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【例文で解説】フリーランスの仕事の断り方!積極的に断ろう!

フリーランスとして活動していると、仕事を断らなければならない場面は必ずあります。

しかし、下記のような不安を感じる人も多いのではないでしょうか。

  • お仕事を断るのは気まずいし、お仕事が途切れてしまわないか不安
  • 相手を傷つけない断り方はないかな

特に、フリーランスとして駆け出しの時期は、「できる仕事はなんでも引き受けるべきだ」と考えてしまいがちです。

ですか、フリーランスにとって、仕事を断るスキルはたいへん重要です。

なぜなら、悪い条件の仕事を引き受け続けると、あなたからキャリアアップの機会がどんどん逃げていくからです。

この記事では、フリーランスの仕事の断り方や判断基準について解説していきます。

仕事を断るメールの例も記載していますので、参考にしてください。

フリーランスが仕事を断る基準とは

メールの書き方について確認する前に、まずは仕事を断る基準を把握しましょう。

あらかじめ判断基準を明確にしておくことで、決断の迷いが減り、効率的に仕事を進められるようになります。

基準①報酬の額

1つ目の基準は、報酬の額です。

  • 単価が安すぎる仕事
  • 単価は普通だが、作業に時間がかかり時給が安くなってしまう仕事

上記のような仕事は、基本的に断った方がいいでしょう。

安すぎる仕事は心身を消耗するわりにスキルアップも見込めず、自分の首を締めます。

また、クライアントから「この人は安い給料でなんでもやってくれるな」と判断されてしまうリスクもあります。

最低時給を設定しておこう

とはいえ、どのくらいの報酬が高い、もしくは安いと感じるかは、人によって異なりますよね。

そこで、報酬が安いかどうかを判断する基準として、「自分の最低時給」を設定しておくのがおすすめです。

たとえば、最低時給を1000円と設定したなら、1000円より時給が安くなる仕事は迷わず断りましょう。

流れとしては、以下の通りです。

  1. 仕事の内容を見て、必要なタスクを細かく書き出す
  2. タスクごとに必要な時間を予想し、書き出す
  3. タスクの合計時間と報酬を照らし合わせて時給を算出し、自分の最低時給と比べる

最低時給を見積もっておくことで、多くの仕事をすぐに切り捨てられるようになります。

必ず設定しておきましょう。

基準②自分のスキルで80%対応可能か

2つ目の基準は、「自分のスキルでどの程度対応できるか?」ということです。

フリーランス、特に駆け出しの人は、自分にとってレベルが高めな案件にも積極的にチャレンジしていくべきです。

スキルは実践を通して成長していくものだからです。

しかし、自分のスキルでは全く歯が立たない仕事を引き受けてしまうのも問題です。

途中で仕事を投げ出してしまうのは、お互い時間やお金のムダになってしまいますよね。

そこでおすすめの判断方法が、「現時点の自分のスキルで、80%対応可能か?」と考えることです。

仕事内容を見て、「だいたいはできそうだけど、ちょっとだけわからないところがあるな」と感じるくらいがベストです。

もちろん『80%』という数字にこだわりすぎる必要はなく、現状のスキルだけでほとんど対応できる仕事を引き受けるのもOKです。

あまりにも難しい仕事や、簡単すぎるものは避けていくことがポイントです。

基準③今後伸ばしていきたいスキルとの関連性

3つ目の基準は、「今後伸ばしていきたいスキルとの関連性はあるか?」ということです。

フリーランスの収入は、特定のスキルの高さに比例します。

そのため、自分が磨くべきスキルを活かした仕事を受注していく必要があります。

たとえば、WEBデザイナーとして働いているのに、アンケートやライティングのお仕事を受けていては、当然デザイナーのスキルが上がることはありません。

「そんなこと、当たり前だろう」と感じる人もいるかもしれませんが、この判断ができていない人はとても多いのです。

「アンケート」や「モニター募集」のような仕事は、手軽で大人気ですが、スキルアップには全く貢献しませんよね。

自分が活躍したい分野に絞って、仕事を選びましょう。

仕事を断る時のメールの書き方

次に、仕事を断る際のメールの書き方について紹介します。

例文を使って解説していくので、ぜひ参考にしてください。

メールの書き方①理由はなるべく正直に伝える

まずは、最も汎用性の高いメールの例文を紹介します。

株式会社〇〇様
お世話になっております。○○です。
この度は、〜〜のお仕事についてご紹介いただき、ありがとうございます。

今回のご依頼につきましては、
1.現在、他の業務が立て込んでおりますので、お引き受けするのが難しい状況です。
2.報酬についての条件により、お引き受けするのが難しいという判断に至りました。
3.私の対応業務とは異なる内容になっておりますので、お引き受けすることができません。
4.私の技術では対応することが難しいので、お引き受けするのが難しいという判断に至りました。

ご期待に応えることができず、大変申し訳ございません。
またの機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。

○○

断る理由については、なるべく正直に伝えましょう。

前述の「3つの判断基準」に照らし合わせて、満たしていない基準を理由に採用するといいでしょう。

「なるべく正直に」と書いたのは、いくら正直とはいえ、「めんどくさいから」「あなたとはそりが合わないから」と伝えるのはよくないからです。

メールの書き方②感謝を伝える

断りのメールには、感謝を伝える文言も含みましょう。

仕事の依頼を断ることは気まずいものですが、感謝をしっかりと伝えれば、角が立たずに済みます。

  • この度は、ご依頼いただきありがとうございました
  • 毎回丁寧な対応をしていただき、大変感謝しております

上記のようなフレーズが1つあるだけで、丁寧で人間味のある文面になります。

意識的に感謝の言葉を含めましょう。

メールの書き方③大幅な単価UPを交渉する

こちらは裏技になりますが、大幅な単価UPを要求するのも方法の1つです。

たとえば、以下のようなメールを送ることにより、運が置ければ単価アップが見込めます。

株式会社〇〇様
お世話になっております。○○です。

この度は、〜〜のお仕事についてご紹介いただき、ありがとうございます。
現在他のお仕事が大変立て込んでおりまして、今回のお仕事を受けることが難しい状況です。

つきましては、現在単価〇〇円のところを、5倍の値段でおまかせいただけないでしょうか?
突然の提案になってしまい、申し訳ありません。

ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

○○

この方法は、逆に自分から厳しい条件の提案をすることで、クライアントの方に仕事を断念してもらうというやり方です。

どんなに信頼関係があろうとも、いきなり5倍の単価で仕事を任せてくれるクライアントはほぼいません。

まずは交渉してみるのもOK

仕事を断る前に、条件を改善できないか相談してみるのもいい方法です。

  • 報酬が安すぎるなら、単価交渉してみる
  • 対応範囲外の業務なら、仕事の内容を変更できないか交渉してみる
  • 仕事のレベルが高すぎるなら、対応できる一部の業務のみ任せてもらえないか交渉してみる

相手が条件を飲めない場合は、潔く諦めましょう。

フリーランスが仕事を積極的に断るべき理由

たしかに仕事を断るのは勇気がいることですが、それでもフリーランスは積極的に仕事を断るべきです。

理由は、主に3つあります。

  • 都合よく利用される可能性がある
  • スケジュールに余裕がなくなる
  • スキルアップの機会を逃す

理由①都合よく利用される可能性がある

仕事を断れないフリーランスは、クライアントから都合よく利用される可能性があります。

仕事を安く大量に引き受けてくれるワーカーは、クライアントにとって非常に都合の良い存在です。

しかし、これは決してクライアントが悪いわけではありません。

仕事を断れず、提案を受け入れてしまうフリーランスの方に責任があります。

理由②スケジュールに余裕がなくなる

安い仕事で生活するためには、とにかくたくさんの仕事量をこなす必要がありますよね。

その結果、スケジュールに余裕がなくなり、良質な案件が舞い込んできた時に対応できなくなってしまいます。

自分にとって理想的な仕事のために、安い案件を断る技術を磨きましょう。

理由③スキルアップの機会を逃す

安い仕事は、スキルアップに繋がりにくいです。

その上、スキルアップのための勉強の時間も削られ、自分の市場価値が全く上がらない悪循環に陥ります。

ゲームで例えると、レベル30なのにレベル2の敵と戦い続けているようなものです。

それならばレベル35に挑んだ方が、効率よくスキルアップすることができますよね。

パレートの法則

パレートの法則』をご存知でしょうか。

パレートの法則とは、「結果や出来事の80%は、20%の原因によるものである」という意味を持つビジネス用語です。

これだけだとわかりづらいので、下記に例を挙げます。

  • 店舗の売り上げの80%は、全体の20%の顧客によるものである
  • 店舗の売り上げの80%は、全体の20%の商品によるものである

この法則は、ビジネス以外の場面にも適応できます。

  • テスト範囲の20%を完璧にすれば、80点を取ることができる
  • 日々の行動や習慣のうちの20%が、自分の幸福の80%を規定している

80%や20%は正確な値ではなく、あくまで「結果の大部分は、わずかな原因に起因している」ということをわかりやすく表現するために使われている数字です。

そしてもちろん、パレートの法則はフリーランスにも当てはまります。

フリーランスとして有益な仕事は、全体の20%しかない

フリーランスとして本当に大事にするべき仕事は、ごくわずかだということです。

そのため、仕事を受ける能力よりも断る能力の方がはるかに大切なのです。

有益な仕事が20%しかないということは、残りの80%の仕事を蹴る勇気とスキルが必要であることを意味しています。

フリーランス初心者にとって、これは簡単なことではありません。

ですが、早いうちから仕事を断ることに慣れておくと、フリーランスとして最速で成長できます。

ぜひ、前述した判断基準を強く信じて仕事を選んでみてください。

フリーランスは経営者です

フリーランスは、経営者と同じ役割を担っていると考えましょう。

フリーランスは自分の責任で物事を判断し、決断を下します。

成功も失敗も全て自己責任。

これは大変なことですが、自分で決めたことなので理不尽なことではありません。

「経営者」という言葉を聞いて重たいイメージを持った人もいるかもしれませんが、フリーランスは経営者ほど責任が重くありません。

経営者が経営判断を間違えると、従業員全員を苦しめることになってしまいますが、フリーランスなら被害を被るのは自分だけです。

仕事を断ることも、経営者が自分の大切な部下にリストラを宣告することに比べたらそこまで大変ではないですよね。

自分の責任で決定を下すことに慣れていきましょう。

フリーランスに最も必要なスキルは、『営業力』

勘違いしている人が多いのですが、フリーランスにとって最も大切なスキルは『技術力』ではなく『営業力』です。

営業力は、自分の技術力に見合った仕事を獲得できるスキルのことです。

もちろん、営業力の中には『仕事を断るスキル』も含まれます。

多くの人は、「仕事が取れないのは、自分の技術が未熟だからだ」と考え、実践を恐れて勉強ばかりしています。

しかし、いくら技術を磨いても、その価値をクライアントに伝えられなければ、仕事を任せてもらうことは不可能です。

技術は実践を通して磨かれるものなので、まずは仕事を取らないと何も始まらないのです。

判断基準を満たした仕事を探し、的確にアプローチしていく。

これに勝るスキルはありません。

選ばれる人間ではなく、仕事を選べる人間になりましょう。

まとめ

ここまで、フリーランスの仕事の断り方や判断基準、仕事を断る重要性について解説してきました。

要点は以下の通りです。

  • 仕事を断る判断基準は、「報酬の高さ」「自分のスキル」「スキルとの関連性」
  • 仕事を断れるフリーランスは、市場価値の高い人材になれる
  • フリーランスに大切なのは技術力よりも、仕事を取る力

スキルが高いのに、安い案件ばかり受けるのは割に合いませんよね。

そのような事態を防ぐためにも、自分の技術に自信を持って、強気に交渉する態度を持ちましょう。

この記事を読んだあなたのフリーランス生活が、より一層充実することを願っています。