「マネキン」と聞いて、皆さんは何を思い浮かびますか?
大半の方が洋服屋さんでモデルとして洋服を着せられている人形の事を想像するでしょう。
実は、もう1つ違った意味があります。
それは、「試食販売スタッフ」です。
店内でソーセージやステーキ肉を実際に焼いて、お客様に焼いた食べ物を無料で提供している方をよく見かけると思います。
お客様に実際の商品を試食して販売する事を試食販売と言い、試食販売スタッフの事をマネキンと言います。
この記事では、マネキン(試食販売スタッフ)ついて執筆します。
なぜ、試食販売員をマネキンと呼ぶのか

マネキンという言葉の由来はフランス語で「モデル」という意味のmannequin(マヌカン)から来ております。
日本では、「マヌカン=招かん(まぬかん)」と聞こえ、お客様を招く事が出来ずに、商売繁盛出来ないと縁起の悪い言葉に聞こえてしまう可能性があります。
日本国内の店頭には、商売繁盛の縁起物として、招き猫が置かれています。
マネキンの言葉の由来は「招き猫」と「mannequin(マヌカン)」の造語で出来ており、意味は「お客様を招くモデル」です。
マネキンの仕事内容

店側がオススメしている商品・新商品をお客様の前で調理をして、実際にお客様に食べてもらい、その商品を買ってもらえるようにアピールする事が主なお仕事内容です。
マネキンの求人情報サイトを見ますと、紹介する商品の購入数のノルマがない求人が多く、それほどプレッシャーを感じる事がないお仕事となっています。
マネキンの仕事で身に付く能力

人前で堂々と話せるスキル
マネキンは、多数のお客様が行き交う店内で、お客様の目を紹介する商品に注目させなければなりません。
特に、土日の昼時は主婦の方々で混雑しているので、多くのお客様に商品を注目してもらう事が困難になってきます。
商品に注目させる為の手取り早い方法は、「大きな声を出す」です。
大きな声で「新商品のソーセージを試食しております。是非、食べてみて下さい。」と、お客様に何を売っているのかを宣伝する事で集客できます。
マネキンの仕事をする以上、大きな声を出す事は免れないです。
内気で、人前で堂々と話す事が苦手だった方もマネキンの仕事をすると、自然と声が出せるようになり克服出来ます。
営業スキル
スーパーには、老若男女問わず、多くの方が来店されます。20代の若い女性、50代の主婦に同じ営業をしても中々、商品は売れません。
お客様の見た目、喋り方、作法、持ち物、付添人などを見て、瞬時にお客様の背景を考え、お客様に合った営業方法でアプローチしなければなりません。
例えば、1人の主婦が試食販売エリアの近くにいるとします。
その人を見た時に、このように考えます。
「40代主婦、隣には野球のユニホームを着た食べ盛りの中学生、ユニホームが汚れている事から練習後に今晩のおかずを探している。食べ盛りの中学生にはガッツリした味づけが好ましい。」
そして、ステーキ肉の味づけをさっぱりした和風ソース、ガッツリしたニンニクが効いているソースの2つを準備して、お母さんには和風ソース、中学生にはガッツリしたソースがかかっているステーキを渡します。
すると、2人は満足した顔をして、興味を持ってくれると思います。
お母さんは「味の多様が出来るこのステーキは、子供と私とお父さんで味づけを変えられるし、美味しいから一個だけ買おうかな。」
と考えてくれると思います。
これを繰り返し継続すると、色々な営業アプローチの引き出しを持つ事が出来ます。
このように、来店してくるお客様を観察し、お客様から得られる背景を想像する事で、1人1人に合った営業アプローチを確立出来ます。
コミュニケーション能力
マネキンの仕事は、老若男女問わず誰とでも話せるスキルが身につきます。
店内には幅広い客層の方がいます。
若い方からお年寄りの方まで、同じ話し方で営業をすると、商品購入には繋がりません。
それぞれの客層に合った話し方で営業を行う事が重要になってきます。
幅広い客層に合った営業を行う事で、コミュニケーション能力も自然と得られます。
特に親子連れが多い為、子供への対応もしなければなりません。
自分に子供がいないと、子供とどう接していいか分からない方がいますが、マネキンの仕事をする事で子供への対応が上手になり、子供に好かれるようになります。
商品を購入してもらうコツ

商品を買ってもらうコツは総じて「お客様ファースト」の心構えを持つ事です。
お客様ファーストとは、お客様の事を第一に考える事を言います。
お客様ファーストをする上で重要な要素は「提案力」、「パフォーマンス力」、「表情と心構え」の3つです。
「提案力」
提案力が購入に繋がる理由は、店内にいる主婦は、ほぼ何を作るかを決めずに来店しているからです。
大半の主婦の方が、「今日の夕飯何にしようかな。」と悩みながら、店内にある食材を眺めております。
悩んでいる主婦の方々に、自分が紹介する商品を用いて、いかにお客様の立場になって、魅きつける提案をする事ができるかが購入してもらう重要な鍵となります。
これより、良い提案をする事で、主婦の方々の購買意欲を奮い立たせ、商品を購入してもらえます。
「パフォーマンス力」
パフォーマンス力が購入に繋がる理由は、お客様の足を止める事が出来るからです。
商品を購入してもらう為には、お客様の足を止める必要があります。
お客様の足を止める為に必要な事がパフォーマンス力です。
調理した後の商品を試食として渡すだけでなく、お客様の前で調理というパフォーマンスをする事でお客様を釘付けにし、足を止めさせます。
オススメは匂いを出す事です。
調理をして、良い匂いを出す事でより多くの人を集客でき、足を止める事ができます。
パフォーマンスで足を止める事に成功しましたら、試食をしてもらいます。
試食したお客様は、商品の味を確認した後に、「私が自宅でこの味を再現できるのかしら。」と考えるでしょう。
お客様の前で調理をする事のメリットとして、お客様に視覚的に、調理方法や使用している調味料を伝える事ができます。
これにより、お客様の懸念であった味の再現が出来るかどうかを払拭する事ができ、より購入されやすくなります。
また、お子さんの注意を引く事もでき、お子さんにつられて主婦の方も魅入ってしまい、購入するパターンも多々あります。
これより、高いパフォーマンスをする事でお客様の足を止める事ができ、視覚的に伝える事が出来るので、より購入してもらえる可能性が上がります。
「表情」
「商品を購入して欲しい。」と一生懸命になりすぎたり、「仕事疲れた。」と心の中で思っていると、お客様に気づかれ、商品を購入されにくくなります。
自分の営業成績の為に、商品の購入数を上げる事ばかり考えると、肝心のお客様の気持ちを度外視する事になりますので、注意が必要です。
自分がお客様の立場になって考えると、不機嫌そうで、暗い表情で、ボソボソと何を喋っているか分からない人から購入しようと思わないでしょう。
これより、お客様が気持ちよく買い物をしてくれるように、明るい表情で接客をすると、より購入してもらえる可能性があります。
説明した「提案力」、「パフォーマンス力」、「表情」の3つを押さえることで、お客様ファーストtの心構えが出来ます。
「どうしたらお客様は気持ちよく購入してくれるかな?」、「自分がお客さんだったら、どのような対応されると気分が悪くなるかな?」と、常にお客様の事を考えて、接客すると自然と売り上げは上がってきます。
自分の事しか考えない利己の心ではなく、お客様の事を考える利他の心を持ち、接客していきましょう。
他の業界へ就職する際に活かせる強み

マネキンの仕事をする事で、他の業界へ就職する際に活かせる強みは「営業力」です。
その理由は、どの業界に就職しても営業をする機会が必ずあるからです。
例えば、貴方が上司にプレゼンの資料作成を依頼されて、資料の確認をしてもらう状況にあるとします。
上司に資料の確認をしてもらう際に、自分が作成した資料の説明をしなければなりません。
資料の合格を貰うためには、上司を納得させなければなりません。
上司の納得を得る為に、肝になる事は説明の仕方です。
説明の仕方とは言い換えると、営業の仕方になります。
ここで、上司をお客様と置き換えます。
資料の説明をする際に、まず、お客様(上司)の表情や態度を観察します。
お客様の機嫌が良いのか悪いのかを判断する事で、営業の仕方が大きく変わってきます。
剣幕な表情のお客様に上機嫌で話すと、良い内容の資料であっても、火に油を注ぐことになりますので、十分に観察する必要があります。
さらには、どのようなアプローチで営業をするべきかも非常に重要です。
ここで、マネキンの仕事で得た「営業力」が活きます。
マネキンの仕事では、老若男女問わず、幅広い年齢層のお客様を相手にしますので、数多くの営業方法を得る事ができます。
マネキンの仕事での営業経験と数多くの営業方法の引き出しから、上司への営業も上手に熟す事が可能です。
これより、マネキンの仕事の他の業界へ就職する際に活かせる強みは「営業力」となります。
マネキンから試食販売を行った店への正社員に転職する方法

結論、マネキンから試食販売を行った店への正社員になる事は可能ですが、正社員になるまでの過程が少々面倒です。
マネキンとして働いている方は、試食販売スタッフとして働いている店内に雇用されているのではなく、マネキン登録している会社に雇用されています。
正社員になる為には、次の順序を踏まなければなりません。
- マネキン登録している会社を退職する
- 試食販売を行った店への正社員として雇用される
この場合、試食販売スタッフとして働いていた店は関係ありませんので、マネキンとして働いている当人が、マネキン登録している会社に退職する意向を示さなければなりません。
また、正社員として雇う以上は店側の採用判断も厳しいです。
マネキンから正社員へ転職したいと考えている方は、以下の3点を意識して仕事に取り組むと、社員の目に留まり、採用したいと思われるでしょう。
社員に一目置かれるほど、仕事が捌ける
社員に一目置かれる為には、手抜きをしない、簡単なミスをしないはもちろんですが、社員を巻き込んで、自ら行動する事が重要です。
「指示待ち」状態では社員の目に止まりません。
社員へのアピールポイントとしては、社員に「あのマネキンさんを正社員として雇えば、店の士気が上がり、売り上げも上がるかも」と期待されるような立ち振る舞いです。
「あのマネキンさんは、一生懸命働いてる」と社員に思われるような行動を積極的に行い、社員にアピールしましょう。
高いコミュニケーション能力
働く上での基本として、挨拶をする、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を行うといったコミュニケーションがあります。
老若男女問わず、色々な方と仕事の話しから何気ない会話まで出来る高いコミュニケーション能力がある事で、色々な社員の方とも会話でき、良い信頼関係を結べると思います。
社員から信頼される
遅刻、欠勤が多かったり、突然のシフト変更を要求したり、欠員が出た時にフォローしなかったりすると、社員からの信頼度は下がります。
他人に迷惑をかけずに、困っている時に協力する心構えで仕事をする事で、社員から信頼を得られます。
誰しも信頼できる人と仕事をしたいので、社員に信頼されるように努めましょう。
まとめ
マネキン(試食販売員)は、営業力を得られ、人間性も向上する非常に魅力的な仕事です。
他の業界へ就職する際に活かせる強みも多くあります。
多くの事を書きましたが、これから、マネキンとして働きたい方は、特に「お客様ファースト」を意識して、仕事をして下さい。
お客様ファーストを意識する事で、話し方、立ち振る舞い方、営業の仕方でお客様の気分を害す事はありません。
自分の売り上げた個数の事しか考えない利己の心ではなく、お客様第一に考える利他の心で接客する事で、貴方のマネキンライフが大きく良い方向に傾きます。
また、年代別に転職成功のポイントは下記の記事で詳しく解説しています。
ぜひご覧ください。