コロナウイルスの影響で自宅の家具に気を遣う方が急激に増加した2020年。
2021年になった現在でも、家具・インテリアの需要は急増しています。
そんな中、デザイナーズ家具のスタッフやインテリアデザイナー、インテリアコーディネーターなどのインテリア業界に転職したい方も増えています。
この中でも資格を持っていない初心者でもインテリア業界に参入できる販売の仕事に主に焦点を当てていきます。
インテリア業界転職の難易度や働き方、必要なスキルなど、今後のインテリア業界の動向について徹底解説していきます。
インテリア業界とは
インテリア業界といってもなかなかイメージができないという方も多いと思います。そこでインテリア業界にはどのような職種があり、未経験や20代のうちに転職するならどの業種がおすすめか紹介していきます。
インテリア業界の分類はとても難しいものではありますが、大きなくくりをいくつか作って分けていきたいと思います。
- 家具関係(テーブルやイス、ソファなど)
- ファブリック関係(カーテンやカーペット、床材など)
- 住宅設備関係(キッチンやバス、トイレなど)
- 建材関係(壁紙やタイル、建具など)
今回はこちらの中でも需要も多く、みなさんに馴染み深い家具関係について紹介していきます。
家具関係でも「家庭用家具(ホーム家具)」と「オフィス家具」の2つの市場に分かれています。
家庭用家具(ホーム家具)
ホーム家具とは、その名の通り家で使う家具のことで、食器棚やソファ、テーブル、イスなどです。有名なメーカーだと「ニトリ」や「IKEA」ですね。
家具・インテリア業界への転職を検討されている方はこの2社は外せないと思います。
特にニトリは、家具業界では珍しく製造から小売りまで自社で統合するSPA(製造小売業)という業態であり、自社で企画開発したものを海外で製造して低価格を実現し、社内にIT専門の技術者も在籍していることによってIT戦略や広告戦略などについても社内で開発を行なっている。
ニトリは住空間をトータルでコーディネートする「ホームファニシング」という業態を国内で初めて行なった業界でもあります。
IKEAは、スウェーデン発の世界最大の家具販売店であり、北欧のデザインとコストパフォーマンスの良さを武器に日本に上陸しました。
若年層を中心に支持されており、「桐ダンス」や「ちゃぶ台」がメインであった当時、カラフルでおしゃれな高級家具として、20代の女性に特に人気がありました。
しかし、日本になかなか馴染めず1度日本から撤退したが2006年に再び日本に上陸し、現在ではニトリと並んで「ホームファニシング」分野でのトップブランドです。
オフィス家具
オフィス家具とはその名の通りオフィスで使われるデスクやイス、書棚などの什器のことです。
有名な企業としてはコクヨや岡村製作所、イトーキなどがあげられます。
会社に所属している方や、オフィス家具を購入したことのある方は聞いたことのある企業なのではないでしょうか。
しかし、コロナウイルスの影響でオフィスに通勤する機会が減った今、オフィス家具の需要も下がりつつあります。
転職を考えているのであれば、こだわりがないのであればホーム家具を扱う企業の方が安定して売り上げを伸ばしており、人手不足にもなりつつあります。
インテリア業界への転職は難しい?
現在のインテリア業界は、家具の巣ごもり需要により売り上げが増加した企業が多く、新卒では採用人数が増えている企業が多いです。
インテリア市場は2005年前後から右肩上がりで上昇をしていることを考えるととても堅調と言えます。
しかし、今後の少子高齢化や新築の減少、コロナウイルスによる出社日数の減少の影響などを考慮する必要があります。
家具だけでなく雑貨などの住空間を総合的にプロデュースする「ホームファシニング」に需要が集中すると考えられます。
また現在、特別な資格のいらない小売系や販売系は転職者が集まりやすい傾向にあり簡単には転職はできないと考えられます。
しかし、家具の需要が大きいため、難易度自体はそこまで高いわけでもないです。
家具・インテリア業界の職種
インテリア業界といっても職種には多種多様なものがあります。
主な職種についてピックアップしていきます。
インテリアコーディネーター
お客様からの要望に対し、快適な空間のデザインをする仕事です。
壁の材質や照明器具など幅広い知識が必要で、細かい指示を出さなければいけないため、初心者では難しく、資格を保有していることが大前提となっています。
インテリアデザイナー
インテリアコーディネートだけでなく、企画や設計も行い、施工管理も担当します。
デザインだけでなく安全性やコンセプトに合わせた色味や灯りなどその空間をトータルで演出していく仕事でインテリアコーディネーターより専門的なスキルが必要です。
こちらも資格が必要で初心者はもちろん、経験者でも難しい仕事です。
家具デザイナー
家具デザイナーは、テーブルやイスなどの家具をデザインする仕事です。
見た目や使いやすさを考慮して、素材の知識や設計技術、CADの操作など専門的なスキルが必要となっていきます。
初心者での参入は大変困難であり、現場経験を積んでいないとなかなか知識不足であることも多いので、初心者にはなかなかおすすめできない仕事ではありますが、まずはこちらの仕事を目標にする方が多い印象です。
販売スタッフ
家具や雑貨などのインテリアショップで働く仕事です。
仕事内容は接客や販売、レジ、検品など幅広いですが、インテリア業界についての知識を深めるには最も適した職種です。
もちろん家具についての知識が必要となりますが、仕事を重ねることによってインテリア業界や家具についての知識を蓄えることができます。
初心者の方には最もおすすめです。
家具・インテリア業界で必要なスキル
家具・インテリア業界はBtoCの企業が多く、基本的に最も大切なスキルはコミュニケーション能力です。
また、専門的な仕事をする際に必要になってくる資格もありますので、合わせて紹介していきます。
必要なスキル
先に紹介したようにコミュニケーションが得意であることが大前提です。他のスキルとしては下記のものが挙げられます。
これらの少なくとも2つ以上当てはまる人でないと家具・インテリア業界は大変なので、是非こちらを気にしてみてください。
そしてとにかく人と接する機会が多く、「お客様の要望を聞き出す」ことも大切になってきます。
キャリアアップしたらデザイナーやコーディネーターなどコミュニケーションを取る人が増えるので、人とのコミュニケーションを辛いと思わないことが最も大切なスキルとも言えるかもしれません。
デザイナーやコーディネーター職になった際にはスケジュール管理能力は発案能力が必要になってきます。トレンドや新商品に敏感に反応し、提案するスキルも求められます。
必要な資格
デザイナーなどの専門的な仕事をする際には資格が重宝されます。
上記の4種類の資格を取得したら、インテリア業界では困らない人材になることができると思います。
また、CADの資格に関しては多くの業界で重宝されるものであり、取っておくと良いと思います。
家具・インテリア業界の動向
家具・インテリア業界の多くは右肩上がりです。
また、インテリア業界は建築業界の影響も受けやすく、趣味や自分の好みを楽しむ方が増えている近年は「DIY」でインテリアや家具をリメイクする人も多いです。
在宅での仕事が増えた現在は、「家を上質な環境」にする方が増えています。
そこで、今後の家具・インテリア業界はどのような動向が予測されるのでしょうか。
デスク・イスの需要が急増
在宅で仕事をする際に最も長時間使うデスクやイスを買い替えるという動きが多く見られました。
仕事をするスペースにはお金をかけてでも快適な空間にする方や、補助金が出る会社もあるそうです。
在宅ワークはコロナウイルスが収束した後も残るのではないかと思っております。
なぜなら、在宅ワークのための仕事環境の構築を急速に進めた会社や、オフィスを狭くした会社も多いからです。
ベッド市場の増加
家具・インテリア業界では、近年ベッド市場が好調です。
その背景には少子高齢化の影響があります。
高齢者の方々が年々増加しているため、高額な介護ベッドの需要が上がっております。
近年は第1次ベビーブームの1940年代後半の方が70代になるということで、介護ベッドが多く必要となっております。
また、第2次ベビーブームの1940年代中期の現在40代半ばの方が残り20~30年で高齢者になるということで少なくとも30年は需要があります。
さらに、少子化が進んでいることもあり高齢者の割合が増加するため、相対的に介護ベッドの需要は高いままであると考えられます。
インテリアデザイナー・インテリアコーディネーターの需要は増加傾向
レストランやミュージアムなどの商業施設は常に最新のトレンドやデザインを取り入れる必要があります。
また、一般住居においても新築案件の減少とは対照的にリフォーム案件は増加しています。
この理由も「質の高い家庭環境」を求める人が多いからです。
ハウスメーカーやインテリアショップ専属のデザイナーだけでなく、フリーランスのデザイナーも増えています。
また、「ニトリ」ではインテリアデザイナーやアドバイサーが在籍しています。
販売スタッフからデザイナーになるというキャリアプランを見ることもできるため、一度確認してみると良いでしょう。
将来的にフリーランスとして独立をしたいと考えている方も販売からデザイナーを経て独立すると良いと思います。
家具やインテリアのリノベーションとリフォームの需要も増加傾向
今後家具・インテリア業界で特に需要が増えるのが「リノベーション」と「リフォーム」です。
「リノベーション」とは、元からある建物に大規模な工事をし、新築よりも性能を向上させ、価値を高くすることです。
「リフォーム」とは、築年数が経ってしまい老朽化の進んだ建物を新築に近い状態に戻すことです。
どちらもマイナスのものを良くするというものですが、リノベーションマイナスをプラスにしリフォームはゼロに持っていくという違いがあります。
近年では商業施設だけでなく一般住宅でも、建物を壊さずに綺麗にして使う方が多く、その時に家具を一気に買い替える方も多いです。
その際に家具屋を何軒も回るのは手間になるので、「ホームファニシング」が注目を浴びているという背景があります。
20代や未経験から家具・インテリア業界への転職について
家具・インテリア業界での働き方は様々で、雇用形態も正社員からアルバイト、業務委託まで様々ですが、正社員が最もおすすめです。
アルバイトや契約社員ではどうしても業務範囲は限られ、成長に繋がらない場合が多いです。
それに対し正社員、特に販売の業種では多くの業務で経験を積むことができます。
インテリア業界は良くも悪くも長い歴史の中での決まりのようなものができており、経験年数が重要になってきます。
そんな家具・インテリア業界の転職で気になるポイントについて解説していきます。
採用で重視・優遇されるポイントは?
家具・インテリア業界で働くには、学歴や資格よりも実務敬遠の湯無が重要視される場合が多いです。
どのような業種でも同じですが、転職をする際に求められるスキルは「即戦力」です。
学歴やスキルよりも実務経験があるかどうかが特に重要です。
それでは未経験ではどのように転職すれば良いのでしょうか。
考えられるパターンとして2種類ございます。
- アルバイトなどで経験を積む
- 実務経験不問の職種を選ぶ
こちらの2つですが、上記のやり方ではかなり金銭的に厳しい期間が数年続いてしまいます。
また、専門の職種に就く際にのみ実務経験が必要になるので、販売などの職種であれば未経験でも採用される可能性は高いです。
それでは実務経験不問の販売の職種で優遇されるポイントは何でしょうか?
未経験から販売で働くために大切なことは?
家具・インテリア業界では、販売の職種は未経験でも歓迎されることが多いです。
しかし必要なスキルとしては、お客様への対応ができるかどうか、そして自社製品を覚えることができるのかの2点です。
販売の職種はお客様と直接会話をする機会が多く、お店の顔になる人物です。
対応がしっかりしていないと会社の評判を落としてしまうからです。
また製品を覚える必要があるのは、お客様から質問された際に答えやすくなるためです。
この2点を意識して転職活動をおこなうことで、成功に近づくと思います。
まとめ
家具・インテリア業界は将来的に見てもなくなることのない業種であり、常に需要があります。
しかし、将来的に販売などの業種よりもデザイナーなどの職種が優遇されるようになると予想されます。
しかしデザイナーになるためには実務経験が必要ということで、販売としての業種で経験を積み、将来的に有望な人材を目指しましょう。
家具・インテリア業界を目指すのであれば、早いうちに販売で経験を積めると良いでしょう。
販売の経験はキャリアアップをする際にも必ず役立つでしょう。
年代別に転職成功のポイントは下記の記事で詳しく解説しています。
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