カーディーラーから転職する場合、今より給料アップを図りたいが、どの業界に行っていいのかわからないと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
実際、カーディーラーから転職するのは難しいと思い込んでいる方もいます。
そこで本記事では、カーディーラーによくある転職理由をもとに、活かせるスキルやおすすめの業界、転職成功のコツなどを詳しく解説します。
カーディーラーによくある転職理由4つ

カーディーラーといえば、営業や整備士、事務などさまざまな職種がありますが、基本的にお客様の要望をヒアリングしてニーズに適した車を提案するお仕事です。
営業職の場合、ショールームで接客する姿は華やかですが、一方で離職率が高い職種とも言われています。
なぜ、せっかく就職したカーディーラーを辞めてしまうのか?よくある転職理由を解説します。
ノルマのプレッシャー
カーディーラーは毎月の目標数字に常に追われています。
大変なことに車の台数だけがノルマなのではなく、点検や車検、カー用品の販売、保険の獲得と多岐にわたっているのです。
企業によってはウォーターサーバーや太陽光発電といった、車とは関係ないものまでノルマが課せられることもあります。
たとえ今月は目標達成したとしても、来月、再来月も数字に追われるため、気が休まることがありません。
実際ノルマがプレッシャーとなり、転職を考える人は多いと言われています。
残業が多い
残業が多いこともカーディーラーを辞める理由の一つです。
働き方改革により、以前よりも残業が減っているとはいえ、繁忙期は21時、22時になることもあります。
カーディーラーの仕事は閉店してからも忙しく、電話営業やお客さまのアフターローフォローなどに追われることが多いからです。
なんとも矛盾したことに、顧客が増えれば増えるほど忙しく大変な状況になってしまいます。
そのため帰宅後は疲れて寝てしまい、プライベートが充実しないのが実情です。
ワークライフバランスが重視されている昨今、どうしても残業の多い仕事は敬遠されてしまいます。
対人関係によるストレス
お客さま相手のカーディーラーの仕事は気を遣うことも多く、それがストレスになって転職を考える人も少なくありません。
いろんなタイプのお客さまと接するので、性格や価値観が違う人との付き合いが必ず伴うものです。
例えばお客さまからの値下げ要求、無理な納期設定、度重なるクレームなどカーディーラーならではの悩みはいくつも挙げられます。
ひどい場合はうつ病や慢性的な体調不良を抱えて、やもう得ず転職に踏み切った人がいるのも事実です。
年収が低い
一番切実な悩みとなるのは、カーディーラーの年収です。
個人営業となるカーディーラーは、企業を相手とした法人営業に比べると、一般的に年収は低い傾向となってしまいます。
確かに自動車はそもそも頻繁に売れるものではないので、実績を積み上げていくには、ある程度の努力と忍耐が必要です。
特に入社して1、2年目となれば、理想と現実のギャップに心が折れてしまうこともあるでしょう。
頑張りが評価されない期間が長く続けば、精神的に追い込まれる人も少なくありません。
カーディーラーから転職する際に活かせるスキルとは?

カーディーラーから転職を考えたときに、活かせるスキルを知っておくと転職に有利です。
今まで経験してきたことに自信を持って、自分だけの強みを再確認しましょう。
カーディーラーを活かせるスキル3つを解説します。
ヒアリング力
カーディーラーの仕事は、お客さまのニーズを引き出すヒアリングから始まります。
相手が求める優先順位、趣味嗜好、どのように車を利用するのかなどを知らなければ、適した車を提案することはできないからです。
カーディーラーに求められる一番のスキルは提案力と思われがちですが、実はヒアリング力の方が重視されています。
大げさではなくヒアリング力8割、提案力2割と考えてよいでしょう。
日々、お客さまからの要望を聞いているうちに、ヒアリング力が自然と身に付いているのがカーディーラーの強みです。
問題解決能力
カーディーラーの仕事は車の販売だけでなく、お客さまからのクレーム対応もしなければなりません。
もしクレームが起きたら、まずは問題を正しく認識して、「なぜ起こったのか?」原因を分析する必要があります。
また問題の根源を見つけて、解決策を考えることも仕事の一部です。
常に冷静な判断ができなければ、さらなるクレームにつながる恐れもあるため、カーディーラーは問題解決能力が求められます。
「失敗は成功のもと」というように、クレーム対応をしているうちに根本的な原因を突き止めるスキルが身に付いていることでしょう。
車の知識
当然ながら、カーディーラーの一番の強みは何と言っても車の知識です。
メーカーから技術について直接指導を受けているので、高スキルなスタッフが在籍しています。
またお客さまの車の下取りも行うので、他メーカー車の知識も持っていて、幅広い対応ができるのです。
たとえカーディーラーを辞めても、仕事の経験が無駄になることはありません。
自分では「できて当然」と思うことでも、他人から見ると尊敬に値する場合も多いのです。
カーディーラーからの転職!条件別おすすめの業界と職種

カーディーラーから転職したら今よりもキャリアアップしたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
転職の際に役立つおすすめの職種4つを条件別に解説していきます。
営業力を活かすなら人材業界での法人営業
個人営業となるカーディーラーは車の販売台数を増やさなければ年収アップは見込めません。
一方で企業相手の法人営業は、一案件の成約金額が高いので、個人営業に比べて年収が高い傾向にあります。
営業と一口でいっても、形態や手法、対象顧客が違うので、どんなに営業は合わないと感じていても、業界が変われば一変することもあるでしょう。
カーディーラーでの営業の経験を活かしたいのなら、法人営業に転職するのも一つの手です。
手に職を付けるならIT業界のエンジニア
技術職を目指して転職を考えるなら、ITエンジニアがおすすめです。
AIの進化と共に、ITエンジニアの需要は増えている一方で、深刻な人材不足を抱えています。
そのため、未経験からでも十分に挑戦できる仕事なのです。
はじめはカーディーラーの年収と差ほど変わらない場合もありますが、技術力を身に付ければ年収アップも見込めます。
カーディーラーで培った営業力とITエンジニアの技術力が掛け合わされば、市場価値が高まるはずです
またITエンジニアは研修制度が充実しているので、働きながら学ぶこともできます。
将来フリーランスになりたい人であれば、いずれ自由な形態で働くことも夢ではありません。
車の知識を活かすなら自動車のーカー
カーディーラーから転職する場合でも、車の仕事は続けたいと志望する人がいるのではないでしょうか。
そのような車好きにおすすめなのは自動車メーカーです。
自動車メーカーの仕事は主に、商品企画・研究・開発・生産と4つに分かれるので、可能性を広げていくことができます。
ちなみに整備士を目指すなら自動車整備士の資格がある方が重宝されますが、整備士以外を志望すれば特に資格は必要ありません。
メーカー勤務の平均年収はカーディーラーに比べて高く、大手メーカーとなれば大幅な収入アップが見込めるでしょう。
収入面以外でも、独身寮や社宅などの福利厚生が充実している企業も多く、男女共長く勤める割合が高いことも魅力の一つです。
安定を目指すならインフラ営業
インフラとは、私たちの生活に欠かせない水道・ガス・電気などのライフラインを扱う仕事です。
インフラ営業は年々需要が増えていて将来性も高く、仕事がなくなる心配がありません。
業界自体が安定しているので、福利厚生が充実していて、企業によっては自社の公共交通機関への乗車賃が無料になるメリットもあります。
カーディーラーに比べて残業も少なく、プライベートを充実させたい人に人気です。
ただ昔ながらの年功序列がまだ残っている企業が多く、成果主義というよりも地道に長く勤めることで収入アップが見込めます。
カーディーラーから転職を成功させるコツ

カーディーラーから転職を成功させることに不安を持っている人も多いのではないでしょうか。
特に異業種となれば、どんなプロセスを歩んでいったらいいのか迷ってしまうものです。
そこでカーディーラーから転職を成功させるコツを4つ紹介します。
転職して実現したいことを明確にする
転職成功のカギは、これからの転職先で実現したいことを明確にすることです。
具体的にはカーディーラーで経験してきたスキルを転職先でどう活かせるか、自分の強みを再確認することが望まれます。
何かしらの理由があって転職を考えたことは企業も分かっているので、あえて深く考える必要はありません。
転職することをネガティブに捉えず、「今後どのように仕事で活躍していきたいのか」ポジティブな動機に目を向けることが大切です。
とにかく行動量を増やす
希望する条件に合った職場を見つけるには、願っているだけでは実現しません。
どんな小さな行動も積み重ねていくことが、転職成功への近道となります。
気になる求人を調べてみたり、転職に有利となる資格に挑戦したり、とにかく具体的に動いてみることが大切です。
特に異業種への転職となれば、相当の努力は必要ですが、行動量を増やすことで可能性を広げることができます。
もしやりたいことが見つからないと悩んでいる人がいれば、それは行動量が少ないだけかもしれません。
転職に成功する人は、事前に情報収集をしているので、条件に合った求人が見つかればスピーディに行動します。
期限を決めて転職活動する
転職活動を始めてから内定が決まるまでの期間はおよそ「3か月」と言われています。
それ以上の期間が過ぎてしまうと、内定の確率はかなり低くなってしまうそうです。
「時間をかけてじっくりと」「失敗したくない」気持ちはわかりますが、転職するモチベーションはそう長くは続かないでしょう。
ある程度の期間を決めて集中力を高めていかないと、転職は成功しません。
例えば受験勉強などもダラダラしてしまうと、集中力が途切れて効率よく進まないことがよくあります。
やはり慎重に「のんびり」動くのではなく、期限を決めて短期集中で転職活動に臨むことが重要です。
転職エージェントを活用する
仕事しながら一人で転職活動をすることは想像以上に大変です。
求人応募にたどり着くまでにはスケジュール管理や自己分析、情報収集など事前準備がたくさんあります。
そのため、転職エージェントを活用して、転職活動をスムーズに進めることがおすすめです。
転職エージェントは企業の情報をいくつも保有しているので、求職者の条件に合った求人を紹介してくれます。
書類の添削や面接指導も行ってくれるので、自分一人で活動するよりも内定率が上がるでしょう。
キャリアアドバイザーの手厚いサポートを受けながら、今後のキャリアプランを考えていけば、効率的に転職活動を進めることができます。
転職エージェントの登録は早めにするのが重要
カーディーラーからの転職を考え始めたら、転職エージェントの登録だけは早めに済ませておくことが重要です。
在職中に転職活動をスタートさせて転職市場の動向や求人を調べておくと、気持ちに余裕が生まれます。
仕事に限界を感じて追い込まれてしまうと、転職エージェントを利用する気力がなくなってしまうので注意が必要です。
下記の記事では年代別におすすめの転職エージェントを詳しく解説しています。
ぜひご覧ください。
転職するか迷った時の対処法

日々の生活に追われていると転職するかどうか迷いが生じてくることがあるものです。
そこで転職に迷った時の対処法を解説します。
まずは自分の本心と向き合ってみる
毎日仕事に追われていると、自分の本心と向き合う時間を持つのは意外と難しいものです。
どうしても他人の意見に左右されたり、世間体を気にしてしまったり、自分の気持ちに蓋をしてしまうことが少なくありません。
特に今まで本音で人生を選択してこなかった人は、自分の本心を正確につかみにくいものです。
そこで一度立ち止まって、自分の心の声に耳を傾けてみましょう。
なぜカーディーラーを辞めたいのか、前向きな転職なのか、本当にやりたいことはなんだろうと自分に問いかけてみると本心が見えてきます。
心の整理がつかないときは今後の方向性を見つめ直し、軌道修正していきましょう。
10年後のキャリアイメージを持つ
やりたい職種や業種が分からなくなったら、10年後のキャリアイメージを想像してみることが大切です。
どんな状況に身を置きたいのか、どんな自分になっていたいのか、理想像を描いているうちに、やりたい仕事が浮かぶ可能性があります。
キャリアイメージは、より具体的に鮮明に思い描くと、それに沿ったアクションを起こしやすくなるものです。
目的地が決まれば、あとは行動するのみ、勇気ある一歩を踏み出してカーディーラーからの転職を成功させましょう。
まとめ
カーディーラーからの転職は、決して難しくありません。
自分の強みを理解し、カーディーラーで培ってきたスキルを活かしていけば、転職先は見つかります。
ただ自分一人で転職活動を行うのは想像以上に困難で、特に在職中であれば効率よく動けないこともあるでしょう。
そのため、まずは転職エージェントに相談し、上手く活用することがおすすめです。
転職エージェントはさまざまな企業の情報を保有しているので、求職者の条件に合った求人を紹介してくれます。
書類の添削や面接指導も行ってくれるので、自分一人で活動するよりも内定率がグンと上がるはずです。
まずは早めに転職エージェントに登録し、転職市場の動向や求人をリサーチすることが転職成功の近道となります。
また、下記の記事では年代別に転職成功のポイントを解説しています。
本記事と合わせてぜひご覧ください。