私たちの生活で当たり前のように存在する段ボールですが、段ボールに対し、それほど興味を抱いているという人は少ないかもしれません。
ですが、当たり前に存在しているものだからこそ、どんな業界であるか知りたいと考える人も中に入るのではないでしょうか。
そんな段ボール業界についてこの記事では紹介します。
「きつい」と言われている段ボール業界にはどのような魅力があるのかまとめました。
段ボール業界はきついって本当?
一般的に段ボール業界はきついと言われている職種の一つです。
なぜ段ボール業界がきついと言われているのか。
その理由の意味は、大きく分けて「仕事内容」と「材料の高騰による資金と運送料の上がり幅」にあります。
材料の高騰により段ボール業界は一時期低迷の危機を迎えました。
また、段ボールは運送業者によって運ばれているため、材料費の高騰に加え運送料の増加と二重の苦難を与えられることに。
この問題は現在でも解決されたわけではありません。
ですが、インターネットの普及や、新型コロナウイルスによる自粛生活を強いられているという問題もあり、宅配の需要が増え続けているのも事実。
宅配の需要が増えているということは、その分、段ボールを利用するわけですから、必然的に段ボールの売上もアップします。
そのため、最近では、段ボール業界も安定の一途をたどり、「きつい」からは脱しつつあります。
段ボール業界がきついと言われている理由
段ボール業界がきついと言われるもう一つの理由は、「仕事内容」です。
段ボール業界と聞いてもあまりピンと来ないという人も少なくないでしょう。
ここで、段ボール業界のきついと言われる仕事内容について説明します。
立ちっぱなし
段ボールは工場で作られているわけですが、その作業は常に立ちっぱなし。
段ボールの原料である紙をセットしたり、決められた大きさにカットする作業は機械で行うためスイッチを押すだけですが、ラインをチェックしたり、検品や梱包、パレット積みなどの作業は手作業のため、常に動いていなければなりません。
そのため、腰や足への負担が大きくきつい職種と言われているのです。
肉体労働
立ちっぱなしの作業だけでもかなり疲れますが、パレット積みの作業はかなりの肉体労働です。
段ボール1枚分の重量はそれほどありませんが、実際の作業ではある程度の枚数を束にして積み重ねていくため、数時間後には腕がパンパンになるという人も多くいます。
そのためある程度の体力は必須となります。
段ボールの臭い
段ボールには独特の臭いがあります。
それほど気にならないという人にとっては問題ありませんが、臭いに敏感な人にとっては慣れるまで苦痛に感じるかもしれません。
また、段ボールは原料が紙ですので、一日中触れていると手が乾燥しがちに。
冬場になるとひび割れを起こしてしまうという人もいるくらいです。
そのため、手のお手入れは欠かせません。
作業環境
段ボールをカットしていると、どうしても埃や紙くずなどが大量に発生してしまいます。埃や紙くずなどは軽いため空気中に浮遊してしまいやすく、マスクなどをしていないと体の中に吸い込んでしまうリスクも。
吸い込むことで体調が悪くなります。また、鼻が詰まるなどのアレルギー反応を起こす場合もあります。
段ボール業界の仕事内容
段ボール業界はきついと言われていますが、それは作業現場で働いている人に限ってのことです。
実は、段ボール業界には、作業現場で仕事をする人以外にも、別の仕事があります。
それらの仕事内容についてここで説明します。
営業
まずは、営業です。
営業はどんな職種にもありますが、段ボール業界にももちろん設けられている仕事です。段ボール業界は基本的に注文を受けてから作ります。
つまりは「オーダーメイド商品」、と言っても過言ではありません。
営業の主な仕事内容は、アポイント⇒ヒアリング⇒発注・納品⇒アフターフォローです。
アポイントは新規顧客を獲得するために飛び込み営業をかけ段ボールの魅力をより深くしてもらう=興味を持ってもらうところからスタートします。
もし顧客に興味を持っていただけたのであれば、顧客の元を訪問し段ボールが必要となる場面や用途などについて聞き出します。
ヒアリングまで進んだら、見積もりを渡し、デザインや設計の担当者と一緒に相談しながらサンプルを作成。
出来上がったサンプルを顧客に確認してもらい承諾を得たら、受注を受け納期までに完成させ、完成させた段ボールを納品します。
一度納品したらそれで終わりにさせるのではなく、繰り返し受注してもらうためにもアフターフォローは大切な仕事です。
日頃から連絡やニーズに答えることによって、顧客とのより良い関係を築く。
まさに、営業でしか培うことのできない仕事内容となっています。
デザイン・設計
デザイン・設計は、前述で説明した営業担当から依頼された内容を基に、顧客が依頼した内容に合わせてデザインや設計を考案して提案を出し、箱作りを行うのが仕事です。
デザイン・設計は営業と比べると募集はそれほど多くないため、根気よく見つける必要があります。
もし、デザイン系のスキルを持っているのであれば優遇されやすいので、募集を見つけた際は応募してみましょう。
段ボール業界が向いている人
段ボール業界はきつい職業であると言われていますが、中には、段ボール業界が向いているという人もいます。
では、どのような人が段ボール業界に向いているのか。
ここで説明します。
人との会話が苦手
どの職に就いてもある程度の社交性は社会にとっては大切かもしれません。
ですが、中には人とのコミュニケーションズうまく図れずストレスに感じるという人もいます。
そんな人にとっても段ボール業界はおすすめ。
営業や設計担当でなければ、黙々と作業をすることができるため、会話を苦手とする人にとっても働きやすい環境と言えるでしょう。
単純作業が好き
段ボール作りは、ラインで作業することも多く、基本的に同じことを繰り返す単純作業です。
そのため、単純な作業をするのが好き、一つのことを集中して行うことが好きという人には向いています。
体力に自信のある人
ライン作業以外は全て人の手で行うのが段ボール業界。
何枚にも重ねた段ボールを積み上げるのはかなりの重労働です。
そのため、体力に自信のある人でなければ続けることは難しいでしょう。
ですが、女性や年配の人(腕に力がない人)などは、積み上げ作業から除外してくれる会社もあるため、以外にも女性が活躍している段ボール会社も多いようです。
覚えることが苦手
職種によっては、自分の得意・不得意に関わらず仕事をこなすために覚えなければならないことがたくさんあります。
例えば、スーパーのレジ担当になればレジの使い方を覚える必要がありますし、資格が必要な職種であれば尚更覚える量も増します。
ですが、段ボール業界は覚えることがほとんどなし。
毎日同じ作業を繰り返すだけですし、尚且つ、仕事の半分以上は機械。
これを踏まえると、覚えることが苦手という人でも楽しく仕事に打ち込むことができます。
転勤をしたくない人
様々な職種を見ても就職先が大企業だった場合、当たり前のように転勤させられることがあります。
段ボール業界でも大企業に就職をすればもちろん転勤になることもありますが、中小企業の場合は他の地域に工場がある場合を除いて、転勤はほとんどありません。
なぜ転勤が少ないのかというと、営業エリアが会社のある都道府県を中心としているためです。
そのため、地元で働きたい、転勤はできればしたくないという人によっても就職や転職がしやすいのです。
福利厚生などの保証がしっかりとしている会社を選びたい人
就職や転職するに当たって第一に考えたいのは、今務めている会社よりも待遇が良いのかどうか、ということです。
もちろん、お金じゃなくやりがいのある会社で働きたいと考える人も中にはいるかと思いますが、やはり生活していくうえでは、お金は大切。
段ボール業界の求人では、各種社会保険、交通費、時間外手当、賞与など福利厚生や待遇がしっかりしている会社が多く見られます。
最初は段ボールについての知識を高めるために研修が行われる場合が多いですが、研修中であっても期間中の給与や待遇が変わらない会社も。
現在は新型コロナウイルスの影響によって、就職や転職が難しくはなっています。
また、新型コロナウイルスが流行する前であっても中々条件の良い会社に出会えず、我慢して今の仕事を頑張っているという人も少なくありません。
ですが、やはり仕事は待遇のよい会社を見つけられたらそれだけでラッキーです。
段ボール業界では、先ほども述べたように、待遇が良く、働きやすい環境を整えてくれている会社もあります。
段ボール業界は景気に左右されない職種です。
そのため、一度就職すれば長く続けられますし、保証がしっかりしている職種を探している人にとってもピッタリな職種と言えます。
段ボール業界の魅力
段ボールは、私たちの生活の中で当たり前のように存在します。「当たり前のもの」だからこそ、人は大切だと中々気づくことができません。
ですが、段ボールがあることにより、助かる場面が多いのは事実。
段ボール業界はきつい仕事です。これは現実的にはっきり言えることですし、これから先も楽に感じることはないでしょう。
でも、人の助けになるものが作れる世界だからこそ、きつくてもやりがいを感じるのではないでしょうか。
また、段ボールはリサイクル品として何度も繰り返し生まれ変わります。
近年では、温暖化の問題により環境への配慮が推奨されています。
段ボールはそれらの配慮に伴い、リサイクルをすることで環境にも優しいものへと変化しました。人の役に立って尚且つ環境にも優しい。
当たり前に存在するものにしっかり目を向けることで、実はしっかりと考えられている。
それが段ボール業界の魅力です。
段ボール業界の重要性
段ボールがどのような場面で利用されているのかを考えると、その重要性は計り知れません。
畑でとれた野菜や果物の輸送、トラック輸送、商品の保管や様々なお店や市場など、ありとあらゆる場面や場所で使われています。
また、最近では物資の輸送やアート作品、災害時の簡易ベッドとしての利用など、活躍する場が広がっており、これらのことを考えると、やはり段ボールは私たちの生活には切っても切れないものなのです。
段ボール業界の今後
段ボール業界はこれからどのようになっていくのでしょう。
段ボール業界への就職や転職を考えている人にとってはとても重要なことです。
段ボール業界は前述でも述べたように、私たちの生活には欠かせないものです。
輸送や市場が広がることで、段ボールの売上や重要性が比例して大きくなる事は間違いなし。
現在も一定の一途をたどっていますし、新型コロナウイルスの影響によってますます必要性が高くなっていることも段ボール業界の現実として嬉しい情報なのではないでしょうか。
また、通販での注文が増えているということも段ボール業界の必要性が大きくなった一つの要因です。
新型コロナウイルスの終息がどれほど先にあるかは誰にも分かりませんが、例え、新型コロナウイルスが終息したとしても段ボール業界としては、活躍の場が減るわけではありません。
通販での段ボール需要が減ったとしても、市場が動いていれば、段ボールの必要性を失うことがないからです。
そのような理由により、「段ボール業界は今後も活躍の場を失うことなく、安定の職種として注目されることは間違いなし」というわけです。
また、段ボール業界以外の安定した業界については、下記の記事で詳しく解説しています。
ぜひご覧ください。
まとめ
段ボール業界について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
段ボール業界はきつい職業だと言われています。
ですが、慣れてしまえばそれほどきついと感じることも少なくなるのではないでしょうか。また、身近にあるもの、人のために役立つ物作りだからこそやりがいも感じられます。
女性でも働きやすい環境が整っている会社もありますので、段ボール業界に興味を抱いた際は、ぜひ挑戦してみてください。
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