労働環境

【転職時の注意点】健康診断の費用は自己負担?それとも会社負担?

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みなさんは労働安全衛生規則という法律をご存じでしょうか?

簡単に言うと、企業が社員を雇用する際には、健康診断を受けさせなければいけない義務があるということです。

そのため、すでに会社に所属していれば、年に1度会社負担で健康診断を受けていることでしょう。

しかし、転職をして新しい会社に移る場合はどうでしょうか。

転職の際には、健康診断書を求められ場合があったり、入社直後に健康診断を受けるよう言われます。

しかし、そもそもどこで受けるべきなのか、いつまでに受ければいいのか、そして費用はだれが負担するのかなど、疑問も多いでしょう。

そこで本記事では転職の際に注意するべき、健康診断の受け方や費用について徹底解説をしていきます。

健康診断の対象となる人とは?

では実際に、どのような人が健康診断を受ける必要があるのでしょうか。

基本的には以下のどれかに当てはまっていれば、転職時に健康診断を受ける必要があります。

  1. 雇用期間が決まってない人
  2. 雇用期間が決まっていて、1年以上勤務する予定がある人
  3. 雇用期間が決まっていて、1年以上勤務することが決定している人

このように、条件が様々ありますが転職をするということは、基本的に上記の3つ全てに当てはまるので、転職の際はほとんど必須で健康診断を受ける必要があると捉えて良いでしょう。

そのため、転職をするときに企業研究や自己分析などに時間を割くと思いますが、事前に健康診断を受ける義務がある点も忘れないようにしてください。

ただ健康診断書の有効期限は3ヶ月間なので、転職前の職場で3ヶ月以内に健康診断を受けているのであれば、再度受診する必要はなく、診断書の提出だけで良い場合があります。

健康診断で必須とされている11の項目

転職時に健康診断を受ける際、労働安全衛生規則43条によって定められている必須項目を全ての診断を受ける必要があります。

これらの項目は全て法律として義務付けられているため、医師の判断が無い場合省略ができず、対象者は全11項目を受ける必要があります。

そのため、健康診断を受けるだけでもある程度の時間を要はしてしまうでしょう。

また、企業によってはこの11項目以外で独自に必須項目を設けている場合もあるので、転職先の企業に診断項目を確認することをおすすめします。

そのため事前に注意事項などを確認し、以下の11項目の受診に備えるようにしましょう。

既往歴及び業務歴の調査

既往歴とは、過去に手術や治療を行ったことがある病歴のことを意味します。

ただ風邪や頭痛など、症状が大きくなく頻発する病気は含まないので安心してください   

自覚症状及び他覚症状の有無の検査

自分自身で自覚している病気や症状についての有無に関する検査です。

その後医師の方で診断書への記載が必要と判断されたら、診断書に記載されるので気になる点があれば、事前に相談するようにしましょう。

身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査

上記の項目で、身長に関しては20歳以上で医師が検査の必要が無いと判断した際には省略することができます。

胸部エックス線検査

胸部エックス線とは、馴染みのある言葉でいうとレントゲン写真のことを表します。

胸部エックス線検査は、医師の判断によっては省略することが認められているので、事前に確認するようにしましょう。

血圧の測定

血圧測定では、具体的に収縮期(上)と拡張期(下)の血圧を測定します。

この検査により、いわゆる高血圧や低血圧など自身の血圧が把握できます。

貧血検査

貧血検査では血液中のヘモグロビン、赤血球の数を検査して、貧血気味かどうかを判定します。

肝機能検査

肝機能検査も同じく、血液を採取し肝臓の機能を検査するものです。

血中脂質検査

血液中のコレステロールの割合を検査するのがこの血中脂質検査です。

生活習慣が乱れている人は、よく血中脂質検査で引っかかってしまうので注意が必要です。

血糖検査

血糖検査は空腹時の血液を採取して、ブドウ糖の割合を調べる検査のことです。

そのため、当日の朝食は取らないよう指示が出るので注意が必要です。

尿検査

尿に含まれるたんぱく質や細胞などの数値から、全体的な健康状態を把握するための検査です。

心電図検査

心臓の動きを電気信号で検査するのが、心電図検査です。

ただ心電図検査においては、健康な人でも心臓の動きが強すぎて正常ではない結果が出ますが、特に健康状態が悪いわけではないので安心して良いでしょう。

健康診断を受ける日程・場所

次は具体的期に健康診断を受けるタイミングと場所について解説していきます。

忙しい転職活動の合間に受診しなければならないケースもあるため、事前に日程や場所は把握して、効率よく受診するようにしましょう。

ただ日程については大きく分けて2パターンあるので注意が必要です。

日程

まず、最初のパターンとして多いのが、入社時の提出書類の中に健康診断書が含まれている場合です。

このケースでは入社前に自分で健康診断の受診を終わらせ、健康診断書を手元に用意する必要があります。

健康診断は受診後、血液検査などを含め詳細の結果が出るまでに日数か必要なため、最終的に診断書が手元に届くまで1~2週間程度の期間が必要です。

そのため、入社時の提出書類として必要とされている企業へ転職する際は、なるべく早めに健康診断を受診するようにしておきましょう。

2つ目のパターンとして、入社後に健康診断を受診するケースです。

ただ入社後の受診に関しては、特に期限などのがありません。

しかし入社時の健康状態をするために、遅くとも入社後3ヶ月以内には健康診断を受診することが望ましいと言えます。

場所

会社が毎年行う健康診断に関しては、会社が指定した場所で健康診断を受診しますが、転職時はどこで健康診断を受診すれば良いのでしょうか。

結論から言うと、自分で健康診断を実施している場所を見つけて受診しに行かなければなりません。

基本的にほとんどの医療機関や保健所で受診が可能です。

そのため、行きつけの病院や近くの健診センターなどに予約をし、受診するのが一般的な流れです。

ただ診断書の発行までのスケジュールや費用は病院によって異なるため、事前に診断書の発行までの日数などは確認するようにしましょう。

また企業によっては、医師からの診断結果として「就業に問題がない」と診断された証拠を文言として記載してもらうことが求められる場合もあります。

予約時にはこのように一筆してもらえるかどうかも、事前に確認を行っておきましょう。

健康診断の具体的なスケジュール

転職活動の最中は、現職での仕事をこなしつつ面接を受けたり書類をそろえたりと、何かと時間がかかってしまうことが予想されます。

「そんな忙しい中で健康診断を受けないといけないなんて」と、面倒に思う人もいるかと思いますが、思いのほかそこまで健康診断は時間がかかりません。

検査の所要時間

健康診断の際、11項目も受信する必要があるため、一見すると非常に大変そうに思えます。

しかし、実は検査自体は今まで学生の頃に受けてきたものと大差がなく、どれも簡単に終わる検査ばかりです。

そのため込み具合にもよりますが、おおよそ1時間~2時間程度で11項目全て受診することが可能です。

ただ年度の変わり目などは、新卒入社社員を対象に多くの企業が健康診断の受診を指示しているケースがあります。

そのため病院も非常に込み合う可能性があるので、時期をずらすか事前に電話などで所要時間の確認をすることが良いでしょう。

診断書受け取りまでの日数

通常であれば受診後、1~2週間で診断書を受け取ることができます。

そのため入社日の約1ヶ月前辺りに健康診断を受診すれば、間に合うと言えるでしょう。

ただ先述通り、込み具合などによって変動することもあり、遅い場合は1ヶ月近くかかってしまう場合もあります。

もしも転職時期が年度の変わり目などに差し掛かることが事前に予測できるようであれば、予約を取っておき、診断書受け取りまでの目安などを把握しておく方が無難と言えます。

健康診断書の提出が間に合わない場合

先述通り、特に問題なく早めの対応を心がけておけば、提出期限までに診断書を提出できます。

しかし採用が決まるタイミングや、近くの病院の込み具合によっては期限までに提出が難しい場合もあるでしょう。

その場合はすぐに人事に連絡をし、間に合わないことを伝えてお詫びをするようにしてください。

ただ提出期限を過ぎてしまうからと言って、内定を取り消されたりマイナス評価になることはほとんどないので、そこまで大きく心配する必要はりません。

その後改めて、病院にスケジュールを確認し、人事にいつまでに提出できるかを伝えるようにしておくことが間に合わない場合の最善の対応と言えます。

健康診断の費用

続いて多くの人が気になる費用についての解説です。

まず大前提として、費用については企業側に支払いの義務があります。

これは労働安全衛生法第66条により定められているため、個人で費用を負担する必要がないということです。

ただ場合によっては個人での負担を指示される場合もあります。

このような時は、個人負担の理由を聞き、可能であれば人事に直接相談をして個人負担が厳しいことを伝えると良いでしょう。

また入社時に診断書を提出する指示がある場合、一度個人で負担をし入社後に費用を最初の給与と一緒に振り込んでもらうケースがあります。

その場合は、健康診断を受けた後、会社名の入った領収書の発行を忘れずに行ってもらいましょう。

この領収書がないと、後々企業が清算できなくなり、一度建て替えた健康診断費用が振り込まれなくなってしまいます。

具体的な金額としては、病院によりますがおおよそ1万円前後で受けられる医療機関がほとんどです。

ただこの費用に関しても病院ごとに多少異なりますので、予約の段階であらかじめ確認しておく方が良いでしょう。

健康診断が必要なのは正社員だけなのか?

よく疑問点としてあげられるのが、正社員以外であれば健康診断を受けなくて良いのかという点ですが、結論としてアルバイトやパートタイムで働く予定の人でも健康診断を受ける必要があります。

労働安全衛生規則では、企業が常時使用する労働者に対して健康診断を受けさせる義務があります。

そのため臨時採用でない限りは、正社員はもちろんアルバイトやパートで入社する際も健康診断を受診する必要があります。

ただ、稀に正社員採用なのに、健康診断の話がない企業もあります。

これは主に中小企業で多いのですが、入社前に健康診断の受診の指示や入社後の受診の案内が無い場合は、少し危ない企業と言えます。

もしも内定が出た後も健康診断に関しての話が出ない企業の場合、一度人事に健康診断について確認するようにしましょう。

健康診断は合否に関係ある?

転職者の中には、健康診断の結果が合否に関わってくるのではないかと気になる人も多いですよね。

結論から言うと、健康診断の結果は合否には影響が出ません。

そもそも企業が健康診断を受けるよう指示するのは、採用者の健康状態を把握するためであり、採用するかしないかの判断材料ではありません。

そのため過去に何か病気があっても、現在完治しており業務に支障がないと判断できれば、人事担当者へ悪いイメージを与えることはありません。

ただ名目上は健康状態を把握するとはいえ、現在大きな病気がある場合や、慢性的に健康状態に不安がある用であれば、採用を躊躇ってしまう企業も一定数存在します。

特にドライバーや現場作業員のように、健康上の問題が業務に直結し、場合によっては大きく危険を及ぼす可能性がある職種は、診断結果が合否に関わってくる場合もあるので注意が必要です。

まとめ

以前に比べて転職が当たり前になりつつある現代では、多くの人がキャリアアップや年収アップを望んで転職をしています。

その中で企業研究や自己分析、キャリアビジョンについては時間を取って準備をしますが、意外にも健康診断についての費用やスケジュールなどは見落としがちです。

また法律として労働者の健康診断費は、企業側が払う必要がありますが、企業によっては払ってくれず、自己負担になる場合もあります。

そのため転職の際は、健康診断をいつ行うのか、建て替えが必要ならどのタイミングで戻ってくるのかなど、事前に把握しておく必要があります。

読者の中で現在転職活動をしていたり、転職を検討している人は、この記事を参考にして無駄な費用を払わず、健康診断を受けるようにしてください。

そうすることで、理想とする企業へスムーズに入社し、自身のキャリアアップや年収アップ、目標とする夢の達成に一歩近づくことができます。

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