未経験でRubyのフリーランスエンジニアに転身するにあたって何をすべきか、また求められるスキルは何か気になるものです。
そもそも本当に未経験の状態からいきなりRubyのフリーランスエンジニアになれるのか、不安に思っている方もいるでしょう。
そこで今回は、未経験でRubyのフリーランスエンジニアに転身するためにすべきことや、求められるスキルなどを分かりやすく解説します。
Rubyはどんなプログラミング言語なのか
「Ruby」は、まつもとゆきひろ氏が開発したオブジェクト指向のプログラミング言語です。
大規模Webサービス開発・ECサイト構築・SNS構築・API開発に用いられることが多く、世の中にはRubyで開発されたサービスが数多く存在します。
また国際規格として認証されているため、日本のみならず世界的に利用されています。
Rubyを用いた世界的に有名なプロダクトには「Github」「Hulu」「Airbnb」などがあります。
国内向けのサービスだと「スマートニュース」「価格.com」「クラウドワークス」「クックパッド」「食べログ」などが有名です。
プログラミング言語としてのRubyの特徴は以下のとおりです。
- プログラムの実行に必要なコード記述量が少なくて済む
- 国産言語のため、最新情報を日本語で入手できる
- フレームワークが用意されており、作業の効率化ができる
- AIに応用できる機械学習の開発ができる
Rubyは、プログラムを組むにあたって必要なコード記述量が他のプログラミング言語に比べて少ないことで知られています。
たとえば、JavaやPHPでは10行程度の記述を要するプログラムであっても、Rubyなら2〜3行で済みます。
また、他のプログラミング言語は海外産のため、最新情報を入手する際には英語の知識が不可欠です。
一方、Rubyは国産言語なので日本語で最新情報を手軽に入手できる、という利点があります。
よって、プログラミング未経験者が最初に学習する言語としてRubyは最適と言えます。
Rubyを独学で勉強する方法
プログラミング未経験者がRubyを習得するには、どのような勉強をすればいいのでしょうか。
ここではRubyを独学で勉強する方法を解説します。
progateでRubyの基礎を学ぶ
Rubyの学習方法はたくさんありますが、独学で勉強するならWebサービスの「progate」を利用することをおすすめします。
progateでは、学習パートで学んだことをすぐにアウトプットして復習ができます。
実際にプロダクトを作りながら学習していくため、書籍を使った勉強よりも効率的にスキルを身につけることが可能です。
月額1,078円(税込)で使い放題なので、書籍を買うより初期投資を抑えられるのも魅力です。
なお、Rubyを習得するにあたって、事前にHTML、CSS &Design、JavaScriptの知識が必要になります。
いきなりRubyの学習に入る前に、プログラミングの基礎として上記3つのプログラミング言語を習得してください。
いずれも難易度はそれほど高くないので、焦らずに一つずつ理解することが大切です。
progateでRuby on Railsの基礎を学ぶ
progateでRubyの基礎をある程度習得できたら、「Ruby on Rails」というフレームワークを勉強しましょう。
フレームワークとはプログラム開発の作業を効率化するツールのことです。
Rubyの開発現場ではRuby on Railsが多く使われているため、RubyとRuby on Railsはセットで勉強しておく必要があります。
Ruby on RailsチュートリアルでRuby on Railsの理解を深める
ProgateでRuby on Railsの基礎を学んだら、「Ruby on Railsチュートリアル」というWebサービスを利用して理解を深めましょう。
Ruby on Railsチュートリアルは、実践的なプロダクト開発を行いながらRuby on Railsのスキルを磨くことができるサービスです。
Ruby on Rails学習者全員が通る道ではありますが、難易度は高いので必ず事前にprogateで基礎を習得してから挑むようにしてください。
また、わからない部分にぶつかってもそこで止まらず、次に進むことも大切です。
というのも、Ruby on Railsチュートリアルは2〜3周するのが前提となっているからです。
つまずかずにRuby on Railsチュートリアルの課題をクリアできるようになったら、独学で習得できたと言っていいでしょう。
独学が難しいならスクールに通う
Rubyを独学で勉強することに限界を感じたなら、スクールに通うのをおすすめします。
独学に比べてコストはかかりますが、初心者がつまずきがちなポイントで講師のサポートを得られるので、挫折せずに済むでしょう。
最近はオンラインで受講できるコースを用意したスクールも増えてきており、以前より仕事との両立はしやすくなっています。
同じ目的を持った仲間とコミュニティを形成できるのもスクールの魅力ですね。
自分でWebアプリケーションを制作してみる
Rubyを一通り習得したら、最終試験として自分でWebアプリケーションを制作してみましょう。
身につけた基礎知識を実践に活かせるのか自分自身で確認する必要があるからです。
今までの学習には必ず模範解答が用意されていましたが、Webアプリケーション制作に模範回答はありません。
独力で正解を導き出す力が求められます。
ここで試行錯誤することが実践的なスキルの養成につながるので、諦めずにチャレンジしましょう。
また、フリーランスエンジニアとして活動する場合、仕事を受注する際に必ず成果物のポートフォリオの提出を求められます。
発注者はあなたが制作したWebアプリケーションを見ることで、あなたの技量を判断します。
スキルをアピールするためにも、オリジナルのWebアプリケーションをなんとしてでも完成させましょう。
余裕があれば資格を取得する
Rubyを扱えるスキルがあることを先方にわかりやすく伝えるため、資格を取るというのも一つの手です。
Rubyの資格には、Ruby Associationが主催する「Ruby技術者認定試験」があります。
この試験にパスすることで、Rubyを扱える一人前の技術者であることをアピールすることができます。
資格取得の勉強がスキルアップに直結するので、余裕があれば取っておくといいでしょう。
いきなりフリーランスに転身せずに副業から始める
Rubyを駆使してWebアプリケーションを制作できるようになったら、Rubyエンジニアの入り口に立ったと言えます。
ただし、その状態ですぐに今の仕事を退職してフリーランスエンジニアとして活動を始めるのはおすすめしません。
フリーランスエンジニアとして活動を始める前に、今の仕事を続けながら副業としてエンジニアの業務を行うことをおすすめします。
なぜなら多くの場合、フリーランスエンジニアが仕事を受注するには以下の条件を満たしている必要があるからです。
- 1年以上のRuby実務経験
- データベースの構築経験
- Gitなどを用いた複数人での開発経験
- Webサービスのインフラ知識
- 1年以上のJavaScript実務経験
独学者の場合、RubyでWebアプリケーションを制作できたとしても、上記の条件を満たしている人はほとんどいないのではないでしょうか。
企業は実務経験のないエンジニアに仕事を任せません。
つまり、今の時点であなたに仕事を依頼してくれる企業はないということです。
では、どうしたら実務経験を積めるのでしょうか。
答えは簡単で、今の仕事を続けながら副業として案件を受注し、実務経験を積めばいいのです。
スタートは簡単な言語の開発から携わる
Rubyのフリーランスエンジニアになりたくて勉強をしてきたとは思いますが、残念ながら実務経験のない人間に開発難度の高いRubyの案件は回ってきません。
少し遠回りに感じられるかもしれませんが、Rubyの実務経験を積む前にエンジニアとしての実務経験を積むことから始めましょう。
たとえば、JavaScriptは案件数が多く、開発難度もあまり高くないので未経験者でも開発に携われるケースが多いのです。
他にもHTMLやCSSを使用する案件を受注して実務経験を積むのも良いでしょう。
このように開発難度の低いプログラミング言語の開発を副業として行うことで、実務経験を積むと同時に現場で使える本当のスキルを培うことができます。
なかでも近年は特にJavaScriptの発展がめざましく、Webアプリケーション開発におけるJavaScriptの重要性が高まっています。
Rubyの開発現場でもJavaScriptの知識を求められる場合が多いので、スキルアップのためにも使い慣れておくに越したことはありません。
Gitなどを用いた複数人での開発経験を積む
Rubyの開発現場では、小規模のチームを組んで開発にあたるケースが多いのです。
そのため、Gitなどの分散型バージョン管理システムを用いて複数人でソースコードを共有しながら作業を行う経験が求められます。
Gitを使えば新旧のファイルを一元管理したり、編集した履歴を複数人で共有したり、複数人で修正した部分を一つに統合したりできます。
Gitをはじめとした分散型バージョン管理システムは、小規模のチームを組んで開発にあたるプロジェクトの大半で利用されています。
副業の段階でGitを使うチーム開発の現場に携わっておけば、フリーランスエンジニアになったときに「Gitを用いた開発経験あり」と申告することができます。
実務経験があると案件は簡単に見つかる
未経験のエンジニアが一番苦労するのは、最初の案件の獲得です。
なぜなら実務経験がなく、エンジニアとしての信頼がない状態だからです。
逆を言えば、最初の案件さえ獲得して半年でも実務経験を積むことができれば、次の案件はすぐに決まります。
ですので、最初の案件が決まらないからといってすぐに諦めないでください。
最初が最大の難関だと分かっておけば、多少の苦労も引き受けられるはずです。
最初はJavaScriptやHTMLなどの難度の低い言語を使った開発に携わり、実務経験をある程度積んだらRubyの開発にチャレンジしましょう。
なお、Rubyの開発に携わっていないからといってRubyに長期間触れないという事態は避けてください。
使わないものは忘れてしまうので、案件とは別に独学でRubyのコードを書く練習は続けましょう。
Ruby案件の平均単価・年収目安
ここではRuby案件の平均単価と年収目安を見ていきましょう。
Ruby案件は、フリーランスエンジニアの実務経験によって平均単価が大きく変わります。
未経験〜実務経験1年ぐらいであれば、25〜30万円が相場です。
実務経験が2〜3年あれば55〜65万円、5年以上では80万円以上もらえることもあります。
Ruby案件は開発難度が高いこともあり、他のプログラミング言語と比較して高単価の案件が多いのです。
Rubyの開発経験が5年を超えると年収が1000万円を超える可能性があります。
ただし未経験の場合、初年度年収は360万円程度に落ち着くケースが多いので、最初のうちはあまり期待しないでおきましょう。
Rubyエンジニアは在宅ワーク可能!
コロナ禍の現状、在宅ワークが可能かどうかは非常に重要なポイントと言えます。
結論から言えば、Ruby案件は在宅ワークに対応したものが数多く存在します。
よほど大規模なWebアプリケーション開発に携わると、コミュニケーションを密に取るために出向を求められるケースがありますが、それはあくまでも例外です。
実際のところ、SlackやZoomといったオンラインツールを介して連絡を取り合い、リモートで開発を行うことの方が多いようです。
今の時代に合った働き方ができるという点でも、Rubyのフリーランスエンジニアはおすすめの職業と言えます。
Rubyエンジニアの将来性は有望
Rubyエンジニアの将来は明るいと言われています。
Rubyは汎用性の高いプログラミング言語のため、IT業界以外にも家電業界やゲーム業界などさまざまな分野でニーズが高まると予想されているからです。
にもかかわらず、Rubyエンジニアの人口はまだまだ少ないという現状があります。
今のうちからRubyの開発経験を積んでおけば、将来的に強い武器となるでしょう。
30・40代でもRubyエンジニアになれる
今の時代、オンライン上でRubyを学ぶことが簡単にできます。
今の仕事と並行しながら毎日勉強する大変さはありますが、勉強する環境自体はすでに整っているのです。
あとは単純にやるか・やらないかだけの問題です。
毎日Rubyの勉強をする時間さえ確保し続けることができれば、30代や40代でもその気になればRubyのフリーランスエンジニアになれます。
今の仕事に物足りなさを感じている、年収をもっと上げたいなど人はさまざまな理由でRubyのフリーランスエンジニアを目指します。
フリーランスエンジニアは、Webアプリケーションを開発できる実力さえあれば年齢は関係のない職業です。
フリーランスエンジニアに興味のある方は、是非ともチャレンジしてみてください。
まとめ
Rubyは開発者が日本人ということもあり、プログラミング未経験者でも取り組みやすいプログラミング言語です。
使いこなすためにはある程度の知識と経験が必要になりますが、一度基礎を習得すれば、あとは案件を受注しつつ実務経験を積んでいけばいいのです。
案件を受注する際には、フリーランスエージェントを利用するのが一般的です。
業務委託案件の紹介・企業との商談設定・条件交渉・契約といった手間のかかる手続きをフリーランスエージェントがサポートしてくれるので、業務に集中できます。
Rubyのフリーランスエンジニアになったら、まずはフリーランスエージェントに相談することをおすすめします。
下記の記事ではフリーランスエージェントの「テックビズフリーランス」について詳しく解説しています。
フリーランスを目指す方はぜひご覧ください。