一昔前と違い、「出世をしない」という道を選ぶ人も多くなってきています。
出世をしないとどのようなメリットがあるのでしょうか?
今回は、出世をしない生き方のメリットや注意点、出世をしない人におすすめの資格などを紹介します。
「出世をしない」とはどういうことか
一昔前であれば、就職→出世→昇給というプロセスを経て、生活を豊かにしていくことが当たり前の考えでした。
しかし昨今の多様な転職事情や働き方から、出世をする以外にも生活を豊かにする方法があります。
ここでは、出世をしないメリットとデメリット等を見比べ、出世しない生き方を考えてみたいと思います。
出世をしない生き方のメリット
出世をしないメリットを上げてみると主に2つあります。
- 残業や休日出勤が少ない
- 責任が増えない為、ストレスフリー
以外に少ないと思う方もいると思います。
しかし出世をしない事により得られるこの2つのメリットこそ、これからの新しい働き方の中で、自分にとても有効に人生のキャリアを築くことが可能です。
出世をしないメリットの2つを詳しく考えてみます。
残業や休日出勤が少ない
出世をしないメリットは残業が少ないイコール自分のために時間が多く使えます。
管理職になり、残業をして部下の書類の確認や翌日の指示やプロジェクト進行の確認など2~3時間の残業が当たり前です。
この約3時間を他に費やすことも可能です。
例えば、資格のオンラインレッスンや語学研修をして自分のスキルを磨けます。
そこで得られる資格や知識は、今後の転職やフリーランスの道に大きく影響します。
社会保険労務士や日商簿記、社会福祉士や防災管理者など、会社に通いながら取得できる資格は多数あります。
そしてこれらの資格は転職時に必須、もしくは優遇される物も有るため出世をしないけれども、所得やライフワークバランスの向上が期待できます。
フリーランスを目指す人も動画編集やプログラミングのオンラインスクールに通いスキルを身につければ、アウトソーシングサービスを活用して自分の好きな場所、好きな時間で仕事できるメリットがあります。
フリーランスなら出世を考えないメリットも有るのでおすすめです。
もちろん、家族がいる方であれば家族サービスに時間を割いて、共働きの推進も無理なく出来ます。
延長保育など、無駄な出費も抑えられお子さんの教育にも良いです。
お互いが残業続きだと、子育てや出産等も躊躇してしまいます。
介護に関しても、施設を利用することなく自分たちで十分介護をしていくことも可能です。
そして介護の資格取得も現在は非常に人気のある部類なので、自宅での介護の傍ら、資格取得の勉強をしても良いです。
実際に両親の介護をきっかけに介護業界に転職する方は多いです。
責任が増えない為、ストレスフリー
出世をすることにより、役職が上がり内外からのプレッシャーが増えます。
過度なプレッシャーから来るストレスは様々な健康被害や症状を巻き起こします。
2020年調査機関【ジャパンイノベーション】の調査では、52.3%の人がうつの症状を訴えている結果が出ました。
ワークライフバランスを考えるとストレスを溜めやすい人には、自分のペースで働く事は出世をしないメリットと言えます。
また出世をしなければ責任が増えないため、自分の仕事に集中も出来ます。
そうすれば仕事の精度も上がり、社内での自分の重要度も上がります。
例えば、経理職の方であれば仕事を覚えていく中でその会社特有の項目や精算業務なのでの気づきが蓄積されていきます。
出世をして現場から離れてしまうと、このようなことが蓄積されにくくなります。
自分のできる範囲での業務効率やチェックを確立すれば仕事の精度と速度が上がり、残業を減らすことも可能です。
その結果、ワークライフバランスがとりやすくなります。
出世をしないと収入面ではどうなるか?
出世をしないメリットの説明をしましたが、
収入面での影響はどの様に変わるのでしょうか。
ここでは、出世をしない場合にどのようなことにチャレンジできるか、具体例を挙げて説明します。
出世をしないと副業がしやすい
出世をしないメリットとして役付きに比べ、残業や休日出勤が少ない分、自分の時間を作り副業を行えます。
そして役職が上がるに連れ、取引先との付き合いやゴルフも増えます。
休日出勤も増え、ますます自分の時間が取りづらくなります。
1日3時間の残業を1年間で考えてみましょう。
1日3時間、週15時間、月63時間、年間だとなんと、756時間にもなります。
現在は副業を容認している会社も多数ある為、単純労働の副業だけでなく自宅で出来る副業は多数あります。
プログラミングやライティング、デザインや動画編集等、もちろん自分が得意なジャンルの副業からチャレンジ出来ます。
副業の種類にもよりますが1時間数千円の仕事からプログラミング等であれば、数十万円稼げるものも多数あります。
クラウドワークスなどのアウトソーシングサービスの単価を見てみると、数10万から100万円以上の案件は多数あります。
もちろん実績や技術レベルにより変わってきますが、副業としては非常にメリットがあります。
プログラミングの案件を見ていると、言語による案件の単価の違いが見受けられます。
あまり周りの人が使っていない言語を習得していれば、単価の高い仕事が決まりやすく、重宝されます。
これから副業をはじめたい人へ向けて、副業の仕事の種類とポイントなどは下記の記事で詳しく解説しています。
ぜひご覧ください。
フリーランスへの道も開ける
副業でも月50万以上稼ぐことは十分可能ですので、フリーランスへの道もひらけます。
それ以外でも、趣味が活かせる副業はたくさんあります。
絵やデザインが好きな方は、ロゴ作成や挿絵の作成、音楽が好きな方は楽曲作成、動画編集が趣味の方はYouTubeの編集の仕事など、楽しみながら出来る副業は多数あります。
動画編集などは5,000円から20,000円と幅はありますが、YouTubeの人気もあり仕事の数は非常に多いです。
出来た時間を利用して資格取得をし、更に働きがいのある職場へ転職も考えることが出来ます。
出世しないメリットとして出来た時間を活用して資格取得し、資格が有利な専門職であれば収入の向上も考えられます。
副業からフリーランスを目指す人へ向けて、下記の記事で詳しく解説しています。
ぜひご覧ください。
出世をしない人におすすめの資格
先ほど出世をしないと自分の時間が作れるというところで、年間756時間の時間が作れるという試算が出ました。
ここでは、出世しない人におすすめの資格と共に、資格取得にはどれくらい時間が必要かを見てみましょう。
日商簿記2級
日商簿記2級は平均250時間必要とされています。
経理に携わる方であればぜひとも取得したい資格の異一つです。
フィナンシャルプランナーの資格としてFP技能士2級という資格も最近は人気があります。
顧客のニーズ似合った【人生に必要なお金】に関するプランをアドバイスする資格です。
試験内容として資金計画、税金、株式、投資計画、預貯金、不動産、相続、そして事業の継承など幅広いお金に知識を勉強しなければなりません。
FP技能士は2級以上でないとプロとしては認められない側面もあるためメリットを十分考え、頑張って2級を目指したいところです。
宅地取引主任者
次に狙い目の資格が宅地取引主任者です。
不動産取引に関する資格で、不動産業に転職を考えている方はぜひとも取得したい資格の1つです。
勉強時間は400時間とそこまで多くの時間を必要としないので、不動産関連の仕事に転職を考えている方は頑張る価値があります。
不動産業界は高収入な部類の職種で、常に求人や転職の案内があります。
しかし、資格未取得の方では営業職や更に大きな仕事ができず、収入面での向上は見込めません。
逆に資格取得をし、効率よく契約を決められればサラリーマンでは考えられない収入と時間を作ることが出来ます。
ターゲットや地域を絞り、独立をすることも十分可能です。
ITパスポート・基本情報技術者
IT関連の仕事に転職をお考えであれば、ITパスポートという資格をおすすめします。
入門編お資格ということも有り50時間程度の勉強時間で取得できます。
他業種からの転職等お考えの場合は、更にIT関連お資格で常に1位の資格である基本情報技術者を取得するのもおすすめです。
未経験者でも約200時間程度で取得を目指せます。
基本情報技術者という資格は、経済産業省が管轄する国家資格です。
最終的にはこちらの資格の取得に向けて、3ヶ月程度で取得することも可能です。
行政書士
そして独立も視野に入れて、行政書士の資格にもチャレンジするのもよいでしょう。
勉強時間も平均600~800時間と約1年の期間で狙える資格です。
行政書士の仕事としておおよそ10,000種類以上の書類を扱えます。
官公庁に提出する書類の作成、提出手続きの代行、相談業務担当できる分野も幅広く、外国人在留資格、会社法、風俗営業、法務、会計、遺言、相談、建築、産廃、運輸、交通など多岐にわたります。
行政書士事務所や企業の総務や法務としての転職することもできます。
学歴や年齢などの制限がないため人気の資格の1つです。
出世をしない場合の注意点
出世をしない場合の注意点は以下のようになります。
- 給与がほぼ横ばい
- 自分の成長がわかりにくい
- 部下の出世などでの焦り
- 不景気時にリストラになりやすい
ここでは、それぞれの注意点を具体的に説明します。
給与がほぼ横ばい
出世をしないデメリットとしては、役職が上がらないため給与がほとんど変わらないことがあります。
一般的には部長職での生涯年収は2億4千万円、一般職は2億円という試算結果が日経ビジネスの調査でも出ています。
出世が早ければ、この差は更に広がり、特に規模の小さい企業ほど差は広がります。
しかし部長と一般職であれば、年間800時間近い労働時間の差が生まれます。
数十年と考えると、自分が使える時間は膨大になると思います。
この点は、出世をしないことによるメリットの1つだと思います。
自分の成長がわかりにくい
役職につくということは、様々な仕事に携われ、自分でプロジェクト指揮できます。
自分の成長を役職というものさしで見た場合、出世をしないと自分の成長度合いがわかりづらくなる場合があります。
役職に就くと、仕事の指示や部下の育成、会社の成長を自分の成長に重ねられるメリットも感じられます。
部下の出世などでの焦り
あとから入社した後輩が、出世をしたときは逆に焦りを感じます。
昨日まで自分が指導していた部下が、ある日上司になることも考えられます。
お互い社内ではやりにくくなり、自分の中でプレッシャーを感じる人もいます。
社内政治にも参加ができず、自分の知らないところで派閥の争いが行われ、自分のポジションにも影響が考えられます。
今まで事務職で経験を積んでいたが、急に営業職に異動になったり、地方への転勤を命じられたりと、自分を守るすべがないからです。
不景気時にリストラになりやすい
そして不景気の時には、最初に一般職の人がリストラ候補に上がることがよくあります。
色々な線引がリストラ時にはありますが、年齢やポジションなど、役職がある人はリストラ対象になりにくい傾向です。
一般職で年齢が高い方は、真っ先にリストラ候補に上がります。
出世をしない人の未来
出世をしない事でデメリットの項目は多いが副業や転職で十分カバーができ、出世をする以上に幸せになれる場合もあります。
就職をして、極力自分の時間を作りスキルを磨けば副業で大きく収入を上げ安定した人生を歩めます。
資格取得のタイミングで、更に待遇や条件が良い会社へのステップアップも十分考えられます。
時代の流れにより、好調な企業や業種は変わるので、転職を考える人はこれからも増えていきます。
出世をしない人の方が、遥かにライフワークバランスの良い人生が過ごせる時代になりました。
もし出世をして、自分の会社が不調に落ちいってしまえば、役職手当のカットやボーナスの減額も十分に考えられます。
もはや現代社会での出世をするメリットはあまりないのかもしれません。
出世をしないで自分の時間を作ることにより、収入も趣味に費やす時間も増え健康的な人生が送れます。
まとめ
出世しないメリットについて、デメリットは多いけれども、人によっては幸せになれることもあります。
しかし、せっかく出来た自分の時間も、資格取得や副業に使わず趣味だけに没頭してしまうと収入面や転職のチャンスは失われます
出世をしないと決めた人は、そのデメリットも考慮して、自分のスキル向上に励むことが重要です。