「薬剤師」は難関資格のひとつです。
国家試験の合格率は2020年で69.58%と、その数字だけを見れば高い合格率となります。
しかし、合格するまでの期間の勉強量は非常に多く、国家試験受験に到達するまでの道は非常に険しいと言われています。
そんな専門知識を持った薬剤師の資格を活かして転職を考える時には、どの様なポイントを押さえればいいのでしょうか。
今回は薬剤師において転職活動を成功させる秘訣をご紹介していきます。
薬剤師という職業
薬剤師は国家試験です。
そのため、試験に合格しなければ、薬剤師として業務を行うことは出来ません。
転職活動を行う前に、薬剤師の現状を理解しておきましょう。
2020年の合格率
第105 回 薬剤師 国家試験 実施状況
試験実施 | 2020 年2 ⽉22 ⽇・23 ⽇ |
合格発表 | 2020 年3 ⽉24 ⽇ |
受験者数 | 14,311 ⼈(対前年0.5%減) |
合格者数 | 9,958 ⼈(同2.3%減) |
合 格 率 | 69.58%(同1.33 ポイントダウン) |
冒頭でご紹介している通り合格率だけを見ると非常に高い数値です。
しかし、実際には高度な試験にカテゴリ分けされており、専門の学部で6年間の学習が必要です。
つまり、医師と同じ期間の専門的な学習が必要となります。
薬剤師を取り巻く環境
転職を考える際に注目したいのが「薬剤師不足」の課題です。
数年前から「薬剤師」不足が問われています。
それは、現在も続いています。
その観点からいえば、「転職」は容易な環境が整っているといえるでしょう。
厚生労働省が発表している数値では薬剤師の有効求人倍率は10.05倍となり売り手市場です。
(参考:全ての職種における求人倍率は1.37倍)
この状況は、しばらくの間は継続すると言われていますが、課題もあります。
企業側はあくまで、優秀な薬剤師を求めているという点です。
そのため、継続したスキルアップをしておかなければ、転職は難しいと考えてください。
この考え方は、どんな職種にも言えることですが、人の身体に影響を与える薬を取り扱う人材として、様々な新薬が発表される環境だからこそ、より一層のスキルアップが必要です。
優秀な薬剤師となれば、転職を行う際に雇用条件を交渉することも可能となります。
薬剤師が転職先を選ぶ際に調べること
薬剤師が転職する場合に、調べなければならないことには以下のようなことがあります。
- 地域制
- 時間帯
ここでは、上記2点について具体的に説明します。
調査ポイント①|地域制
薬剤師の求人数は地域によりバラつきがあります。
特に都内の薬剤師不足は深刻です。
人口が多いエリアでは、そのぶん薬剤師が必要となります。
地方でも地域により薬剤師の不足数のバラつきがあります。
地域の人口や病院数、薬剤師数などをあらかじめ調べていけば、転職しやすいエリアを絞りこむことが可能です。
中には薬剤師の資格を取り、地元で働きたいという方もいるでしょう。
下記の記事では、Uターン就職について詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
調査ポイント②|時間帯
薬剤師として転職を成功させたい場合は、働く時間帯も視野に入れて転職活動を行いましょう。
薬剤師の中で女性が占める割会は70%程度となり、多くの女性が活躍しています。
また、育休・産休の制度が整っている職種ともいわれ、産休後の女性は子育てと両立するために9時~15時の時間帯で勤務している方も多くいます。
こうした幅広い働き方ができるのも、薬剤師のメリットのひとつです。
現在働いている薬局で、このような働き方ができない場合は、転職も視野に入れて検討したほうがよいでしょう。
病院薬剤師への転職について
病院薬剤師は新卒採用文化が強く、人気が高いです。
そのため、病院薬剤師への転職は難しくなります。
新卒採用文化が強い
病院薬剤師は、例年新卒採用を中心とした人材確保をしている病院が多く、新卒採用の募集で人員が補填されてしまいます。
そのため、転職で病院薬剤師になれる可能性は低いです。
転職で病院薬剤師になれるためには、相当のキャリアと実績、経験が必要となります。
人気が高い
病院薬剤師は人気が高く競争率が高い傾向にあります。
少ない求人を高い競争率で奪い合うため転職が厳しいという結果になります。
そのため、病院薬剤師への転職を諦める人も少なくはありません。
病院薬剤師への転職を成功させる秘訣
では、病院薬剤師としての転職を成功させるためには、どのようなことが必要なのでしょか?
それには以下の4つのポイントがあります。
- 地域特性を生かす
- 病院の種別を絞る
- アピールポイントを整理する
- 専門のエージェントを活用する
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく説明していきます。
地域特性を生かす
病院薬剤師は、倍率が低い地域もあるので、求人数や求人先が多い地域を選ぶことも成功の秘訣です。
地域特性といっても、一概に地方がいいということではありません。
都心部であっても、エリアによっては求人数に偏りが出ています。
こうした情報を転職活動の前に調べていくことも大事です。
病院の種別を絞る
病院といっても、クリニック、総合病院と病院の種類は複数あります。
実際に転職を行う場合には、自分が勤務をしたい病院の種類や規模を絞ることも大事です。
これは、条件比較をする際にも有効です。
同じ規模の病院であったとしても、労働条件についての相違があります。
同じ転職をするのであれば、自分にとっての希望条件により近いものを選択することができるようになります。
アピールポイントを整理する
倍率が多い職業への転職においては、どんな職種であってもアピールポイントの整理は必須の項目です。
同じ薬剤師であっても、自分が行ってきた相違工夫や、ポジションに応じた経験は大きなアピールポイントになります。
どんな経験をしてきたか、新しい職場で何をしたいかを整理してアピールすることは必須です。
特に差別化が難しい国家試験合格者であるからこそ、自分自身のアピールをどこまでできるかが採用に繋がります。
薬剤師の自己PRの書き方は下記の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
専門のエージェントを活用する
転職エージェント、医療系エージェントに登録し最大限に活用しましょう。
業種業界の情報を蓄積している専門部隊であるからこそ、自分ひとりで転職活動をするよりも多くの情報を収集し提供してくれます。
また、アピールポイントの整理や練習、他応募者と比較した際の弱点などについても丁寧にアドバイスしてくれます。
こうした外部組織をうまく活用できるかどうかも転職の明暗を分けるポイントになります。
おすすめするエージェントは「リクナビ薬剤師」です。
「リクナビ薬剤師」は、リクルートエージェント、タウンワーク、リクナビ、とらばーゆなどを通じ、年間100万人以上の転職を支援するリクルートグループが運営する「薬剤師専門」のサービスです。
求人数は業界トップクラスとなります。
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「リクナビ薬剤師」の詳細はこちらからまた、実際の転職活動においては、上記を複数組み合わせて行うことが必要です。
ご紹介している内容以外にも、同職種の中で広がる人的ネットワークを活用し情報取集や紹介を受けて転職を成功させる方も数多くいます。
様々な集まり(勉強会など)に参加し、スキルアップや人脈の構築をしていくことで転職活動を優位にすることも可能です。
まとめ
薬剤師がおかれている環境や転職の可能性、実際に転職を行う際におさえておきたいポイントをご紹介しました。
実際に転職をするべきかを悩む方、コロナ感染などの側面から仕事に不安を感じる方も多いです。
しかし、薬剤師はその専門性や求人数を勘案しても、転職できる可能性は高い職種です。
そのうえで転職を成功させるためには、しっかりと計画を練ること、情報を収集し活用することが大切です。