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MBAは転職に役立つ資格?重要性や難易度について徹底解説!

転職の際は、資格の有無が大きく成否に関わります。

転職希望者にとって人気のある資格としてよく挙げられるのが「MBA(Master of Business Administration、経営学修士)」です。

この称号は転職において役立つとされていますが、一部では「価値がない」と評されているようです。

また、取得の難易度についてもよく話題に上がります。

この記事では、MBAに関するさまざまな事柄についてわかりやすく解説していきます。

MBAの概要

名前自体の知名度はあるものの、具体的な意味自体はそれほど知られていないMBA。

いったいどのようなものなのか、その概要について解説を行っていきます。

専門的経営知識を学んだものに与えられる修士号

MBAというのは、経営学に関連した称号です。

「中小企業診断士」や「宅地建物取引士(宅建)」「公認会計士」などと同じような資格として扱われることがしばしばありますが、厳密に言えば資格とは少々異なります。

MBAはビジネススクール(経営大学院)において、定められたカリキュラムを見事学び終えたものに与えられる修士号です。

転職市場では、応募者の能力を見極めるためのステータスのひとつとして扱われることから、資格と間違われることがよくあります。

日本だけでなく、世界中で認められている

MBAは日本だけのものではありません。

そもそもMBAというのは19世紀にアメリカで誕生したものです。

今や欧米のみならず、日本をはじめとしたアジアを含む全世界90ヶ国以上のスクールでそのカリキュラムに基づいた教育がなされています。

海外の大手企業でもMBA取得者はエリート人材とみなされ、重要なポジションに任じられるなど大きな活躍が期待されています。

税理や中小企業診断士をはじめとする国家資格とは異なり、日本の外でもその評価が通用する称号なのです。

転職活動でMBAが無意味でない理由

ネット上において「MBAは転職の役に立たない」「取得しても無意味」という声が一部ではあるようです。

しかし、これはいささか極端すぎる意見と言わざるを得ません。

MBAは転職市場においても大きな力を発揮する称号です。

その理由、そして重要性について解説していきましょう。

MBAは優れた人材の証

MBAの取得が無意味だと言われる理由のひとつに「海外では評価されているが、日本ではそうではない」といったものがあります。

そういった意見に関しては、たしかに一理あると言えるかもしれません。

MBAは昨今のグローバル化した企業活動に対応するための経営知識やスキルを身につけた人材に与えられるものです。

世界市場への進出を目標とせず、あくまで国内での活動にこだわる企業にとっては公認会計士や宅建取得者の方をより高く評価する場合もあり得るでしょう。

しかし、そのような企業がMBAをまったく評価しないのかというと、それもレアケースではないでしょうか。

MBA称号を得るには、経営に関する膨大な知識の習得が必要となります。

すなわち「MBA取得者=経営に関する専門知識が豊富」と言えるのです。

そのような優れた人材を、まったく評価しないという企業が果たしてどれほど存在しているのでしょうか。

たしかに、その時の状況によって「思ったより評価されない」ということはあり得るかもしれません。

しかし、「意味がない」と言われるほど役に立たないということはまずないと言えるでしょう。

大手企業ほどMBAの重要性を知っている

日本国内に存在する大手企業の多くが、海外企業との競争に直面しています。

中国やインド、東南アジアをはじめとした諸国が急速な経済成長を続けている状況で、日本企業も国際市場を視野に入れた経営戦略を求められているのです。

グローバル目線での経営戦略には、MBA取得者の持つ知識ノウハウが非常に重要です。

よって、MBAを持つ人材に対するニーズはより高まっていくことが予想されるでしょう。

また、外資系企業であれば、世界的な称号であるMBAの重要性も十分に認知されています。

国際的なビジネススキルを有した人材は外資系にとって即戦力になり得るため、非常に重宝されるでしょう。

MBA取得が転職活動の役に立たないケースとは?

MBA取得が転職活動に思うような効果をなさないケースはたしかにあり得ます。

しかし、MBA自体が優秀な人材の証であるということには変わりありません。

問題点をフォローしつつ転職活動を行えば、自分を助ける武器となってくれるでしょう。

取得時の年齢が高すぎる

日本の転職市場において、年齢は決して無視できない評価基準とされています。

年齢を経ると思考力や判断力が衰え、新しい組織への順応や知識の習得が難しくなると言われているからです。

30代を過ぎ40代を迎えての転職となった場合、それだけで転職難易度は上昇してしまいます。

そのため、40代以上でようやくMBAを取得できたとしても、年齢的な事情で理想的な転職活動ができないといったケースも考えられるのです。

30代後半あるいは40歳を超えて取得した場合は、「なぜこの年齢で取得したか」「この企業においてその知識をどのように役立てるか」といったような問いに対する具体的な回答を用意しておきましょう。

年代別に転職成功のポイントは下記の記事で詳しく解説しています。

ぜひご覧ください。

MBAを取得したスクールの評価が低い

一口にMBAと言っても、それを学べるビジネススクールは多種多様です。

日本国内でも、非常に多くの学校法人がそのための経営大学院を運営し、学びの場を提供しています。

問題は、スクールのブランド等に評価が左右されるということ。

一般的な大学と同様、知名度が高く古い歴史を持つスクールで取得しなければ、思ったような評価を受けられないこともあり得るのです。

特に注意すべきは「海外MBA」と「国内MBA」の差です。

留学を経て国外の言語や文化も学べる海外MBAの方がより高い評価を受ける傾向があり、それと比較して国内MBAはやや劣るとされています。

たとえば外資系に応募し、自分以外にもMBA取得者が複数名いた場合、「この人は海外での経験がないのか」と低く評価され、不採用の原因となることもあり得るでしょう。

こうしたスクールでの差を跳ねのけるためには、応募者の実績や人柄も併せてアピールする必要があります。

実績の不足

MBA取得者を優先して採用したがる企業の多くは、即戦力を求めています。

だからこそ、取得者の豊富な経営知識が欲しいのです。

さらに、企業によってはMBAのみならず、具体的な実績の有無を重要視している場合もあります。

自分たちの会社で行う重要なプロジェクトを任せるのですから、ある意味当然と言えるかもしれません。

そのため、MBAを取得していたとしても、「実績が足りない」といった理由で不採用となってしまうことがあり得るのです。

そのような場合、過去の実績をより掘り下げてアピールする、あるいは別の企業へターゲットを変更するなどの対策が必要となるでしょう。

MBA取得の難易度について

MBA称号を取得するための難易度は非常に高いとされています。

なぜ、そのように言われているのでしょうか。

取得が難しいと言われる具体的な理由について解説していきましょう。

ビジネススクールへの通学が必要不可欠

MBAを取得するためには、大前提としてまずビジネススクールへ通わなければなりません。

あくまでもMBAは資格でなく称号であり、「修士」として学んだ人間に与えられるものだからです。

よって、まずは国内の経営大学院や海外のスクールに合格する必要があります。

国内での経営大学院の場合、筆記試験に加え、学校(大学、短大、専門学校)の卒業歴や就業経験等が求められます。

卒業する必要がある

スクールにさえ行っていれば、必ずMBAが取得できるというわけではありません。

MBAを取るためには、スクールで用意されたカリキュラムをこなし、定められた単位を得る必要があります。

それに加え、「提出した課題やレポートの内容」「出席数」「講義に対する姿勢や貢献度」等さまざまな観点から評価を受けることとなります。

さらに、スクールでは「相対評価」が採用されているため、成績が全体と比べて下位であれば進級できないこともあるのです。

MBAを取得するためにはただ通い続けるだけでなく、卒業まで優秀な成績を維持しなければなりません。

時間と費用の問題

卒業までに通学し続けなければならない期間は、スクールによって異なりますがおよそ1~3年ほどです。

大きな問題となるのは、通学のためのスケジュール調整。

社会人として会社に勤務している場合、勤務時間と被らないようにしなければなりません。

大抵の場合、プライベートのための時間を勉強に割くことが求められるでしょう。

先述した通りスクールでは課題を”優れた内容で”提出しなければならないので、そのためにも時間が必要となります。

結果、MBA取得のために多くの時間を費やすこととなります。

人によっては、肉体的にも精神的にも負担となるかもしれません。

それに加えて、費用の問題も発生します。

入学費や授業料を含めたスクールの平均合計費用はおおよそ300万円程度。

一般人が気軽に支払える額ではありません。

そのため、「教育訓練給付金」等の制度を活用することが重要となります。

海外MBAの場合さらに難易度は上昇

アメリカやイギリス等海外でのMBA習得を目指すとなれば、難易度はさらに上昇します。

入学にあたっては英会話能力が求められるため、「TOEFL」や「IELTS」「GMAT」等の試験での高スコア獲得が必須条件です。

入学後は海外の文化と向き合いつつ、外国語を駆使して好成績を獲得していかなければなりません。

国内MBAよりもさらに大変な努力を求められることとなるでしょう。

費用に関しても国内MBAよりはるかに高額であり、スクールによっては1,000万円以上が必要となる場合もあります。

「フルブライト奨学金」をはじめ海外MBA進学希望者のための奨学金制度もありますが、その資格を得るためには厳しい審査を通過しなければなりません。

それでも、ハーバードやスタンフォードといった有名スクールのMBA取得に成功すれば、非常に大きなキャリアアップに繋げられるでしょう。

MBAを取得する価値のある人

このように、MBAの取得難易度は非常に高いとされています。

「MBAが欲しい!」と考えてもなかなかうまくはいかないのが現状です。

そうした困難を考慮してでもMBA取得をおすすめしたい人は、以下の通りです。

グローバルな事業、大きなプロジェクトに関わりたい人

MBA取得の過程で学べる知識は、国内のみならず海外でも大いに活用することができます。

特に、海外MBAを取得している人材は海外の経済事情にも精通しており、非常に貴重な存在です。

海外に事業を展開している大手企業や外資系企業へのキャリアアップを成功させれば、ビッグプロジェクトで望み通りの活躍をすることができるでしょう。

自分の力で企業を引っ張っていきたいと考える人

MBAの持つ豊富な知識は、企業活動に大きな影響を及ぼします。

それだけ、MBA取得者は企業の将来を担う部分に携わる可能性が高いのです。

よって、自分の力で企業をよい方向に導きたい、成長させていきたいと考える人にはうってつけと言えるでしょう。

ストレートに言えば、「主役になりたい人」が向いているのです。

逆に言えば、あまり責任を負いたくない、誰かに引っ張ってほしいという人はあまり向いているとは言えません。

MBA取得者を欲している企業はその実力を評価する傾向があり、能動的に動けない人間は求められていないからです。

豊富な資産を獲得したい人

MBAが関わるプロジェクトは、大きな責任が伴う分その報酬も莫大です。

プロジェクトの内容や結果にもよりますが、同年代の人間が何十年も働き続けてようやく稼げる額の収入を、ほんの2~3年で獲得できる可能性すらあります。

年収1,000万越えも決して不可能ではありません。

自分の腕で将来困ることのない富を築いていきたいのであれば、MBA取得は有効な手段のひとつとしておすすめできます。

まとめ

MBAは国家資格と比較しても難易度が非常に高く、取得には困難が伴います。

しかし、取得すれば転職活動の際に大きな武器となってくれます。

特に、海外展開に積極的な企業、外資系企業では高く評価されるでしょう。

MBAを取ろうと考えるのであれば、スクール通学のための費用や時間、そして将来的な活用方法を視野に入れた上で臨むようにしてください。

また、下記の記事では本当に役立つ資格について詳しく解説しています。

本記事と合わせてぜひご覧ください。