近年のITトレンドにDXがあります。転職事情でも同じく、「次の転職先はDX関連にしたい」という方も増えています。
今回はDXの概要と、DXへの転職事情も伝えていきます。DXといっても、地域や現在の業界によって異なる面もありますが、大まかなトレンドは近いものがあります。
DXとは
DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念です。つまり「IT技術を用いて生活の質を向上させよう」というものです。
DXは人々の生活だけではなく、仕事上にも活かされます。例えば、工場では生産効率を高めるためにIT技術を使い、顧客の求める商品を、短納期で高付加価値で提供することで顧客の利益を生み出します。
製造業だけではなく事務作業や営業業務も同様に、ITを用いて業務改善を行うことが可能です。
労働人口の減少をITで補うことや、諸外国との競争に勝つためにDXは多くの企業で注目を受け、DXに精通した方の転職市場での価値はかなり高いものとなっています。
DX転職はコロナ禍により加速している
コロナ禍は仕事環境に大きな影響を及ぼしましたが、最も大きな影響は「人と人が会うのは難しい」ということです。
今まで直接会っていた人同士がなるべく会わないようにリモートで打合せをすることが増えてきました。
ただ、簡単な打合せであればリモートで済むのですが、最終決定を伴うような打合せはリモートではなかなか済まないことがあります。その際、DXが役に立ちます。
DXはITをいかに効果的に使うかという概念です。
そのため、リモートワークで使われるITシステムを用いて、直接会ってする仕事と変わらないクオリティを生み出すということが可能です。
今まではあまり注目されなかったITシステムが、コロナ禍により急速に表舞台に立ち始めているのです。
DX転職の波が多くの会社に押し寄せている
DX関連の転職が増えてきているのは紛れもない事実です。
コロナ禍で人と人との交流が分断されたものをITで補おう、という考えからDXが浸透しているのも事実ですが、DXを用いてシステムを作った方が効率的かつ簡単だからということもあります。
DXとはプログラミングやRPA、IoT技術などとを組み合わせて生活や仕事の質を向上させる考え方や概念ですが、必ずしも上記全てに精通している必要はありません。
そのため、DX転職ではITの知識に加えクリエイティブであり、プロジェクトをマネジメントする経験や能力が求められます。実際にはこれらを複合した人材は多くは存在しないので、該当する転職希望者にはスカウトが殺到します。
DX転職の主流はプロジェクトマネジャーやデータ解析のスペシャリスト
実際のDX転職で具体的に多い職種は、プロジェクトマネジャーやデータ解析のスペシャリストです。
「プログラマーやRPA、IoT技術者じゃないの?」という声が聞こえてきそうです。多くのプログラマーや技術者は確かに専門性が高く知識もあります。
しかし、その反面全体を俯瞰して工程や予算などのバランスを取りながらプロジェクトを推進していくにはスキルが異なります。
プロジェクトメンバーにはそのような方は必要になるのですが、これらのスキルを有する方は増えてきていますので、現実的にはこれらをまとめる、オーケストラの指揮者のような方がDX転職市場では求められます。
ITスキルがあった方が転職には有利ですが、必ずしも必要ではないという理由はここにあります。
DXの需要が特に高まっている業界・企業
DX転職の需要は高まっていますが、中でも特に高まっている業界や企業があります。主だったところではマーケティングツールベンダーやコンサルティング業界です。
詳細は後述しますが、どちらもITを使って自社の改善点がどこかを模索し、どのように業務改善するかに主眼を置いています。
マーケティングツールベンダー・SIer
マーケティングツールベンダーとは、企業のホームページや現在使われている社内インフラ設備を確認し、集客や業務改善に役立てていこうというものです。
馴染みのあるものでいえばSEO対策であったり、ビッグデータを用いたセールスフォースであったりなどが該当します。
ホームページの閲覧者にはどのような方が多いかを自動で解析し、ホームページの内容を改善すべきなのか、営業スタイルを変えるべきなのかなど、統合型マーケティングにも活用していきます。
マーケティングへの転職は下記の記事で詳しく解説しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
コンサルティング業界
コンサルティング業界は仮説思考や演繹法などが好まれる業界です。
ただし、これらは膨大な量のデータや社員からのヒアリングによって仮説が正しいのかを判断し、改善提案を実施していきます。そのため、経験によって実施される部分があるのも事実です。
膨大な客観的データを集計し、数字をもとに誰が見ても納得する資料を早く・確実に作るにはDXは最適な概念です。
コンサルタントなので決算書などの係数を見る知識も必要ですが、現在はITを活用するDX経験者のニーズは高まりを見せています。
コンサルティング業界については下記の記事にまとめています。
興味のある方はぜひご覧ください。
DXへの転職で求められる経験
DXへの転職には以下の経験やスキルが求められます。
- エンジニア経験
- 開発を主導した経験
- コンサルティング経験
- 新規事業立ち上げの経験
当然全ての経験を有した方が良いのですが現実には全てをパーフェクトに経験している方は少ないので、全てを満遍なく持ちつつ、一つ以上の分野で特化し強みを有している方が求められます。
もちろん、他人を巻き込む力や人間性などは当然に有していることが条件になります。
エンジニアの経験
システムを構築するにあたり、開発工程を全体的に俯瞰したことのある経験は必要です。
開発工程は具体的には、「要件定義→外部設計→内部設計→プログラミング設計→プログラミング→テスト→納品→保守・運用」と続きます。
これらの開発工程の中には開発者など多くの方がかかわります。納品物の最終形態をイメージしつつ、開発者にもイメージを持たせながら工程管理や費用管理も必要です。
そのため、これらを経験しているエンジニアはDX転職市場で重宝されます。
開発を主導した経験
DXはITに深くかかわるので、当然開発をした経験が必要になります。
開発と言っても幅広いですが、具体的な仕事内容としてはプログラミングやRPA、IoTシステムの開発経験です。
自身で開発をすることは少ない可能性もありますが、開発経験のある方であれば「どう指示をすればプログラミングしやすいか」などプログラマーに対する作業指示を明確に行うことができます。
また、プログラマーの作業フォローもしやすいので、開発を主導した経験はあると有利です。
コンサルティング経験
コンサルタントと言ってもジャンルは様々ですが、多くの人がイメージするのは経営コンサルタントと思われます。
当然経営に関する係数知識や仮説思考を持つ方は重宝されますが、大事になるのは「クライアントが有していないシステムを導入する際、クライアントに最終製品をイメージさせる」ことです。
経営コンサルタントなので最終的には利益に結びつく必要がありますが、ITに限らず何かしらの大型設備をクライアントに導入した経験はDX転職にて役に立ちます。
新規事業立ち上げの経験
DXは注目されているワードではありますが、現在はDXという言葉自体が社会に浸透してまだ新しく、詳細まで認識している人はまだ少数です。そのためDXのことをよく知らないまま導入を検討している企業も多いです。
企業からしたら半分目隠しをした状態でDXを導入していきますので、事前に予測できない困難も浮上します。
困難を乗り切るには似た経験をしていることが重要になりますので、新規事業を立ち上げた経験がある方はDX転職に有利です。
DXへ転職した場合の年収は500万円~1,200万円
DXへ転職をする場合に年収はおよそ500万円~1,200万円と言われており、一般企業の給与水準よりも高い傾向にあります。DXを導入したいという企業が多く、DX導入に向けた転職希望者が少ないため、必然的に年収が高くなります。
年収に幅があるのはDXが新しいジャンルで深く理解している人が企業側に少ないため、「これくらいのレベルなら年収は○○万円」と決めきれないためです。そのためどうしても転職希望者の前職年収と比較して年収を決める傾向が強いです。
とはいえ年収アップは期待できるので、DXへの転職は選択肢の一つに入れて良いかもしれません。
DXにおすすめの求人サイト
DX求人サイトにはどのようなものがあるのでしょか?
ここでは、DXにおすすめの求人サイトを紹介します。
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PHPエンジニア、コーダー、デザイナー案件が多く、そのような職種の方は仕事が見つけやすいでしょう。
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繰り返しになりますがDX市場はまだ発展途上の段階で、全体像をつかんでいる人は多くはありません。ただし他者や他国との差別化を図り、労働人口が減少していく中でIT技術を活用するDXはますます注目されていくでしょう。
DX転職をされる際は、まずは自身の経験や実績を振り返り、何を強みとして企業へアピールするべきかを検討してください。
DX市場へ行くことで、その企業だけではなくあなたの力で日本に活力を与えられるかもしれませんから。