看護師として働くにあたって、やりがいやキャリアアップなどの前向きな点はもちろんですが、いじめやきつい労働環境などのマイナス面も気になると思います。
今回はその中でも、看護師のいじめの実態とその解決方法について説明します。
いじめの具体例
看護師のいじめとして、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。
具体的ないじめの例として4つあります。
- 同僚からのいじめ
- 先輩からのいじめ
- 上司からのいじめ
- 男性スタッフに対するいじめ
ここでは、それぞれのいじめについて詳しく解説します。
同僚からのいじめ
看護師の働く環境では、緊張した現場であることや常にタイムプレッシャーに追われていること、小さなミスが命に関わる大きな事柄につながる緊張感があります。
同僚といえば本来助け合って目標に向かっていく仲間であります。
しかし先ほど述べた緊張した状態が続いており常にストレスを感じる環境であることがわかります。
そのようにストレスを感じていると、本体助け合う仲間である同僚であっても、イライラが募り、いじめにつながることがあります。
具体的な内容として以下があります
患者さんの身体の向きを変えることを一緒に行ってもらうように依頼したけど理由もなく断られた。
業務上必要な情報伝達をしてもらえなかった。
自分以外の同僚で食事や飲み会に行くなど仲間外れにされた、などがあります。
先輩からのいじめ
看護師として働く上で必要な知識や技術は、働き出してから実際に経験して学ぶことが多いです。
先輩として働く立場の看護師は、後輩や新卒のスタッフに知識や技術をわかりやすく適切に教える義務があります。
しかし、教える労力が大きいことや単に面倒くさいという理由から、教えない、もしくは簡単に説明するのみで責任を持たないことがあります。
また、反対に厳しすぎる指導をしていることもあります。
初めて行う技術や業務をするときはできないのが当たり前です。
先輩はそれをフォローし、安全に業務を行え、また自分の力にできるようにサポートする役割があります。
しかし、初めからできて当たり前、できないことは本人の勉強不足という考えの人もいます。
そのような人は人前で大きな声で怒鳴る、できるまで永遠とさせる、反対に二度とその業務をさせない、仕事を任せる量を格段に減らすことがあります。
このように方法が度を超えた厳しすぎる指導は、指導ではなくいじめであると言えます。
具体的な内容として以下があります。
他のスタッフや患者さんに聞こえるように仕事の抜けやミスを指摘する。
勤務時間を過ぎてもいつまでもインシデントの振り返りをさせる。
一度点滴の連結を間違えそうになったことを知ってそれ以降の点滴の連結を禁止する。
いつまでも患者の担当をさせずに雑用ばかりさせる、などがあります。
上司からのいじめ
本来絶対にいじめる立場にあってはならない上司ですが、実際にはそのような人もいるようです。
看護師として働く上での上司といえば、病棟に所属していたら病棟師長、クリニックであればクリニックの看護師長が上司です。
このような強い立場の人からいじめにあったら、たまりません。
具体例として以下があります。
自分ばかりきついシフトを入れ続けられる。
自分ばかりきつい仕事をしてもなんとも思われない。
自分に関心をもたれない、などがあります。
男性スタッフに対するいじめ
女性が多い職場だからこそ起こり得ることです。
体力を使うことが多い医療現場において男性の存在はとてもありがたいことです。
しかし環境によっては男性へのいじめにつながることがあります。
男性の論理的な思考に対して感情的に反論する、母性という言葉を使って男性看護師が女性より劣っていると決めつける発言などがあります。
また男性から女性にすると許されないことを、女性から男性だとしてよいとしてすることなどがあります。
具体例として以下があります。
男性が根拠を元に説明を行ってもそれではかわいそうだから、などと反論する。
こんなことにも気づかないとはやっぱり男性は母性がないからダメね、などと性別の違いで根拠のないどうしようもならないような文句を言う。
冗談を言いながら強く叩くなどがあります。
いじめの解決策
次に具体的な解決策について述べていきます。
ぜひ、参考にしてください。
いじめを無視する
いじめをする相手は、いじめられている人の反応を見て、反応があるからいじめをしているというケースがあります。
そのため、いじめを無視して淡々と業務をこなすことで相手のいじめを続ける意味をなくすという方法です。
いじめを無視し続けてもいじめを続けてくる人もいると思います。
そのようなときも引き続き無視を続けてください。
無視されてもいじめを続けていることを他のスタッフは見ています。
そのためいじめをしている人の評判は落ち、信頼は失われていきます。
いじめでしか自分のストレスを発散できない人はのちのち自分にかえってくることに気づき、いじめをやめるでしょう。
上司に相談する
どのようないじめであっても、上司の病棟師長や看護師長に相談するとよいでしょう。
上司は自分の部下が身体的・精神的に健康を維持して働くことができるように環境を整える義務があります。
看護管理者としての重要な仕事内容のひとつです。
上司に相談しておくことで、いじめを予防できることも考えられます。
いじめをしている現場に上司が居合わせたときや、いじめが起こるような雰囲気を感じたときには、いじめが起こらないように行動してくれることが考えられます。
またいじめ自体が起きないように、勤務の組み合わせを考えてくれる、いじめをするスタッフを指導係から外す、いじめをするスタッフを直接指導してくれることが考えられます。
病棟師長やクリニックの看護師長などの上司がいじめをしてくる場合は、さらに上の上司に相談するとよいでしょう。
大きな病院であれば看護部長です。
クリニックであれば院長です。
さらに上の上司に相談すれば、いじめの張本人の看護師長に直接指導がいくと思います。
大きな病院はいじめ自体が広まると看護師の求人の評判が落ちます。
いじめによる看護師の離職が起こると人手不足で労働環境が悪化し、それだけでさらに人手不足に陥ります。
そのため、いじめをなくすことができる方向に看護師長に厳しい指導がいくことや、看護師長自体の部署の異動あることが考えられます。
勉強して知識を多く持つ
看護師は経験がものを言うと言いました。
しかし、勉強して得た知識も大きな力になります。
なぜならば看護師がいる医療の世界は日々新たな発見があり情報が更新され、新たな治療法が開発されています。
勉強をせずにそのままの知識でいたら、医療や看護の進歩に遅れてしまいます。
身の回りで起きた出来事について勉強するだけではなく、自分の興味がある分野の学会に参加したり、文献を読んだりすることもとても大切な勉強のひとつに入ります。
看護師として働き出してからの勉強というのは、教科書の内容を学ぶばかりではありません。
この薬は何の作用があり使用するにあたってどのような注意が必要か、この看護技術をするときにこの手順で行うのは何のためかと考えます。
また医師の処置の介助を行ったから次に同じようにできるように振り返りをする、など学生時代の勉強とは考え方や方法が違います。
しかし地道に勉強を重ねることで、経験や考えるときの思考や知識の引き出しは確実に増えていきます。
勉強を重ねたあとにいじめをする人から何か言われたときには、勉強した内容から自分のそう考えた根拠を言うことができます。
いじめをする人に言わなくとも、他のスタッフに共有することができます。
勉強して得た知識をチームでの看護に活かし、患者さんに還元することで、患者さんからは感謝されますし、他のスタッフにとっても良い刺激になります。
いじめをしている人にとってはおもしろくないかもしれません。
しかしあなたがいじめをしている間にわたしはこんなことができるようになりましたと言わんばかりにどんどん勉強をすすめ、看護師として成長していければいいと思います。
大きい病院の場合は働く部署を変えてもらう
どのようにいじめがなくなるように努力しても変わることがない場合や、いじめをする人と同じ部署で働くことがどうしても辛い時は我慢する必要はありません。
上司にどうしても部署の変更をしてもらわなければ仕事を続けること自体が難しいと伝え、部署の異動をしてもらいましょう。
いじめをする人から逃げるようで嫌だと感じる人もいるかもしれません。
しかしいじめをする人がいることで、看護すること自体が嫌になったり、仕事への憂鬱な思いが大きくなるならば、異動をしても全く気にすることはないと思います。
職場での人間関係に少し悩むことは多くの人があると思います。
しかしいじめが原因で悩んでいるならば心機一転環境を変えることはなんら問題はないと思います。
人間関係よりも患者さんへの看護で悩みたいですよね。
部署を異動することで、いじめをする人と接することは減りますし、新たな自分の経験を積むことができます。
看護師転職サイトを利用して新たな環境で働く
たくさんの解決策を試したけど解決しない、解決するまで待つことに耐えられないほどのいじめがある場合は、現在の病院で働くことにそこまで意味はないと思います。
いじめを解決してくれない上司や、努力しても報われない環境は、あなたの看護師人生にとって重要ではないからです。
看護師転職サイトをみると、たくさんの病院情報があります。
現在働いている病院の規模や給料、就業時間、休暇や福利厚生な内容を考慮して仕事を探すことができるので自分の希望が通りやすいと思います。
また現在住んでいる地域などを選択して働く場所を選ぶこともできるので、住む場所を変えなくても職場だけ変えることも可能です。
いじめがきっかけで看護師転職サイトを利用し転職したら、以前より興味深い領域の看護をすることができたという話しはよく聞きます。
よりよい同僚に恵まれて日々看護の質を高めあえることができる、と聞いたこともあります。
転職がきっかけで充実した仕事の環境にたどり着くことができたらそれはとてもうれしいことですよね。
看護師は同じ看護師免許を持っていても、いろいろな働く場があり、どこが自分に合っているかは実際に働いてみないとわかりません。
1つ目で自分にあっている職場に巡り合う人もいれば、5回目に転職した職場が一番合っている人もいるかもしれません。
自分に合う働き方を見つけるという点でも看護師転職サイトを利用することは、スムーズに転職できる方法なのかもしれません。
病院のホームページに載っている情報や募集要項に載っているような情報だけでなく、実際に働いた人の口コミなど、上辺だけでない情報収集が行えることもよいですよね。
転職するにあたって、自分と病院関係者だけの面接ややりとりであると、聞きたいことが聞きにくいことも考えられます。相談者がいるという点でも一番安心して取り組みやすい転職の方法と考えられます。
看護師転職サイトを利用して転職をして、いじめがあった職場ではできなかった看護や、充実したプライベートの生活を送ることができれば一番いいですよね。
まとめ
看護師として働く上で、同僚からのいじめ、先輩からのいじめ、上司からのいじめ、女性から男性に対するいじめがあることがわかりました。
解決のためには無視する、上司に相談する、勉強して知識を多く持つ、大きい病院の場合は働く部署を変える、転職サイトを利用して新たな環境で働くことが挙げられました。
たくさん活躍の場がある看護師だからこそ、辛いばかりでなく自分の希望にかなう環境で働くことを追い求めてよいと思います。
看護師転職サイトを利用することにより、理想の職場で働くことができる可能性は大きくなります。