ボーナスは大きな収入源となるため、夏季冬季共に貰い損ねないように転職したいと考えている人も多いのではないでしょうか?
ボーナスで損をしないためには、しっかりとスケジュールを立てて転職活動を進めることが重要です。
そこで、ボーナスを確実に得るための条件や、おすすめの転職スケジュールを詳しく解説していきます。
7月入社がおすすめの理由
転職をする際、7月入社がおすすめなのはボーナスで損をしないことだけではありません。ここでは、7月入社のメリットや今年おすすめの職種について解説します。
企業の中途採用求人率が上がる時期
7月はいわゆる「ボーナス転職」をねらう人が退職しやすい時期であるため、企業側は不足している人員を補うために中途採用枠の募集を拡大する傾向にあります。
また、3月決算の企業の場合、まだ予算に余裕があるので募集をかけやすいという背景もあるようです。
冬のボーナス後にも人員不足に陥る可能性はありますが、少し待てば新卒採用が始まるので、そこまで求人率は上がりません。
転職で内定がなかなか得られないとスケジュールもずれてきますので、より求人率が高まる時期を選ぶことはスムーズな転職において1つのポイントと言えます。
今年ねらい目の職種は製造業や情報通信業
コロナ禍で有効求人倍率が大幅に低下する中、これまで通りに職種を選ぶことはあまりおすすめできません。
求人率が低下している企業は内定を獲得しにくいだけでなく、業績悪化に伴って給与やボーナスの額にも影響が出てきます。
スムーズに転職活動を進めるためにも好調な職種を選びましょう。
今年のねらい目は製造業と情報通信業です。
製造業が好調であるのは、自宅で過ごす時間が増えたことによって家庭内消費が増加しているためです。
食品や衛生用品の需要が伸び、ますます人手を必要としています。
また、テレワークを採用している企業やEC販売の利用増によって、情報通信業の業績も好調となっています。
ボーナス支給に必要な条件を知っておこう
ボーナスをもらうためにはいくつかの条件を満たしている必要があります。
企業によって規定が異なる点もあるので、転職先の就業規則や労働契約書を確認しておきましょう。
ここでは、基本的なボーナスの知識を解説します。
ボーナスの算定期間
賞与規定は企業によってさまざまですが、一般的にはボーナスの算定期間のうち3カ月以上在籍していたかどうかがポイントとなります。
例えば、6月支給の夏季賞与の算定期間は前年の10月から3月であり、この期間のうち3カ月以上の在籍が必要です。
同じく、12月支給の冬季賞与は算定期間を4月から9月と定めているケースが多いです。
7月入社で冬季賞与を受け取るには、少なくとも7月から9月が算定期間に含まれていることが必要なので、あらかじめ確認しておきましょう。
ボーナス支給日に在職していること
こちらも企業によっては取り決めがない場合もありますが、算定期間中だけでなくボーナス支給日に在職していることが条件となっている企業もあるので、現職の賞与規定を確認しておきましょう。
ボーナス支給日に在職していることが規定されているのであれば、現職の退職日はボーナス支給日より後に設定する必要があります。
内定が早めに得られても、夏季ボーナスの支給日に在職していないと支給されないことになるので、注意してスケジュールを立てましょう。
ボーナス査定には今後の期待が加味されることも
ボーナスはこれまでの業績や勤務状況によって金額が決定するというイメージがあるかもしれませんが、企業によっては今後への期待を加味して査定を行っているケースもあります。
仮に、今後への期待が加味されている場合、現職の企業側が転職の可能性を知っているとボーナスの額が減ってしまうかもしれません。
このような企業では、引継ぎにあまり時間を要しないのであれば、夏季賞与を受け取った後に転職の報告を行うのが理想です。
ボーナスを確実に貰える転職活動の開始時期は?
7月に入社し冬季のボーナスを受け取るには、いつから転職活動を始めるべきか悩む方も多いでしょう。
ここでは、転職活動の始め時について解説していきます。
内定までには最低3カ月はかかる
求人の状況や職種によっても異なりますが、一般的に転職する場合、転職活動を始めてから内定を得るまでには約3カ月かかると言われています。
転職活動を始める時期は、ここから逆算して冬季ボーナスを得られる日程で決める必要がありますが、予想以上に内定が得られないケースも想定しておきましょう。
元々求人率の低い企業や、倍率の高い企業では3カ月以上かかることもあります。
転職先のボーナス規定を確認しておこう
冬季ボーナスの算定期間は、一般的に4~9月や5~10月という規定で定めている企業が多いようです。
しかし、ボーナスに関する規定は企業ごとに取り決めるものなので、可能であれば事前に転職先として希望している企業のボーナス規定を確認しておきましょう。
算定期間中、最低3カ月は在籍している必要があるため、3~8月のように算定期間が早めの企業の場合、7月入社では間に合いません。
また、必要在籍期間が3カ月ではない企業もあるので、その点も注意して転職先企業を検討しましょう。
早めに内定しても2カ月程度は入社を待ってもらえる場合も
内定を獲得するまでに3カ月かかると見込んで転職活動を開始した場合でも、とんとん拍子に進んで1~2カ月という早い段階で内定が得られるケースもあります。
そういった場合に、現職の夏季賞与を諦めて転職先に早く入社するか、転職先に入社を待ってもらい現職の夏季賞与を得るかということを選択しなければなりません。
即時入社を条件としていない場合、基本的には内定を得てから入社まで2カ月程度は待ってもらえることが多いです。
しかし、転職先企業にとって入社を先延ばしにされることは、本当に入社してくれるのかという不安材料になることも考慮に入れておきましょう。
また、早めに入社すると現職のボーナスは諦めることになりますが、そのぶん社内のシステムや仕事を早く覚えられるといったメリットもあります。
転職活動を始めるに当たって、さまざまなケースを想定しておくことは、状況に合わせて適切な判断をするために大切です。
転職先で冬のボーナスを受け取りたい場合のおすすめスケジュール
では、実際にどのようなスケジュールで転職活動を進めればボーナスで損をしないのかを具体的に見ていきましょう。
あくまで目安となりますが、スケジュールを立てる際の参考にしてください。
2~3月には転職活動を開始
内定まで約3カ月かかると想定して、2~3月には転職活動を開始できると良いでしょう。
「少し早すぎるのでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、希望先企業へ応募するまでにしっかり準備をする期間が必要です。
まずは自身の持つスキルや経験を分析し、履歴書作成に向けた土台を準備しておきます。
次に希望職種や企業の情報収集をして、転職後のミスマッチがないように検討します。
初めての転職活動で自身がないという方や、転職活動に失敗したくないという方は、転職エージェントやフリーランスエージェントを活用してサポートを受けながら行うのがおすすめです。
理想としては5~6月には内定を獲得しておきたい
6月支給の夏季賞与を貰ってから退職する場合、5~6月には転職先企業の内定を獲得できていると安心です。
7月入社まで1カ月あまりといった時期なので、早すぎず遅すぎず理想的なタイミングと言えます。
ただし、内定が得られないからと言って焦ってしまうと満足のいく転職活動は行えません。
スケジュール通りに進まなくても、自分が納得するまで企業選びに集中しましょう。
夏季ボーナス支給後、退職の意思を伝えよう
内定を獲得したら、次は退社のタイミングを決めます。
企業によっては退社の意思を伝える時期が就業規則で規定されている場合もあるので、一度確認しておきましょう。
特に規定がない場合には、夏季ボーナスが支給された後に退職の意思を伝え、引継ぎに向けて準備を始めます。
引継ぎに十分な時間を取ることで円満退社
退職の意思を伝えてから退社日までの間は、現職の引継ぎに十分な時間を取りましょう。
退職に伴う引継ぎの体制は企業によって異なりますが、上司と面談をして、自分が受け持っている業務をいつまでに誰に引き継ぐのかを相談しておくことが大切です。
また、自分が担当していた顧客や取引先への挨拶なども必要があれば、引継ぎのスケジュールに入れておきましょう。
後任が安心して業務を行えるようにしっかり引継ぎをしておくことが、悪印象を与えず円満退社するポイントと言えます。
7月末~8月初日には転職先に入社
12月の冬季ボーナスを得るためには、できれば7月入社、間に合わなくても8月初旬には転職先に入社したいところです。
ただし、転職先企業の賞与規定によっては、算定期間のカウントが足りなくなる場合も考えられるので、状況に応じて入社時期を決めましょう。
ボーナスに固執しすぎないことも大切
7月に入社しても冬のボーナスを満額貰えるとは限らない
企業の定める算定期間のうち3カ月間在籍していれば、ボーナスを貰う資格は得ることができます。
しかし、企業によっては在籍期間の長さによって支給額を決めている場合もあります。
例えば、4~9月の算定期間のうち全て在籍している場合は満額支給、7~9月のように半分しか在籍していない場合は満額の1/2を支給するというケースです。
このような規定を定めている企業は意外と多いので、転職後初めてのボーナスはあまり大きな期待を抱かないほうが無難です。
ボーナスを気にするあまり良い求人を見逃す可能性も
先ほども述べましたが、なかなか内定が得られないときに焦ってしまうと、自分に合った良い求人を見逃すことがあります。
本末転倒な結果を招かないためにも、あまりボーナスに固執せず、本当に自分が希望する企業を根気よく探すことが大切です。
転職先でフォーカスされたいなら新卒が育つ10月入社もあり
ボーナスで損をしないためには7月入社がおすすめですが、7月では新卒で入社した人材がまだ十分に育っていないこともあります。
十分なサポートを受けながら新たな仕事をスムーズに開始したい方や、転職先でフォーカスされたい方は、思い切って新卒が育つ10月頃に入社するスケジュールを立てるのも方法の1つです。
現職企業や転職先企業への配慮も忘れずに
転職は自分のキャリア形成や人生設計をより良いものにするためのターニングポイントとなりますが、少なからず周囲への影響があることなので、配慮と感謝を忘れないことが大切です。
ここでは、転職に当たって注意したいポイントをご紹介します。
退職の意思は余裕を持って伝えよう
一般的には夏季賞与の支給後に退職の意思を伝えるケースが多いですが、職種や企業によっては1カ月程度の引継ぎ期間では足りない場合もあります。
退職の意思を伝えるタイミングは状況によって判断しつつ、できるだけ余裕を持って伝えるようにスケジュールを組みましょう。
繁忙期やプロジェクト進行中の退社は避ける
繁忙期やプロジェクト進行中の退社は、十分な引継ぎができないだけでなく、これまで築いてきた現職企業での人間関係や信頼を壊しかねません。
進行中のプロジェクトは責任を持ってやり遂げ、業務にできるだけ支障が出ないタイミングを見計らって退社しましょう。
内定確定後はできるだけ早く入社する
多くの企業は、できるだけ早く新たな人材を迎えたいと考えています。
一般的に内定確定後2カ月程度は入社を待ってもらえますが、転職先企業にとっては早く入社してもらって即戦力にしたいと考えているかもしれません。
引継ぎに時間を要するなど、やむを得ず入社まで期間が開いてしまう場合には、転職先企業に事情を説明して確実に入社できる日程を提示しましょう。
まとめ
ボーナスで損をしたくないと考える方は多いと思いますが、ここまで見てきたように緻密なスケジュール管理の元で転職活動を行う必要があり、想定外の事態も起こりかねません。
不本意な転職とならないためにも、まずは転職エージェントに相談をして、サポートを受けながらスケジュール管理を行うことをおすすめします。
転職エージェントではさまざまな視点から的確な情報を得られるとともに、履歴書や面接対策も充実しています。
上手に活用して充実した転職活動にしましょう。