世の中には仕事やノルマに追われることなく、のんびり働きたいという方も多いです。
のんびり働くにはどのような職種が良いのでしょうか?
今回は、のんびり働ける職種やマイペースで働くポイントなどを紹介します。
はじめに |働くことの価値観の変化(のんびり仕事がしたい)
働き方改革や新型コロナウィルスの影響により、ここ数年、人々の「働く価値観」が大きく変化しています。
1社に長く勤め、給料や役職を上げていく古典的なキャリアアップを志向する価値観は、既に万人に通用するものではなくなりました。
急かされるように働き、心身ともに疲れ果て、それでも努力するというのは「働く価値観」から大きくかけ離れたものと言えるでしょう。
一方、企業によっては働き手の価値観の変化や、働き方改革に鈍感なところも存在し、「きつい」「つらい」職場もあることでしょう。
リクルートワークス研究所の調査によると、長時間労働の是正やテレワークの導入は、政府が声高に叫んでいるにもかかわらず、道半ばであることが報告されています。
現在「きつい」「つらい」職場に身を置いている方は「のんびりと働ける職場に変わりたい」と思っておられる方もいらっしゃることでしょう。
とは言え「のんびり」とは人それぞれです。
本記事では「のんびり」を
- 急かされることもなく淡々と働く
- 負担を軽くして楽に働く
- マイペースで働く
という3つに分けて、それぞれの職種選び、職場選び、働き方選びのポイントを解説します。
また「のんびり働く」には、職種選び、職場選び、働き方選びだけではなく、今後の仕事に重要な技術や知識を身に着ければ、達成できるという視点もあります。
上記の3つの「のんびり」を同時に達成するポテンシャルがある、これからの時代に有用な知識や技術を紹介します。
急かされることもなく淡々と働くには
急かされることもなく淡々と働きたいと思われる方もいらっしゃいますね。納期に追われ、目標に追われ、あくせくと働くことに疲れを感じる人の
- 職種選び
- 職場選び
- 働き方選び
について解説します。
急かされることもなく働きたい人の職種選びのポイントは?
急かされることもなく働きたい人は、ノルマのない、納期のない、常に同じことを一定のリズムで行う仕事・職種を選ぶことが重要です。
例えば、地方の工場勤務では、単純作業をなるべく淡々とこなすことが求められます。
急かされるというよりは一定のリズムで処理することを求められます。
オフィスでは事務職が候補です。
こちらも一定処理を淡々と行うのは、工場勤務とよく似ています。
ただし、企業によってはこれらの職種もスピーディーに動くことを求められることもありますので注意してください。
事務職は「楽な仕事」と思われている方も多くいらっしゃるでしょう。
一口に事務といっても「経理事務」であれば決算に近くなれば当然忙しくなるため、急かされることもあるかもしれません。
受発注処理などの「営業事務」は、営業の繁忙期はとても業務量が多くなる傾向があります。
なるべくルーチン業務で、業務量の波がない職種を選ぶようにしてください。
また、淡々とこなせるかどうかは自分自身が業務に慣れ、処理方法を工夫、ルーチン業務の質を高めていく要素も大きいことを意識しておいてください。
急かされることもなく働きたい人の職場選びのポイントは?
急かされることもなく淡々と働きたい人は、職場全体の業務処理のリズムが安定している職場環境を選ぶことが重要です。
例えば、セカセカした人が多い営業組織のアシスタント事務職などは、気忙しい感じがあります。
また上司がスピーディーに働くことを重視していれば、当然業務を早く処理しなければ、と思いプレッシャーを感じるでしょう。
職場選びは、実際の職場を見てみないと判断が難しいところです。
転職活動の際、面接だけではなく、職場見学も行っておくと良いでしょう。
急かされることもなく働きたい人の「働き方」選びのポイントは?
急かされることもなく働きたい人は、業務量を自分でコントロールしやすい「働き方」を選ぶことが重要です。
近年、働き方も多様化しています。クラウドワーカー、個人事業主という働き方は、請け負う案件の内容によりますが、人から急かされることが少なくなるでしょう。
これらの働き方は、自分で請け負う業務量をコントロールすれば、淡々と仕事ができます。
負担を軽くして楽に働くには
負担を軽くして、楽に働きたいと思われる方もいらっしゃいますね。
ただし、負担に感じる内容は人それぞれです。働く選択も、それらを取り除くことが重要です。
※急かされることが負担だと感じる人は前項を参照してください。
- 職種選び
- 職場選び
- 働き方選び
について解説します。ポイントは「自分自身が働くうえで負担に感じるポイントは何か」を明らかにすることです。
楽に働く職種選びのポイントは?
負担が軽い仕事をしたいと思っている人は、何を負担に感じるのかを明らかにして、なるべく負担に思う内容が小さい仕事を選ぶことが重要です。
人間関係が負担になる場合は、1人でやることが多い仕事を選びましょう。
ノルマや納期が負担になる人は、プレッシャーのかからない単純な繰り返し業務を行いましょう。
ドライバーや配送業など、業務のコアな時間は1人でやることが多い仕事ですし、基本的に配達できる範囲で責任をもって配達できれば良いので、人間関係やノルマからのプレッシャーは避けられるでしょう。
楽に働く職場選びのポイントは?
何を負担に思うのかは人それぞれです。
職種選びと同じで、何を負担に思うのか、不満に思うのかを明らかにして、それらを解消できる職場を選ぶことが重要です。
職場での人間関係を負担に思うならば、なるべくテレワークを推奨している職場がおすすめです。
目標などのプレッシャーを負担に思う人は、なるべく間接部門(人事・経理・コンプライアンス)で働くなど、プレッシャーの少ない環境がおすすめです。
長時間労働や残業の多さを負担に感じる場合は、残業抑制の取り組みを具体的に講じている職場や、定時退社を推奨している職場を選ぶ方が良いでしょう。
楽に働く「働き方」選びのポイントは?
負担に思うことが「働き方」に原因がある場合は、働き方の角度からも検討が必要です。
正社員で転勤もあり得ることが心配になるのであれば、契約社員や業務委託といった雇用形態もあります。
マイペースで働くには
誰からも指示されることがなく、自分のペースを守って働きたいと思われる方に対する
- 職種選び
- 職場選び
- 働き方選び
について解説します。
マイペースで働く職種選びのポイントは?
マイペースで働きたい人は、自分のペースを保ちやすい職種を選ぶことが重要です。
営業職は目標を達成すれば、やり方を含めて、比較的自由度が高い傾向です。
ドライバーや配送業など、仕事の時間はほぼ一人でこなします。
技術をもっているのであれば、社内システムエンジニア(SE)やデータアナリストなどは、黙々と仕事ができます。
自分自身の技術が優れていれば、他の社員から技術的なところまで介入されないことが多く、社内の仕事であれば納期もコントロールすることができます。
マイペースで働く職場選びのポイントは?
報告をこまごまと求める職場や権限移譲が進んでいない職場はペースを保てない可能性があり、それらとは逆の職場を選ぶことが重要です。
階層が多い(部長→課長→係長→リーダー→メンバー など)職場は、その傾向にあるかもしれません。
また、上司にも依存します。
こまごまと管理したいタイプの管理職が上司の場合は、上司がペースを握ってしまうことが多いので、そういった上司はできるだけ避けたいところです。
マイペースで働く「働き方」選びのポイントは?
究極のマイペースは個人事業主としての働き方です。
雇用されるより、業務を請け負うという選択肢もあります。
昨今、クラウドワーカーに代表されるように、企業に所属せず、独立して仕事をする人も増えています。
WEBデザイナーやWEBライターは、クラウドワーカーの代表的な仕事といっても過言ではありません。
個人事業主やクラウドワーカーは、仕事そのものに納期はありますが、自宅で仕事ができることも多く、こなす業務の量も自分でコントロールすることが可能です。
自分で業務をコントロールできる技術や知識とは
急かされることもなく、自分で業務をコントロールするには、他人より秀でている知識や技術がある方が良いと言えます。
ご紹介した3つの「のんびり」を、同時に到達するポテンシャルのある技術や知識を紹介します。
- データサイエンティスト
- 業務を効率的に処理するツールの知識や経験
知識や経験がない人は時間的・金銭的投資が必要になりますが、これらの知識や経験は、高収入につながる可能性もあります。
データサイエンティスト
ビッグデータ解析や人工知能(AI)による予測や最適化は、あらゆる産業で需要が高くなるでしょう。
人工知能(AI)を実装できるプログラマーや、統計解析に長けている人は自分で業務をコントロールできます。
Pythonなどのプログラミング言語の学習ニーズが高まっていますが、今後の需要を満たすほど、人材が豊富にいるわけではありません。
また、人工知能(AI)やデータサイエンスの発展のもとになっている統計解析の知識を有している人も、アメリカなどに比べ日本は遅れていると言われています。
業務を効率的に処理するツールの知識や経験
業務効率化(自動化)のための知識や経験がある人は、自分で業務をコントロールできます。
業務効率化や生産性向上を実現するテクノロジーであるRPA(Robotic Process Automation)も、生産性向上に向けた取り組みとして注目を集めています。
まだまだ新しい概念ではありますが、RPAツールは既に登場しており、身近に存在します。
それらを使いこなして、業務を効率的に処理するために自動化できる人は、他人に急かされることや、周囲からのプレッシャーからは無縁となるでしょう。
まとめ |のんびり働くには
ご紹介した3つの「のんびり」について、まとめた内容が下記です。
転職の場合は、面接だけでは分からないことが多いので、職場環境を重視する方は、できるだけ職場見学をさせてもらうことをおすすめします。
職種選び | 職場選び | 「働き方選び」 | |
急かされることもなく淡々と働きたい | ノルマのない、納期のない、常に同じことを一定のリズムで行う仕事・職種を選ぶこと | 職場全体の業務処理のリズムが安定している職場環境を選ぶこと | 業務量を自分でコントロールしやすい「働き方」を選ぶこと |
負担を軽くして楽に働きたい | 何を負担に感じるのかを明らかにして、なるべく負担に思う内容が小さい仕事を選ぶこと | 何を負担に感じるのかを明らかにして、それを解消できる職場を選ぶこと | 負担に思うことが「働き方」に原因がある場合は、働き方の角度からも検討が必要 |
マイペースで働きたい | 自分のペースを保ちやすい職種を選ぶこと | 報告をこまごまと求めない職場を選ぶこと | 雇用されるより業務を請け負う |
のんびり仕事をしたい、という価値観は決しておかしいことではありません。
むしろ、誰もが抱くことがある価値観といえるでしょう。
転職サイト大手の「doda」によると、転職サイトのフリーワード検索には「在宅勤務」や「フルリモート」が上位となっています。
「doda」については下記の記事で詳しく解説しています。
ぜひご覧ください。
これらは、新型コロナウィルスの影響もありますが、自分のペースで働きたい、あるいは無駄な社内コミュニケーションという負担を避けたいというニーズの現れだと捉えることもできます。
このように、働く人が本記事で説明をしてきた「のんびり」を志向する傾向は、既に大きな流れになりつつあることが分かります。
今よりも「のんびり」を手に入れたいと思われる場合は、転職や働き方を検討していただくことをおすすめします。
自分自身が業務をコントロールできるようになることが、過度なプレッシャーを受けず、また急かされることのない業務環境につながります。
自分自身で完結できる技術や仕事上の得意分野をもつことが、自分自身で業務をコントロールできる近道です。
オフィスワークでも、技術や知見を活用することで、自分のペースで働くことができます。
生産性向上のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性が注目されています。
ただし、日本企業の場合、業務効率化を掲げるものの、実現にほど遠い企業も多く存在します。
デジタルトランスフォーメーションに直結する技術(データサイエンスやRPA技術)があれば、自分自身のペースで仕事をこなすことができ、急かされることも、プレッシャーを受けることもありません。
そのような技術や知識を磨くという観点も、のんびり働くには重要です。
デジタルトランスフォーメーション(DX) については下記の記事で詳しく解説しています。