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薬剤師は企業に転職できる!3つの方法とメリット・デメリットを具体的に解説

薬剤師は専門職であり、正直、他の職種への転職に有利かといわれるとそうではありません。

ですが、そんな中でも薬剤師の資格を活かしながら働き方を変えることができる転職があります。

それが「企業への転職」です。

現役薬剤師で転職を考えている全ての方にお勧めできるわけではありませんが、

  • これから出産・育児に力を入れたい方
  • 家族との時間をしっかりと取りたい方
  • 職場での人間関係から解放されたい方
  • 年収をアップさせたい

にはお薦めできる職種となりますので、一つでも当てはまる方には本記事が役に立つと思いますので気になるところだけでも読んでみてください!

そんな企業への転職ですが、転職の方法は大きく3種類あります。

  1. 薬剤師を辞めて企業へ転職する
  2. 薬剤師を辞めずに企業へ転職する
  3. 【番外編】話能力を活かし外資系企業へ転職する

この3通りの転職に対するメリットやデメリットなどを紹介し、忙しくすり減る毎日からの解放をお手伝いさせていただきたいと思います!

薬剤師を辞めて企業へ転職

先ずは薬剤師を辞めて企業へ転職する際のメリット、デメリットについて解説していきます!

初めに伝えておきますが、「薬剤師の資格は強み」です。

専門職の資格はその領域においては重宝しますし、フリーランスへの転職などでもかなりの強みとなることが多いです。

逆に、薬剤師の資格はその領域外ではほとんど力を発揮しません。

力を発揮できないということはつまり、「薬剤師の資格を持っているただの人」です。

この強みを手放してまで転職する必要があるのか?その理由があるのか?を念頭に置きここから先を読み進めてみてください。

薬剤師を辞めたくなる理由は3つ

薬剤師を辞めたくなる理由は大きく3つに区分されます。

  • 調剤ミスによるバッシングや精神的プレッシャー
  • 時間外労働の多さ
  • パワハラなどの職場の人間関係

これらは、薬剤師が専門職という責任の重い職業であることに加え、日本全体として人材不足であることに起因します。

ですが、個人の私たちにとっては知ったことではありませんよね?

そんな愚痴をはさみながらこの3つと比較し、薬剤師を辞めて企業へ転職するメリット・デメリットについて解説していきます。

薬剤師を辞めて企業へ就職するメリットは5つ

正直、薬剤師を辞めるというデメリットは大きいですが、その分メリットも十分にあります。

  • 精神的プレッシャーからの解放
  • 時間外労働が減る可能性が高い
  • 休日を確保できる
  • 人間関係をリセットできる
  • 転職に失敗しても復帰しやすい

という5つが挙げられます。

この5つをそれぞれ具体的に見ていきましょう。

精神的プレッシャーからの解放

薬剤師は新卒から中堅、管理職までどのステージでもプレッシャーを感じます。

専門職という立場上、命を扱うという面があり、常に調剤ミスなどのインシデントないしヒヤリハットと隣り合わせです。

調剤ミスをしなくても、「薬の効果がない」「副作用が出た」など、自分の力の及ばない範囲のクレームを押し付けられることもあります。

薬剤師を辞めての企業への転職はこのような精神的プレッシャーからの解放に繋がります。

時間外勤務が減る可能性が高い

薬剤師は人材不足や、他に変わりのできない仕事内容であるため残業が当たり前の風潮があります。

特にドラッグストア勤務の場合は顕著で、「定時とは?」状態です。

女性であれば、これから出産し幼い子を育てていく人から食べ盛りの高校生がいる人まで、育児・食事の用意などに影響が出てしまい、「今日は(も)コンビニ弁当で…」と我が子に不憫な思いをさせることも…。

そんな思いをさせたくないという方には残業のない、もしくは少ない企業に転職することは大きなメリットとなります。

休日を確保できる

休日に関しても同様です。

平日に加え、休日残業も強いられることもまれではありません。

それでは自分の時間・家族との時間を確保することができませんよね?

基本的に企業の福利厚生は整っていることが多く、土日祝日休みはしっかり確保できます。

自分・家族の人生を幸せなものにするためにも、企業への転職は選択肢として入れるべきです。

人間関係をリセットできる

最近は男性薬剤師も増えてきてはいますがその割合は低いもので、ネチネチした女性同士の人間関係があります。

また、どこの職場にもいますが薬剤師のお局は特に性格がひん曲がっており、何を言われても何をされてもイライラしてしまいますよね?

このようなスタッフ同士の人間関係に加え、病院薬剤師は医師や看護師、その他多職種との人間関係や患者・家族との人間関係も避けられません。

このような薬剤師特有の人間関係に悩んでいる方にとっては、これらの人間関係からの解放は大きなメリットとなります。

ただし、人間関係はどんな仕事をしていても付きまとうものです。

リセットはできますが、次の転職先での人間関係を良いものにしていくのはあなた自身であることを忘れないでください。

転職に失敗しても復帰しやすい

冒頭でも言いましたが、薬剤師の資格は強みです。

人材が不足している職種なので、いったん離れたとしても復職できる可能性は高いです。

ブランクを埋めるのは大変かもしれませんが、専門職として重宝されることは間違いありません。

薬剤師を辞めて企業へ就職するデメリットは3つ

次はデメリットの紹介です。

何事もデメリットを理解しておく必要があり今回のような人生に大きくかかわる内容であればなおさらです。

薬剤師を辞め、企業に転職することには大きなデメリットがあり

  • 薬剤師としてのキャリアに穴が開く
  • 薬剤師としてのスキルが活かせない
  • 年収が下がる

という大きく2つが挙げられます。

この2つについて解説していくので、メリットと比較しながら読んでみてください。

薬剤師としてのキャリアに穴が開く

薬剤師を辞めたいと思う方は多く、辞めて復帰することも可能ですが、退職の理由や目的が明確でない転職は薬剤師としてのキャリアに穴を開けるだけになってしまうため、決断前には必ずよく検討するようにしましょう。

あなたの辞めたい理由や目的をはっきりさせることで、本当に薬剤師を辞め、他職に転職する必要があるのかや、辞めて後悔することがないかが見えてきます。

薬剤師としてのスキルを活かせない

薬剤師は専門職であり、その領域の外では薬剤師としてのスキルはほとんど活かすことができません。

薬剤師を辞め企業に転職すると、学生時代から積み上げてきた知識・技術は全て必要のないものとなってしまう上に、強みがほとんどありません。

冒頭でも言いましたが、薬剤師免許を持っているただの人ではそもそも職をもらえるかどうかも怪しいところです。

そのため、薬剤師の強みを活かせないような転職をする場合には大きなハンデを背負うことになりそうです。

薬剤師を辞めると年収が下がる

やはり資格を持った専門職を辞め、一般企業に就職するというのは年収の減少にも直結します。

薬剤師の平均年収が約550万程度(39歳)であるのに対して、一般企業の平均年収は360万+ボーナス(39歳)となっており、その差があるのが分かります。

令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省 (mhlw.go.jp) より

当然この金額はそれぞれ、その道のキャリアをまっすぐ進んだ金額であるので、転職するとこの金額を下回る可能性は十分にあります。

確かに、給料が多い・少ないということは、幸福や仕事の満足度とはほぼ関係がないという研究結果や、「お金より大事なものがある」という話はよく耳にしますが、皆さんはどう思いますか?

ここを理解して割り切れる人は少ないのではないでしょうか。

やはり、給料・年収は高い職業・仕事を選びたいというのは当然の欲求でその点で薬剤師という仕事を辞めるというのは大きなデメリットとなり得ます。

薬剤師として企業へ転職

ここからは、薬剤師の資格を強みとして転職する方法について紹介していきます。

あなたの現在の職種にもよりますが、具体的には

  • 企業(製薬会社)への転職
  • ドラッグストアへの転職
  • 調剤薬局への転職
  • 病院への転職

という選択肢があります。

この順番にも意味があり、上から平均年収の高い職種となっています。

今回は、一番年収の高い企業への転職にフォーカスし、そのメリット・デメリットについて紹介していきたいと思います。

薬剤師として企業へ転職するメリットは5つ

薬剤師として企業に就職することには、辞めて転職する時と共通のメリットが3つに加え、2つの圧倒的メリットが望めます。

共通のメリットとして

  • 人間関係を一新できる
  • 時間外労働が減る
  • 休みを確保できる

が挙げられます。

また独自のメリットしては

  • 薬剤師としてのキャリアを継続できる
  • 薬剤師としての年収を上げることができる

という2つが挙げられます。

共通のメリットについては前述しているのでそちらを参照いただき、ここでは薬剤師として企業に就職する際の独自のメリットについて解説していきます。

 薬剤師としてのキャリアを継続できる

見出しの通り、薬剤師として企業へ転職するメリットの一つ目として挙げられるのがキャリアの継続です。

薬剤師が辞めたい理由で一番多いのは「人間関係」です。

次いで「時間外労働」なのですが、どちらも薬剤師としての仕事内容には関係ありません。

薬剤師を辞めたいと思っているあなたにももう一度考えてほしいのですが、本当に「薬剤師の仕事」が嫌いですか?

そう聞かれると、嫌いではない方が多いと思います。

結局は職場の環境要因が大きく左右していることが多く、薬剤師としての仕事内容が辞める理由となっている人は少ないのです。

そのため、あなたの薬剤師を辞めたい理由が環境要因であるのなら、薬剤師としての転職は大きな強みとなり、メリットとなります。

薬剤師としての年収を上げることができる

薬剤師の転職には大きく4つあることを紹介しましたが、その中でも一番年収が高いのが企業(製薬会社)への転職です。

  1. 企業(製薬など):400~1,000万円以上
  2. ドラッグストア :500~1,000万円
  3. 調剤薬局    :450~800万円
  4. 病院      :380~700万円

年齢や、企業の規模にもよりますが平均値は上記したものとなっており、企業が1番高いことが分かります。

今まで紹介してきたメリットに加えて年収も上がるとなれば、あなたの転職を後押ししてくれる一番のデータとなるのではないでしょうか?

薬剤師を辞め一般企業に転職する際には年収が下がってしまうことが多いかと思いますが、資格を強みとしながら転職すると年収を挙げることに繋がります。

薬剤師として企業に転職するデメリットは2つ

メリットだけの紹介といきたいところですが、当然デメリットもありますので紹介していきます。

薬剤師として企業へ転職するデメリットは大きく二つで

  • 精神的プレッシャーからは解放されない可能性がある
  • 転勤は避けて通れない

になります。

それぞれについて解説していきます。

精神的プレッシャーから解放されない可能性がある

薬剤師として働くからには、専門職としてその責任が付きまといます。

当然の事ではあるのですが、仕事に対する責任というのは転職前後で変わるわけではありません。

インシデントやヒヤリハットを起こさないよう細心の注意を払って仕事をしていく必要があるので、その点で精神的プレッシャーからは解放されない可能性があります。

 転勤は避けて通れない

企業への転職においては転勤がつきものです。

大企業になればなるほど、全国各地に展開しており、人材不足の薬剤師は特に必要な所に回されることが多くなります。

そのため、小さなお子さんがいる方や夫婦どちらもダブルワークでどちらも正社員というご家庭だと、大きなデメリットとなってしまうため、就職前に転勤についての情報を確認しておくことは必須となります。

薬剤師の転職を成功に導くポイントは3つ

ここまで薬剤師が企業に転職する際のメリットやデメリットを中心に紹介してきました。

読んでいく中で、自分は薬剤師として転職すべきか、それとも薬剤師を辞めて転職すべきか、そもそも転職すべきか?という疑問が出てきていると思います。

そこで、具体的に転職を考えていく際に注意すべきポイントや、失敗しない、もしくは成功するためのポイントについて紹介し、あなたのキャリア選択のサポートをさせていただきたいと思います。

転職を考える際に考えるべきポイントは

  • 転職する理由を考え直す
  • 自分の求めている条件・やりたいことを明確にする
  • 薬剤師向けの求人に強い転職サイトを使う

になります。

転職する理由を考え直す

転職に対して、よくよく考えてみれば明確な辞める理由がないという方もいたり、経験年数を重ねることで職場での責任が重くなってきてストレスだから…という方もいるかと思います。

このような場合は、現在の職場環境で改善できることはないかを考えることが先決です。

責任が重くなってきてストレスという方は、責任のある立場を降りさせてもらえるよう相談するという手もありますし、上司からのパワハラがストレスである場合は、組織の上の役職に訴えるという手もなくはありません。

勇気がいる行動であり、簡単にできるとは言いませんが選択肢としてはありです。

漠然とした理由で辞めたいと思っている方は、次の項目で詳しく説明する、自分のやりたいことを明確にすることで、本当に辞めたいのかを再度考えていく必要があります。

自分の求めている条件・やりたいことを明確にする

あなたの薬剤師になろうと思った理由はどのようなものでしょうか?

その理由は様々だと思いますが、理由によっては、薬剤師としてのキャリアをどれだけ積んでも、自分の理想や幸せにはつながらない可能性があります。

逆に、ここで踏ん張ってキャリアを積むことで得られる幸せもあるかもしれません。

そのため、自分が仕事に対して求めている条件や本当にやりたいことを明確にしていくことをお勧めします。

やりたいこと事というと漠然としていますが、八木仁平さんの著書「世界一やさしいやりたいことの見つけ方」という著書の中で【好きなこと×得意なこと×大事なこと】=本当にやりたいことだと言われています。

人それぞれ好きなこと、大事なことは違えど、ここまで読み進めていただいた薬剤師の皆さんの得意なことの一つに薬剤師としてのスキルが必ずあるはずです。

転職する理由と同時に、自分の本当にやりたいことをこの機会に考えてみてください。

薬剤師向けの求人に強い転職サイトを使う

薬剤師は比較的求人の多い職種です。

薬剤師の母体がそもそも少ないことに加え、高齢化により医療への需要が増えています。

その上近年の医療は地域包括型の医療へと移行しており、在宅での療養を増やす方針で進めています。

在宅での療養には「薬」の存在はとても多いものであり、その点でも薬剤師の求人が増えてきています。

そのため、求人を探す際には高収入・好条件のものを探すことが可能なのですが、それは薬剤師向けの求人サイトに限った話です。

ほとんどの薬剤師の求人は、薬剤師専門の求人サイトに集まっているため高収入・好条件を取り扱っているサイトは限られます。

その中でもおススメの転職サイトをピックアップしましたので、まずはどのような求人があるか調べてみようという軽い気持ちで求人を漁ってみてください。

薬剤師向けのおすすめ求人サイトは「リクナビ薬剤師」です。

大手企業のリクルートが運営している求人サイトで、 求人数も多く、スカウト機能やエージェントがおすすめの求人を紹介してくれるので効率的に転職活動を行うことができます。

登録しておいて損はないので、ぜひとも登録しておきましょう!

リクナビ薬剤師の詳細はこちら

【番外編】英語を活かし外資系企業への転職

近年のグローバル化に伴い、英語を話せる人材の需要は増えてきており、それに対応できるいわゆるバイリンガルも増えてきています。

そのため英語を話せるだけでは強みとならないことが多くなってきたのですが、「薬剤師」に至っては話が違います。

そもそも貴重な薬剤師の中で英語を話せる人はごく少数であり、企業として求めている人材ということになります。

実際、薬剤師の募集をしている外資系企業は医薬品の開発・生産・販売を担っている製薬会社がほとんどですが、その年収は一般企業と比べて跳ね上がります。

しかもこの英会話能力というのは本気を出せば1年で達成することができます。

悩んでいる段階の人は、企業へ転職する・しないに限らず英語を勉強しておくことは損ではない上に有利となる可能性がかなり高いので挑戦してみてください。

英語学習におススメなサイトもご紹介しておきますので、気になる方は参考にしてみてください。

「ゼロイチ 社会人英会話学習の教科書」

外資系の企業への転職方法は下記の記事で解説しています。

ぜひご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

企業への転職のイメージが少しでも湧いてきたのなら幸いです。

転職は人生における大きな分岐点となりますので、じっくり考えて決断していきましょう。

それでは今回の記事をまとめていきたいと思います。

薬剤師が企業に転職する方法は大きく3つ

  1. 薬剤師を辞めて企業へ転職する
  2. 薬剤師として企業へ転職する
  3. 英会話能力を活かし、外資系企業へ転職
 メリットデメリット
薬剤師を辞めて転職精神的プレッシャーからの解放キャリアに穴が開く
 時間外労働が減る可能性が高いスキルを活かせない
 休日を確保できる 
 人間関係をリセットできる 
 転職に失敗しても復帰しやすい 
薬剤師として転職人間関係を一新できる精神的プレッシャーからは解放されない可能性がある
 時間外労働が減る転勤は避けて通れない
 休みを確保できる 
 キャリアを継続できる 
 年収を上げることができる 

上記表と転職を考える際に考えるべきポイントである

  • 転職する理由を考え直す
  • 自分の求めている条件・やりたいことを明確にする
  • 薬剤師向けの求人に強い転職サイトを使う

を意識しながら、じっくり考えてみてください。