間の違いのみを反映して設定されます。
ここが、通常のパートと大きく異なるところです。
逆に取りあえずラクになりたいからと、長年働いていた職場でパートになるのは注意が必要です。
正職員と比較すると、時給換算ではかなり低くなるからです。
ボーナスもまったく支給されず、有給もリセットされる場合もあります。
最初は、残業もなく早く帰れることに爽快感があると思いますが、慣れてくるとどうでしょう?
実際に、正職員からパートになった知人も、新人ナースや仕事の遅い
あの人より働いてるのに!とよく不満を漏らすようになりました。
パートになる場合は、後悔しないよう給料と時間的ゆとりを天秤にかけて、十分納得してからにしましょう。
今の職場で結婚生活と両立させたい場合は、まずは給与と働いた時間が比例している短時間正職員を検討してみることがおススメです。
今の職場で部署の異動を検討する
夜勤のあるシフト制で夫と休日が合わない場合、同じ病院内の外来や訪問看護部門に異動希望を出してみるという方法もあります。
メリットとしては、これらの部署はほとんどが日勤のうえ、休みも決まっているため、プライベートのスケジュールが立てやすいことです。
また、同じ病院内なので、事前に人間関係や残業の有無など情報が得やすいでしょう。
看護師の結婚後の転職に必要なポイントとは?
条件をはっきりさせる
とはいっても、今の病院では短時間正職員の制度がないし、部署異動はむずかしそう。
そもそも、今の病院で働き続けることにこだわってないという場合もあるでしょう。
その場合、看護師の仕事と結婚生活の両立のために、ストレスをため込むよりは、思い切って働く環境を変える時期です。
自分がなにに悩んでいて、なにを解決したいかはすでにわかっています。
ストレス解決のための勤務条件もはっきりさせましょう。
A子さんの場合、ストレスを解決するためには
- 自宅から30分以内
- 土日が休みの日勤
- 年収は350万程度
という条件が必要です。
看護師は数多くの求人があるので、枠を決めて当てはまる求人の中から絞る方が合理的です。
自分のゆずれない条件や優先順位をはっきりさせることで、転職活動がしやすくなります。
ハローワークや看護協会などで探すオーソドックスな手もありますが、看護師の転職エージェントに登録してみるのもひとつの方法です。
今後のキャリアを考える
条件を絞ったうえで、自分が今後どういうキャリアを築いていきたいのかを考えてみます。
基本となる臨床経験を積んでいれば、自分で考えている以上に幅広い仕事があるでしょう。
私の場合は、一般科で数年病棟経験を積んだ後は、もともと興味のあった精神科に転職しました。
残業もほとんどなく働きやすい環境だったので、興味のある分野で長く勤務できました。
同僚の中には、キャリアアップを目指して、公認任心理士の資格取得の勉強をしている人もいます。
結婚した看護師が働きやすい転職先例
外来・クリニックで働く
では、時間的な自由を重視して、結婚生活とムリなく両立させて働きたい場合の転職先例をご紹介します。
まずは、外来・クリニックがあげられます。
メリットとしては、休診日が年間を通してほぼ決まっていること。
夫の休日と合わせて勤務先を選べば、ふたりでゆっくりと過ごす時間
がとれます。
習い事や友人との食事なども、スケジュールも立てやす
いはずです。
自宅から通いやすい勤務先を選べば、通勤時間も大幅に短縮されます。
デメリットとしては、クリニックは看護師が少人数のため、急な休み
が取りにくかったり、替えがきかないことなどがあげられます。
人間関係も、一度こじれたら少人数だけあって逃げ場がありません。
もちろん、異動などもできないため、事前の情報収集は慎重に行った
ほうが良いでしょう。
でも、クリニックだと大きな病院と違って、知人からの口コミやネッ
ト情報も見つからないことも多いと思います。
特に、転居して間もない場合などは、情報を得るのが難しいと思います。
ハローワークで転職活動をする場合、営業時間は平日の8時半から17時15分までです。仕事と家事に忙しい看護師にとっては、かなりの負担ですよね。
その点、看護師の転職エージェントなら夜間まで営業しているのが普通です。
登録後、アドバイザーに条件を伝えると、条件に見合った転職先をリストアップしてくれるはずです。
情報収集できるだけでも十分価値があると思います。
看護師転職エージェントを有効に活用して、転職活動のストレスも最小限におさえましょう。
保育所併設の病院で働く
意外におおすすめなのは、保育所が併設されている病院です。
メリットとしては、子育てに協力的な雰囲気があるので、今後出産を考えている場合、産休・育休・産後の復帰まで見通せることです。
結婚後2~3年は日勤の常勤などで働くと、産休後の復職もスムーズです。
育児休業を経て、短時間勤務からムリなく復帰できます。
復職してからも、子供が小さいうちは熱を出したりと急に休まざるを得ないことも多いはず。
わたしも保育所併設の病院で働いていたことがありますが、上司も子育て中の看護師に対して理解がありました。
同じく子育て中の同僚もいるはずなので、共通の話題で人間関係も築きやすいと思います。
また、保育所を併設している病院では、産休・育休の取得率を上げ、アピールポイントとしているところも多いと思います。
なので、病院側としては看護師に産休・育休をとっても働き続けてほしい。そのための環境が整っている病院は、将来を見据えると働きやすいと言えます。
デメリットとしては、自分が受けたメリットの裏返しです。
産休・育休で休む看護師が多いと、抜けた穴をフォローするために一定期間業務が忙しくなる可能性があります。
ここは、「お互いさま」と思える雰囲気が職場にあるかが、カギになるはずです。
まとめ
結婚した看護師は、結婚生活との両立というカベにぶち当たります。
ひとりでストレスや不満をため込むと、精神的な不調から結婚生活にも支障をきたす恐れもあります。
何にストレスを感じているのかがわかったら、できるところからストレス解決のための行動を起こしましょう。
看護師の結婚後のストレスを解消するポイントは以下のようになります。
- 自分が何にストレスを感じているかを明確にする
- ストレスの原因は何かを具体的にする
- ひとつひとつ解決方法を考え、実践する
- 最新家電で家事を効率化する
- 今の職場で勤務形態の変更や部署異動ができないか検討する
- 転職のための条件をはっきりさせる
- 自分の今後のキャリアを考える
- 転職エージェントなどを有効活用して、転職活動を行う
現在は看護師にいたっては求人が豊富で、仕事探しに困ることはありません。
仕事と結婚生活が両立しやすい環境で働きながら、看護師としてのキャリアを積み重ねましょう。