転職活動の上で一番頭を悩ますことが志望動機の作り方です。
特に技術職に比べて職種の多い事務職では、求められるスキルをマッチさせた志望動機を作成することが転職成功への鍵となっています。
ここでは、経験・未経験の事務職へ転職を考えている方に人事にささる志望動機の作り方を解説していきます。
事務職の特徴と種類
事務職は技術職と比べて前提知識やスキルが少ないため、業界に関わらず異業種からの応募が多く、競争率が格段に高いことが特徴です。
業務面でも、ルーティンワークが主な内容であるため、時期による勤務時間の変動が少なく、ワークライフバランスを両立できるホワイトな労働環境が整っています。
事務職は主に一般事務・営業事務・経理、財務・人事労務・秘書の5つの種類があります。
一般事務
一般事務は俗に庶務や総務と言われる職種です。
具体的な業務内容は下記の5つです。
- 業務①:打ち合わせの議事録・請求書といった書類の作成や処理
- 業務②:データをPCに入力する入力業務
- 業務③:電話・メール対応
- 業務④:来客の受付対応や打ち合わせ場所の予約からセッティングまで含めた来客対応
- 業務⑤:会社内で使用される筆記用具やノートといった消耗品・コピー機といったデバイスの管理などの備品管理
残業時間も少ないため非常に競争が激しい人気の職種です。
営業事務
営業事務は外回り業務が多い営業職を社内からサポートする職種です。
業務内容は企業の営業業務内容によって変動はありますが、一般的なものは以下の通りです。
- 業務①:受発注データ入力
- 業務②:営業資料の作成
- 業務③:伝票や依頼書などの書類作成・管理
- 業務④:社内申請対応
相手企業の都合に左右される営業職のサポート業務であるため、事務職の中でも業務の波があります。
経理・財務
経理・財務とは企業の資金の流れを把握して、企業活動に伴う入出金を記録・管理を行う職種です。
決算に大きく携わるため、繁忙期・閑散期がしっかり分かれています。
- 日次業務:その日申請された取引の仕分けや経費精算に伴う伝票整理・処理
- 月次業務:取引先への請求書支払い処理・請求処理
- 年次業務:年間決算報告のために財務諸表・報告書の作成
また、四半期決算報告のために1ヵ月分のデータ入力を行います。
人事労務から上がってくるデータに基づいて給与計算・支払い処理を担当します。
また、企業が支払う税金申告なども担当します。
人事労務
人事労務は新卒・既卒採用や社員の労働に関わる事務業務を行います。
具体的には入社・退職手続きに伴う書類作成や給与計算や支払い処理を行います。
また、社員情報の収集と管理も人事労務の業務の一環で、データ入力も行います。
秘書
秘書は部長や取締役員、社長といった上級管理職のサポートを行う職種です。
管理職が担う業務内容によって就労時間が異なるため、事務職ではありますが激務になる可能性もあります。
具体的な業務内容としては、出張や請求処理といった社内申請の代行、取引先との時間調整などのスケジュール管理を行います。
また、電話やメールの対応や来客準備なども行います。
事務職への転職の場合に人事が求める能力
事務職は入社前提となる資格やスキルが技術職などと比べると格段に少ないことが特徴です。
しかし、他の転職希望者と差別化する上で事務職に求められるスキルの把握が重要になってきます。
志望動機では下記の3種類のスキルの中から1つは必ず言及するべきです。
書類作成やPCスキル
PCスキルは事務職にとって必須のスキルです。
ExcelやWord、Power Pointといったビジネスソフトツールの使用経験は重視されます。
さらに、SkypeやMicrosoft Teams、Zoomなどのビデオ会議ツールの使用経験も、コロナによる在宅勤務の増加に伴って重要視されています。
その他、PCのコントロールパネルを使用する基本操作の知識・スキルも保有しておくと大きなアドバンテージになります。
Excelはデータ管理はもちろん、伝票や請求書などの作成で使用されるツールです。
Excel・Word・PPTの習熟度を保証するMOSやExcel VBAといったプログラミング言語知識を訴求できるとなお良いでしょう。
コミュニケーションスキル
事務職は他部署や取引先との調整が基本業務です。
そのため、必要情報を過不足なく聞く力や指示を理路整然と相手に伝えることができる伝達力・説明スキル。
そして、指示内容に含まれた行間を読む力・空気を読む力が必要になってきます。
資格ではコミュニケーションスキルを訴求できないため、前職での経験で裏付ける方法が良いでしょう。
管理スキル
入力したデータや記録した情報を外部流出することなく厳重に管理できる能力です。
また、データ入力の際にエラーなく正確に処理するスキルが必要になってきます。
こちらも資格では証明できないスキルのため、前職での経験を駆使して訴求する方法がいいでしょう。
事務職へ転職する場合に志望動機を作る上でするべき準備
志望動機を作成する上で大事なポイントとして、企業が求めるスキルをあなたが持っていることを根拠を提示して証明することが大切です。
また、企業が掲げている経営理念とあなたが業務を通じて成し遂げたい目標の方向性が一致していることも重視されます。
この2点を正しく作成するためになすべき準備は下記の2つです。
企業研究
企業研究をする際、参考にするべき情報源は企業公式HP、先輩社員の証言内容、就活サービス、そして就職エージェントの4つです。
どの情報源をベースにするにしても必ず確認しておくべきは企業公式HPです。
企業研究を通して把握しなければいけない情報は下記の3つです。
①企業が志望職種において求めるスキル・能力
志望企業に勤務する先輩社員から、「どんな社員と一緒に働きたいか」聞き出しておきましょう。
具体的な資格やスキルが聞き出せなかったとしても、性格やタイプなどが把握できれば、面接において訴求するポイントになります。
企業公式HPや就活サービスからは募集項目に前提とするスキルの記述がありますので、そちらを訴求のポイントにしましょう。
就職エージェントは企業によっては転職サポートの実績を持っているため、他の情報源よりオーソライズの取れたデータを元に、スキル・能力についてのコンサルを受けることが可能です。
②企業が掲げる経営理念・方針
企業公式HPのAboutや企業概要のページに経営理念や方針の記述があります。
社長直筆のメッセージも掲載されていることが多いので、そちらも確認して「企業が目指す方向性・目標」を分析しましょう。
中途採用にあたって人事の大きな懸念点が「またすぐに辞めるのではないか」ということです。
前職での勤務期間が短ければ短いほど、この疑念をかけられます。
払拭するためにも、志望企業の目標があなたが業務を通して実現したいこととマッチしていることに言及しましょう。
経営理念が非常に抽象的な言葉で掲げられていることがあります。
その際は転職エージェントを効果的に使用することで、周辺情報や過去の転職データをかんがみて具体的な言葉にして志望動機に落とし込むことができます。
③志望職種で従事する業務内容
この項目は志望動機を本当に自分の言葉で言えるかどうか、自分にとっての指針になります。
志望職種の業務内容が本当に転職をしてまでやりたいことかどうか。
面接において志望動機を深掘りされたとしても、自分の言葉で補足できます。
さらに、実際に採用がかなった後でもやりたい業務に従事する機会がなかなか来なかったとしても、希望業務を目標にして与えられた仕事を頑張る理由になります。
前職の業務内容分析
転職を悩む原因となっている今の業務を分析しましょう。
中途採用では人事は「なぜこの人は前職を苦に思ったのだろうか」と疑いの目で見てきます。
仕事はストレスの連続であり、どの企業にしても全てあなたの希望にマッチすることはありません。
1つのネガティブな側面に感情的に反応して、転職を決断している場合、転職先でも同様のことが起こる可能性があります。
「なぜ転職するのか」を明確にするためにも前職の業務内容を分析して「嫌だと思った理由」を言語化しましょう。
また、業務内容を分析することで身についたスキルや得た経験についても言語化しておきましょう。
中途採用は新卒のポテンシャル採用と異なり、即戦力としての期待が大きいです。特に事務職では前提となる資格が少ないため前職でのスキル・経験が差別化のポイントになります。
今の業務で何を学んだか、何を得たか。
加えて、なぜそれを学んだと言えるのか、再現性はあるのかどうかを証明できるように判例となる経験を洗い出しておきましょう。
不採用に繋がる!事務職へ転職場合のNG志望動機
この項目では事務職転職の志望動機で人事が眉をひそめるNG志望動機の特徴を解説していきます。
労働条件がメインの志望動機
転職の際、一番やってはいけないのが労働条件をポイントとした志望動機です。
年収がいいから。
残業がないから。
福利厚生が整っているから。
それらはあなたが企業を選ぶ理由です。
志望動機含め、ES・面接は全てがあなたのアピールタイムです。
「企業があなたを選ぶ理由」をアピールしなければ採用されません。
再三申し上げているように、事務職は前提資格がなく、ESなどの保有資格・スキルで能力を言及できる部分が限られています。
志望動機においても、あなたのスキルをアピールする「前向きな志望動機」を作り上げることを意識しましょう。
志望動機を使いまわす
志望動機が同業他社でも通用する「汎用性の高い」志望動機は絶対に避けましょう。
人事があなたの「御社が第一志望です」という言葉を疑う要因になってしまいます。
同じ志望動機を同業他社にも使いまわしている様に誤認させる可能性もあります。
人事に選ばれる事務職転職の志望動機のポイント
それでは、事務職転職の志望動機のポイントをご紹介します。
志望企業と前職が同業である場合と全くの異業種の場合でも共通して押さえるべきポイントは以下の3つです。
①前職でどんな業務に従事してきたのか
例「私は自動車メーカーにて営業として中小のディーラー相手に自社製品の取り扱いを契約する新規開拓を行なっていました」
②その業務で学んだことで転職先にどう貢献するのか
例「この経験を活かして貴社の急成長中のSaaSサービスの新規顧客開拓を担えればと思い志望致しました」
③転職先の何に惹かれたのか
例「貴社は経営理念においてユーザーファーストを掲げており、顧客と向き合い続けて接してきたお客様の「ありがとう」の言葉にやりがいを感じる私は貴社の理念に共鳴しました」
前職で経験済みの場合アピールすべきこと
同業にて培った経験は転職先においても再現性が高いです。
ゆえに、経験とスキルで一点突破することが大事です。
先ほどの「業務で学んだことで転職先にどう貢献するのか」という項目をしっかりとわかりやすく書き上げることで採用の可能性が格段にアップします。
未経験の場合アピールすべきこと
志望企業が未経験を積極的に採用したいという採用方針を掲げている場合、経験とスキルを訴求することでアピールできます。
さらに、未経験者は企業特有の専門用語などに触れていないことが大きな強みになります。
真っさらな状態から新しく吸収していけることが大きな魅力ですので、学習能力の高さを訴求していきましょう。
そのほかに、「転職先の何に惹かれたのか」にてあなたと志望企業がマッチングしていることを訴求しましょう。
事務職で転職したいならおすすめの転職エージェント
事務職での転職を考える際に、転職エージェントに相談したほうが自分に合う職種が見つかりやすいです。
ここでは、事務職におすすめの転職エージェントを紹介します。
マイナビジョブ20’s
マイナビジョブは、20代専門の転職エージェントです。
のべ18万人の利用者数を持つという実績もあります。
専任キャリアアドバイザーによる手厚いサポートを受けられます。
サービス利用が無料であることも嬉しいポイントです。
また、人材紹介だけでなく、あなたに興味を持った企業からのスカウトがあることも。
自分が思いもよらなかった企業であなたの強みや個性が活かせるチャンスがある可能性もあります。
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キャリアの棚卸しや職務経歴書の書き方のアドバイス、求人の紹介や面接日程調整、年齢交渉に至るまで、一連のサポートをしてくれます。
事務職で転職したいなら実績とデータが強みの転職エージェントを
前述の通り、事務職で転職する場合は多数のライバルとの勝負となります。
勝ち抜くためには企業分析用のデータの質と量が重要です。
自力で取り組むことも可能ですが、本気で転職を目指すのであれば、転職エージェントで実績とデータに基づいたサポートを受けることが成功への近道です。
年代別の転職成功へのポイントは下記の記事で詳しく解説しています。
本記事と合わせてぜひご覧ください。