就活をする際に気になることの一つは、その企業の働きやすさではないでしょうか。
「いざ入社してみると、その会社はブラックだった」などという事態は避けたいですよね。
そのため、就活をするときから、その企業がホワイトかブラックかを見極めたいことでしょう。
しかし、何をどう見れば、その企業がホワイトかどうかがわかるのでしょうか。
この記事では、ホワイト企業を見わけたい就活生のために
- ホワイト企業の主な基準
- 主なホワイト企業の紹介
- ホワイト企業のチェックの仕方
を紹介します。
この記事を参考にして、ホワイト企業とはどういう基準があるのか、どのようにチェックすればいいかなどを知り、今後の就活に役に立ててください。
ホワイト企業の主な基準
その企業がホワイトかどうかというのは、以下の6つの項目を見ればわかります。
- 離職率が低い
- 福利厚生が充実している
- 残業が無い、もしくは少ない
- 有給休暇の取得率が高い
- 評価制度が明確
- 給料が高い
それぞれ詳しく解説します。
離職率が低い
離職率というのは、仕事を辞める人がどれだけいるかという数値です。
離職率がどのくらいの割合だと、ホワイト企業だと言えるのでしょうか。
新卒採用3年以内の離職率の平均は30%程度です。
そのため、20%以下であれば、ホワイト企業の可能性が高いでしょう。
福利厚生が充実している
福利厚生とは、給料以外に企業が用意するサービスや支援です。
例えば、各種社会保険が完備されていたり、社宅や家賃補助などがあったりすればかなり助かりますよね。
他にも通勤手当や社内食堂があると、毎月かかる出費が抑えられます。
休暇の面でも、生理休暇、産前産後休暇、育児休暇、介護休暇などが充実していれば、妊娠・出産、そして家族を介護する必要があるときでも安心です。
他にも企業によっては、リゾート施設やレクリエーション施設がお得に利用できるところもあります。
このような社員のための福利厚生がある企業とない企業では、働きやすさがかなり異なるでしょう。
エントリーする企業を探すときには、このような福利厚生も忘れずにチェックしましょう。
残業がない、もしくは少ない
残業が無いか、もしくは少なければ、プライベートの時間が充実するため嬉しいですね。
しかし、その企業での残業の時間数を公表していないところもあります。
そのような場合はOB・OG訪問などで、実際に働いている先輩に聞いてみるのをおすすめします。
有給休暇の取得率が高い
有給休暇があっても取れないのならば、有給も取れないほど忙しい会社なのか、それとも有給を取らせてもらえないようなブラックな会社なのかと考えますよね。
会社によって、有給休暇の制度があるかないかというのではなく、有給休暇は労働基準法により定められた権利です。
週5日、フルタイムで働く場合は入社して6カ月たつと有給が取得できます。
就職する企業を探す際には、その企業の有給休暇の所得率が高いかどうかも調べておきましょう。
評価制度が明確
評価制度が明確であれば、どのように努力していけばいいかが、わかりやすいですよね。
そして、評価の基準があるため、公平に評価が行われます。
このように、明確な評価制度があると、社員の働きがいもあがりますし、成長していこうというモチベーションにもつながります。
売上などの数値的なことだけで評価するのではなく、総合的に評価できるシステムがあるのがホワイト企業といえるでしょう。
給料が高い
給料、特に基本給が高いことはホワイト企業の特徴としてあげられます。
基本給とは、残業手当や交通費などを含まない給与です。
残業代やざまざまな手当を含んだ給料が高くても、もしその企業の業績が悪くなれば、その手当などはカットされます。
しかし、基本給そのものが高ければ、経済的に安定するでしょう。
主なホワイト企業はどのようなところ?
実際のホワイト企業を、10社紹介します。
ホワイト企業では福利厚生が充実していたり、自己成長の機会が与えられていたりします。
また、多様な価値観を持つ人たちが働きやすい職場づくりをすすめており、それが上手くいっているからこそホワイト企業として評価されているのでしょう。
グーグル合同会社
グーグル合同会社、業界はITで、業種はWEBサービスです。
本店所在地は東京、米国Google LLCの日本法人で、日本国内に向けて、Google日本語検索などを提供。
グーグルでは、社員とその家族が健康で豊かになるように、さまざまな福利厚生があります。
例えば健康面では、職場にウエルネスセンターを完備したり、メンタルヘルスに特化した社員支援プログラムがあったりします。
休暇面では、忌引き休暇、育児休暇、病気休暇はもちろんのこと、年に4週間はどこからでも勤務可能です。
他にもグーグルならではの特典として、社員の成長や、生産性向上のためのプログラムや環境が用意されています。
基本的な給料が高い上に、このような福利厚生が充実しているので離職率も低く、ホワイト企業となっているのでしょう。
企業URL:https://about.google/
アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
アマゾンウェブサービスジャパン合同会社の業界はITで、業種はWEBサービスです。
本店所在地は東京、Amazonのグループ会社で、アマゾンウェブサービスを提供しています。
アマゾンウェブサービスは、安全に利用できるクラウドサービスのプラットフォームです。
Amazonはあらゆるバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用し、社員が成長の機会を確実に得られるように対策を施しています。
福利厚生も充実しており、例えば有給休暇の他に、全額支給のさまざまな出産・育児休暇のオプションがあります。
養子縁組の補助などもあり、その中に含まれているのは弁護士費用、裁判費用、旅費などです。
保険関係も、会社負担で災害死亡・手足切断・完全視力喪失や短・長期所得補償保険にも加入できます。
企業URL:https://aws.amazon.com/jp/
三菱商事株式会社
三菱商事株式会社、業界は商社で、業種は総合商社です。
本店所在地は東京で、世界約90の国と地域に拠点があり、天然ガス、石油・化学、金属資源、自動車・モビリティ、食品産業などの幅広い分野で貿易を行っています。
貿易以外にも、世界中で開発や生産・製造の役割を担っています。
働き方に関しては、社員の心身の健康、法令・規程の遵守、恒常的な長時間残業への適切な対処について取り組み、多様な人材が活躍できる環境を構築。
また女性のキャリア形成と継続のために各種支援策を講じています。
同社には社員寮があり、新入社員の入居率は約9割です。
社員食堂ではバランスの取れた食事を提供し、社員同士のコミュニケーションの場になっています。
企業URL:https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/
三井不動産株式会社
三井不動産株式会社、業界は不動産で、業種はデベロッパーです。
本店所在地は東京で、オフィスビル・商業施設・ホテル・リゾート事業などを展開し、業界トップクラスの業績です。
同社では働きやすい職場づくりのために、
- コミュニケーション活性化
- ワークライフバランス支援
- 女性の活躍推進
- 障がい者雇用
- 国籍を超えた人材の活躍推進
- シニア雇用
- 人権の尊重
に取り組んでいます。
例えばワークライフバランス支援の一部として
- フレックスタイム制
- リターンエントリー制度
- フレッシュアップ休暇
- カフェテリアプラン
- ファミリーデー
などがあります。
リターンエントリー制度というのは、配偶者の転勤により退職した社員の再雇用制度。
フレッシュアップ休暇は、一定の勤続年数経過に応じ休みと旅行券をプレゼントする休暇です。
企業URL:https://www.mitsuifudosan.co.jp/
サントリーホールディングス株式会社
サントリーホールディングス株式会社の業界はメーカーで、業種は食品・飲料です。
本店所在地は大坂で、食品、スピリッツ、ビール、ワイン、健康食品などの事業を展開しています。
同社は、入社後10日間にわたり、新入社員研修を行い、その他にも営業研修や生産実習があります。
「サントリー大学」という人材育成プログラムのプラットフォームがあり、そこでビジネスの知識やスキルを学ぶ機会を提供。
年間休日は121日で、年次有給休暇、慶弔休暇、リフレッシュ休暇、ボランティア休暇、育児休職、介護休職があります。
仕事と育児・介護を両立させるための制度も導入済です。
同社の女性の育児休職率は100%、男性でも約半数が育児休職制度を利用しています。
企業URL:https://www.suntory.co.jp/
アステラス製薬株式会社
アステラス製薬株式会社の業界はメーカーで、業種は医薬品です。
本店所在地は東京で、2005年に山之内製薬(旧)および藤沢薬品(旧)の合併により、アステラス製薬株式会社が誕生しました。
主要製品は、泌尿器系医薬品や免疫抑制剤などで、グローバルに展開中です。
同社は働き方改革として、長期間労働防止、有給休暇取得推進に取り組んでいます。
他にも、健康管理として、定期健診および二次健診受診の徹底と必要に応じた受診勧奨の実施、特定保健指導の支援、健康課題へのアプローチをしています。
企業URL:https://www.astellas.com/jp/
シュルンベルジェ株式会社
シュルンベルジェ株式会社、業界はメーカーで、業種は産業用機械です。
本店所在地は神奈川県で、世界最大のオイルフィールドサービス会社です。
社員は10万人以上、社員の国籍は140カ国にわたります。
さまざまなバックグラウンドを持つ多様な人材が、共通の目的を共有することが同社の強みの一つです。
機会均等に取り組んでおり、すべての社員に平等な機会を提供しています。
また、キャリアアップのための研修を受けることもでき、同社の他の分野に異動したり、他の国に転勤することも可能です。
企業URL:https://jp.slb.com/
旭化成株式会社
旭化成株式会社、業界はメーカーで、業種は科学・薬品です。
本店所在地は東京、1922年に創業した総合化学メーカーで、繊維・ケミカル・エレクトロニクス事業、住宅・建材事業、医薬・医療・クリティカルケア事業を展開。
同社には自己研鑽支援制度があり、TOEICの受験料を年間1回全額補助したり、英語・中国語・日本語の語学学校へ通う場合、受講料の半額を補助したりしています。
他にも海外留学制度があり、個人で留学先を探し応募するコースや、上司が推薦するコースなどがあり、期間は1年間で学費や生活費を一定金額会社が補助します。
住宅補助制度や育児支援制度も充実。
クラブ活動もあり、各地区で野球部、サッカー部などが活動しています。
企業URL:https://www.asahi-kasei.com/jp/
アクセンチュア株式会社
アクセンチュア株式会社、業界はサービスで、業種はコンサルティングです。
本店所在地は東京で、「ストラテジー&コンサルティング」「インタラクティブ」「テクノロジー」「オペレーションズ」の領域でサービスを提供。
働きやすい職場のために、残業の適用ルールを厳格化、18時以降の会議原則禁止、短時間制度の導入、給与制度の改正などの仕組み化を行っています。
この働き方改革を導入してから、残業の減少、離職率低下、女性比率向上などの成果を上げています。
企業URL:https://www.accenture.com/jp-ja
任天堂株式会社
任天堂株式会社、業界はエンタメで、業種はゲームソフトです。
本店所在地は京都で、家庭用レジャー機器の研究開発、製造、販売を行っています。
同社では入社後の導入研修、また年間を通じたフォロー研修制度、職種ごとの専門分野の研修があります。
産前産後休暇、育児・介護の休業や勤務時間短縮などの制度があり、男性社員の育児休業取得も増加中です。
職種にかかわらず、海外出張や海外赴任の機会があり、他にも本業に支障のない範囲で兼業や副業も認められています。
企業URL:https://www.nintendo.co.jp/index.html
ホワイト企業を見つける上でチェックすべきところ
「ホワイト企業の基準や、実際の企業の具体例はわかったけれど、探すときにどう探していいかわからない」という方のために、ホワイト企業を見つける上でチェックするサイトや、注目するマークなどを紹介します。
ホワイト企業総合研究所のランキング
ホワイト企業総合研究所とは、約5万社の企業のデータを解析し、ホワイト企業の発掘・認定を行っている研究所です。
企業と就活生のミスマッチを防ぐために、2017年からホワイト企業ランキングを公表しています。
職場環境や給与、福利厚生、事業見通しなどをもとに研究所独自の「ホワイトスコア」をつけ、そのスコアが高い順に100社を発表しています。
このランキングをチェックすることで、その企業のホワイト度が高いかがすぐにわかるでしょう。
「新卒社員が辞めない会社」ランキングTOP300
東洋経済による「『新卒社員が辞めない会社』ランキングTOP300」も参考になるでしょう。
大学を卒業した新入社員の約3割が、入社後3年以内にその企業を辞めています。
時間と労力をかけて頑張った就活の結果が、3年以内の退職というのは、もったいないですね。
離職率がかなり低い企業があるのならば、その企業は働きやすい環境があるという証明になるため、ホワイト企業ということになるでしょう。
このランキングによると、定着率100%の企業は71社になるそうです。
そのうちの1社、島津製作所では、ノー残業デーが週3日あり、働きやすい環境が設定されていることがわかります。
定着率のいい企業を知って、そこを狙っていくというのも、就活のいい作戦になるでしょう。
厚労省による認定マーク
厚生労働省から安全優良企業として認定された企業は、ホワイトマークを取得できます。
ホワイトマークを取得後は、3年間厚生労働省のホームページに社名が掲載されます。
このホワイトマークを取得するためには必須項目と加点項目などを満たさなければいけません。
必須項目の中には、労働安全衛生法等に違反していないかや、安全衛生全般に取り組んでいるかなどがあります。
加点項目には、健康管理の取り組みや、メンタルヘルス対策への取り組みなどがあります。
このような約80の基準をクリアしなければ、厚生労働省から認定されません。
ある企業がホワイトマークを取得しているかどうか調べたいときには、厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」から調べられます。
こちらも就活の参考にしてください。
まとめ
この記事では、ホワイト企業の基準と主な企業10選を紹介しました。
人生をよりよく生きるために、働きがいのある職場でイキイキと働きたいですよね。
ホワイト企業は、その企業で働く社員一人ひとりの働きやすさを考え、それを制度として企業に根付かせています。
就活において、何を基準に企業を選ぶかはそれぞれの価値観の違いによって異なります。
しかし、働きやすい職場かどうかというのを、企業を選ぶ際にチェックすることをおすすめします。