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初任給20万円の手取り額はいくらになる?どんな生活水準?

社会人になってから、はや1か月。

そろそろ新しい環境や人間関係、仕事にも慣れてきた頃でしょうか。

そして、初めて振り込まれるお給料にウキウキ・ワクワクしている人も多いのでは。

しかし、浮かれてばかりではいけません。

なぜなら、いわゆる「お給料(初任給)」を全て自分が受け取れるわけではないからです。

フリーランスや自営業の方は「確定申告」を自分で行うので、「何に」「どれだけ」引かれているのか、それがどういうものなのかを把握しています。

会社員の場合、保険料や税金の控除(引かれること)は担当の事務員さんが行っていますが、本来は自分のお金なのですからしっかり把握しておかなければなりません。

社会人として、自分がもらっているお給料=お金について知っておくことは非常に大切なのです。

①初任給20万円の手取りは16~17万円

初任給が20万円の場合、手取り(実際に自分が受け取れる金額)は16~17万円ほどになります。

最初にお伝えした通り、お給料が全額、自分のポケットマネーになるわけではありません。

保険料や税金などが引かれた分が会社から振り込まれるのです。

次の項ではまず、「額面」「手取り」「お給料」といった言葉が具体的にどのように違うのか、わかりやすく解説していきます。

さらに、その次の項では、何でどれだけの金額が引かれているのか、控除の内訳をみていきましょう。

②「額面」や「手取り」ってそもそも何が違うの?

「額面」とは、会社から支給される金額の合計のこと。

基本給に交通費(通勤手当)や残業手当などの各種手当を加えたものが額面に当たります。

基本給は経験やスキルなどの条件によって算出され、月ごとに決まっています。

それ以外の手当は毎月異なる金額になるため、額面も若干ではありますが、毎月違う数字になるのです。

額面(支給される合計の金額)=基本給+各種手当

一方「手取り」は、実際に自分が受け取れる金額。

働いて稼いだ額をそのまますべて受け取れるわけではありません。

会社が支給する金額から各種保険料や税金など、色々なものが差し引かれて自分のもとに届くからです。

計算や手続き自体は多くの場合、それぞれの会社の事務員が行っています。

③初任給から何が引かれているの?

では、具体的に「何」に「どのくらい」のお金が引かれているのでしょうか。

ここではわかりやすくするために引かれる前の金額を20万円として考えます。

実際には、各種手当の分が加算され、保険料や税金は一律ではなく「料率」で決まるものが多いため、必ずしもこの通りではありません。

  控除される金額(円) 説明
健康保険料 9,870 健康保険は、病気や怪我、出産など、不測の事態に備えるための保険
厚生年金保険料 18,300 企業で働く人たちが加入する公的年金
雇用保険料 600 失業や育児休暇などで収入が急激に減った場合に備える保険
所得税 3,770 個人の所得に対してかかる税金で国税の1つ
住民税 7,287 住んでいる都道府県や市町村に対して払う税金
合計 39,827 この金額分が差し引かれる
手取りの金額 160,173 200,000-39,827

健康保険料から住民税までがそれぞれ差し引かれるものであり、その合計金額は39,827円になります。

その分を20万円から引いた残り、すなわち160,173円が手取りの金額となり、自分が受け取ることができる金額です。

この表からも、手取りが約16~17万円ほどになることがわかりますね。

次の項からは、初任給20万円は初任給の平均と比較した上で、実際の生活やライフスタイルを考えていきます。

④初任給20万円は平均と比べて高い?安い?

まずは国が出している初任給の統計を見てみましょう。

第1表 性、学歴別初任給及び対前年増減率の推移

参考:厚生労働省令和元年賃金構造基本統計調査

まずは全体(男女計)から見ていきましょう。

令和元年のところを見ると、大学卒以上であれば20万円を上回っています。

逆に、高校卒や高専・短大卒だと20万円を下回っていますね。

やはり、学歴による収入格差はあるのです。

次に男女別に見ていきます。

女性の平均初任給を、年を追ってみていくと全体の傾向として徐々に上がっているのがわかります。

女性の社会進出が進んでいる証拠です。

男性の方も見てみると、女性と同様、年々増加しているのがわかります。

ただし、大学卒の女性は大学卒の男性と違い、ここ数年で平均20万円を上回ったばかりです。

近年は男女平等が叫ばれていますから、男女での差は小さくなっていくかもしれません。

平均的な初任給の金額は男女ともに、今後ますます増えていきそうですね。

⑤初任給20万円で一人暮らしはできるのか?

前項で初任給20万円は決して安くはないことがわかりました。

しかし、高くもないでしょう。

年収に換算してみても、300万円に満たない金額です。

また、学生時代はアルバイトをしていて、時給に換算するといくらになるか気になる方も多いはず。

土日、祝日が休みだと考えると勤務日数は20日ほど。

20日で20万なので、1日当たり1万円稼げばよい計算になります。

朝8時から夕方17時まで働くと(お昼休みを1時間とるとして)8時間。なので、時給1,250円ということになります。

時給から見てみても、高い報酬とは言い難いですよね。

ただそれでも、平均的な初任給の金額ですから、手取りで17万円あれば1人で生活をしていくのは十分可能だと言われています。

ただし、家族を養うのであれば、20万円では厳しいと言わざるを得ません。

どのような生活、ライフスタイルであれば生活できるのか、シミュレーションしてみましょう。

支出内訳 金額(円)
家賃 60,000
水道 2,000
電気・ガス 5,000
食費 30,000
スマホ・通信費 10,000
交通費 3,000
日用品 5,000
被服類 10,000
趣味・交際費 30,000
出費合計 155,000

手取り16~17万円のうち、15万円ほどは飛んでいく計算です。

このように見てみると、かなりギリギリの生活になることがわかります。

これではいくら上司との付き合いだからといって頻繁に飲み会に参加するのは難しいでしょうし、デートでパートナーにおごるのにも抵抗を感じてしまいそうです。

趣味・交際費や被服類、交通費あたりはもう少し節約できるかもしれませんが、食費やライフラインで節約するのは難しいでしょう。

家賃

家賃は収入の3分の1に抑えるのが理想と言われています。

そのため、高くても5~6万円以内におさまる家を探しましょう。

ライフライン

1人暮らしでライフラインの費用を削るのは至難の業。

カップルや夫婦で共働き、折半すれば、多少は浮きますし、配偶者控除などを受けられるというメリットもあります。

出費が浮けば、それだけ自由に使えるお金が増えるので、車を買ったり、子どもの教育費に当てたりすることもできます。

食費

1個200円のカップラーメンだけを食べて生活するのであればもっと安く済みますが、健康上、その生活習慣を続けていくのはムリがあります。

後々病気になって治療費がかかることも考えると、とても現実的ではありません。

栄養のあるものもちゃんとバランスよく食べることも考慮すると、月に2~3万円くらいはかかります。

スマホ・通信費・日用品

いまや誰もが1台はスマホを持っている時代。

早ければ小学生や中学生から持っている人もいます。

基本的には、これも削るのは非常に困難でしょう。

また、トイレットペーパーやキッチングッズなどの日用品も削れません。

人によっては筆記用具を多く消費してしまい、ペンやメモ帳、付箋にお金をつぎ込む、なんてこともありそうですね。

交通費・被服類・趣味・交際費

一番節約しやすいのはこの3つではないでしょうか。

趣味や被服類は必ずしも必要なわけではないです。

交通費や仕事関係での交際費を削るのは難しいかもしれませんが、それ以外は削れます。

削って浮いた分は貯金したり副業や自己投資に使ったりするのも良いでしょう。

⑥基本給が少ないことによるデメリット

雇用条件や明細書を見るときは「額面」や「手取り」ばかりが気になりがち。

自分が勤めている会社の給与、ボーナスのシステムを知っておいた方が良いのは言うまでもありませんが、特に基本給とボーナスについてはしっかり確認しておきましょう。

というのも、ボーナスは基本給をもとに算出されることが多いため、基本給が少ないとそれだけボーナスも少なくなってしまうからです。

自分が働いて報酬を得る以上、自分の労働の対価としてその報酬が果たして妥当なのか、よく考えましょう。

⑦給料(報酬)以外で確認しておきたいポイント

働く以上、報酬は最も気になるポイントの1つ。

ですが、それだけにとらわれてしまってはいけません。

いわゆるブラック企業の多くはお金以外のところに闇があります。

有給休暇などの休みがしっかりとれるか、サービス残業はあるか(残業自体はあります。残業手当が出るか、残業の時間はどのくらいか)などを確認しておきましょう。

また、目先の利益だけでなく、長期的にみて収入が上がる見込みはあるか、自分のスキルや経験値が上がる職種かどうかも考えておきたいところ。

⑨年収1000万円あれば理想の生活はできる?

多くの男性(女性も)が理想としている年収1000万円。

まず響きが良いですね。

豪華で贅沢な生活を夢見ている人も多いと思います。

ただ、実際には多くの人が理想としているような豪華で贅沢な生活は年収1000万円では難しいでしょう。

日本では累進課税制度(稼いだ金額によって税率が上がるシステム)がとられているため、手取りの金額はもっと低い金額になるからです。

ただ、夢や理想を持つこと自体は良いことですし、目標を高く持つことでモチベーションも上がります。

期待のしすぎはよくないですが、年収1000万円を1つの節目として考えるのは良いでしょう。

1000万円を全額、自分が使えるのであれば、あなたの描く理想の生活ができるかもしれませんよ?

⑩まとめ

今回のポイント

  • 初任給20万と言っても、全額自分が受け取れるわけではない
  • 実際に自分が受け取れる金額(手取り)は16~17万円程度
  • 各種保険料や税金が差し引かれた分が自分に届く
  • 国の統計から見ても大学卒以上であれば初任給20万円は平均的
  • 今後、初任給は上がっていく可能性がある
  • 一人暮らしをするには十分な金額である
  • 節約するなら、趣味や被服類、交際費、交通費から
  • 貯金するのも良いが自分のスキルアップにお金を使う(自己投資)も考えよう
  • 「基本給」や「ボーナス」、給料以外の側面についても確認しておこう

もしもあなたが

「もっと華やかな生活をしたい!」

「いっぱい稼いでラクしたい」

と思っているなら、まずは大学卒を目指してみるのが良いかもしれません。

また、給料の高い業種・企業に転職したり、副業を始めたりするのも1つの良い手だといえましょう。

一番の問題は、不満があるのに自分からは「何もしない」ことですよ。

下記の記事ではこれから副業を始めたい方に向けておすすめの職種を紹介しています。

ぜひご覧ください。