「公務員は安定しているけど自分には向いていない」と感じつつも、転職への不安から、公務員から民間企業への転職に二の足を踏んでいる方は多いでしょう。
そこで今回は、公務員から民間企業に転職するメリット・デメリットと転職難易度、そしておすすめの転職エージェントを解説します。
公務員から民間企業に転職するメリット
まず、公務員から民間企業に転職するとどんなメリットがあるのか紹介していきます。
やりがいや刺激が増える
民間企業に転職を決める場合、仕事内容が自分のやりたいこと・興味があることと一致していることがほとんどでしょう。
転職を機に、自分の挑戦してみたいことができるようになるのでやりがいが増えます。
また、民間企業では裁量権の大きい仕事に携われることもあります。
社会情勢や顧客のニーズなどによる変化も大きいので刺激があり、個人の成長の機会も多いと言えます。
成果次第で昇給や昇格がある
公務員の給与・昇給は法令や規則で明確に決められているため、給料の上がり幅が狭いです。
勤続年数が長くなるにつれて給料は上がっていきますが、若いうちから給料を大きく上げることは容易ではありません。
一方、民間企業では成果主義の会社も多く、成果をあげれば若いうちから大幅な昇給・昇格があります。
また、景気や業績によっては、民間企業の方が高い給料を貰えることもあります。
起業や副業などキャリアの選択肢が増える
公務員の場合、国家公務員法・地方公務員法で営利を伴う私企業を営むことは禁止されています。
また、副業に関してもほとんどの場合、事前に申請が必要だったり、多くの制限があったりします。
しかし、公務員から民間企業に転職すると、副業禁止の会社を除いては自由に副業ができる上、起業も視野に入れられるので、今後のキャリアの選択肢が広がります。
公務員から民間企業に転職するデメリット
続いて、公務員から民間企業に転職するとどんなデメリットがあるのかについて紹介していきます。
公務員より安定性がない
公務員の場合、相当な理由がない限り解雇できないと法律で定められているため、民間企業に比べて解雇の可能性はとても低いでしょう。
しかし、民間企業は業績によっては解雇や倒産の可能性があり、公務員より安定性は低いです。
これまでの仕事内容が評価されづらい
公務員は人材育成や不正防止のため、3~5年ほどで部署異動があります。
そのため、転職をする際に専門的なスキルがないと評価され、民間企業でずっと働いてきた人と比べるとスキル不足と思われてしまうことが懸念されます。
転職先が合わないと短期離職しまた転職することになる
民間企業は、会社ごとに社風や規則が大きく異なります。
せっかく苦労して転職しても、社風や規則が合わないと「公務員時代と何も変わらない……」とすぐに転職することになってしまうでしょう。
そのため、公務員から民間企業に転職をする際は、事前に企業の実態をよく調べ、目標に合ったところを探す必要があります。
公務員から民間企業への転職は難しい?
公務員から民間企業への転職は難しい、厳しいという声をよく聞きます。
ここでは、そのように言われる要因を見ていきましょう。
利益を追求する姿勢が身に付くかどうか
公務員は社会への奉仕が仕事になっており、営利目的ではありません。給与や予算などはすべて税金から支払われています。
一方、民間企業は基本的に営利を目的としています。
そのため、時間やコストの無駄を省き、いかに効率的に利益を追求できるかが重要です。
公務員とは正反対の「営利を追求する姿勢」が身に付くかどうかが転職の成功を左右します。
アピールできるスキルがあるかどうか
ほとんどの企業の場合、転職してからは即戦力が求められます。
そのため、何かアピールできるスキルがあると採用されやすいでしょう。
会計士や税理士、教員資格などの専門的な資格、語学力や留学経験、国家公務員総合職のような難易度の高い試験に合格した経歴などがあると有利です。
公務員から民間への年齢別の転職難易度
続いて、20代から40代まで年齢別の転職難易度について見ていきます。
20代で転職する場合
20代のうちであれば、他のライバルと比べてスキルや経験での差が出にくく、将来性を見込んで採用される可能性が高いです。
新卒採用が上手くいかなかった企業の多くは、第二新卒を積極的に採用するため、転職は比較的容易でしょう。
30代で転職する場合
30代での転職は、20代と比べて年齢面で厳しくなります。
チームをまとめたり、部下を指導したりといった年相応のマネージメント経験をアピールできなければ、転職は難しいと言えるでしょう。
40代で転職する場合
40代での転職は、実績や管理職としての能力がなければ非常に困難です。
また、転職できたとしても年収が大幅に下がる可能性があるので、公務員として働いていた時の業務経験を活かせる業界でないと難しいでしょう。
年代別の転職成功のポイントは下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
公務員から転職しやすい業界
ここからは、公務員から転職しやすい業界を紹介していきます。
前職をベースにした業界
公務員と一括りに言っても、職種によって仕事内容は異なります。
前職をベースにした業界や職種であれば、前職の経験が活かせるため転職しやすくなります。
下記の表が一例です。
前職 | 前職をベースにした業界・職種例 |
警察官 | 警備員、自動車学校教官、スポーツインストラクター |
教員 | 教育関連企業、予備校講師 |
市役所・区役所職員 | 経理・財務関連 |
労働基準監督署の職員 | 労務・法務関連 |
関税官 | 貿易会社 |
IT業界
人手不足のIT業界なら、未経験でも採用されやすい傾向があります。
経済産業省の2019年「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には約45万人のIT人材が不足するという試算が出ています。
IT業界は需要が大きく将来性の高い業界ですし、未経験でも積極的に採用している企業が多くあります。
プログラミングを学べるスクールもどんどん増えているので、働きながらスキルを身に着けておくといいでしょう。
介護・福祉業界
介護・福祉業界は、少子高齢化の影響で慢性的な人手不足です。
2018年の経済産業省の発表によると、介護関連従事者は2025年には約43万人不足、2035年には約79万人不足という試算が出ています。
介護・福祉業界はすぐになくなるという心配もなく、将来性の高い仕事と言えるでしょう。
公務員から民間企業に転職するのにおすすめの転職エージェント
ここからは、公務員から民間企業への転職を希望する際におすすめの転職エージェントを紹介していきます。
転職エージェントをおすすめする理由
公務員として働きながら自分の希望に合う企業を探すのは、たいへんな時間と労力がかかります。
応募書類を書いたり、面接日程の調節をしたり、すべて自分で行わなければなりません。
そこで、効率よく転職するために転職エージェントを利用するのが便利です。
転職エージェントに登録すると、キャリアアドバイザーがヒアリングをもとに、自分の希望に合った求人を紹介してくれます。
転職エージェント独自の求人や非公開求人を有しているところもあり、1人で転職活動をしていると見つけられないような求人にも出会えます。
さらに、下記をはじめとする多様なサポートも受けられます。
- 応募書類添削
- 面接対策
- 業界や企業情報の提供
- 面接日程調整
- 年収交渉
- 入社日調整
- 円満退社のための手続きやアドバイス
ここでは、次の6社の転職エージェントを紹介します。
(登録は約3分で完了、無料で利用できます)
おすすめする転職エージェント
- doda
- パソナキャリア
- レバテックキャリア
doda/スカウト機能あり
dodaは、業界最大級の約10万件の求人数を誇る転職エージェントです。
毎週のようにセミナーやイベントを開催しているのが特徴で、定期的に全国規模の転職フェアも開催しています。
さらに、企業から直接オファーが届くスカウトサービスも備わっており、面接が確約されたオファーが届くこともあります。
匿名での利用可能で、在職中でも安心して登録できるのも嬉しいポイントです。
パソナキャリア/サポートに定評あり
パソナキャリアは、2019年から3年連続で「オリコン顧客満足度調査転職エージェント総合第1位」を獲得していて、利用者満足度が高いエージェントです。
取引実績は16,000社以上あり、求人件数は非公開求人も含めて5万件以上あるので、幅広い求人先を紹介してくれます。
そのため、若手から管理職志望の方まで幅広い層の求職者が利用しています。
また、実際にパソナキャリアを通じて転職した人の67.1%が年収アップに成功しているという実績もあり、初心者でも安心して転職活動ができるでしょう。
また女性の活躍支援に特化した専門チームもあるので、産休や育休など女性のキャリアに寄り添ったサポートも提供してもらえます。
レバテックキャリア/IT・Webに特化
レバテックキャリアは、IT・Web業界に特化した転職エージェントです。
高い専門性を持つスタッフがサポートしてくれるので、マッチング精度が高く、内定率は90%を誇ります。
東京の求人がメインなため、地方の求人は少なく競争率が高いですが、IT・Web業界へ転職を考えているなら登録しておくと便利でしょう。
転職エージェントと合わせてみるべきおすすめのサイト
続いて、転職エージェントと合わせてチェックすべきおすすめサイトを紹介していきます。
おすすめのサイト
- インテリゴリラ
- ミイダス
- 転職会議
- 転職人気企業ランキング
選考情報を知りたいならインテリゴリラ
インテリゴリラは、一流難関企業への転職を目指す人たちのための転職サイトです。
内定を得た人達から入手した非公開の選考情報を提供しており、下記のサービスが利用できます。
- 内定者の選考レポートの閲覧
- 面接でされる質問や効果的な回答例
や、NG回答例の閲覧 - エージェントや現役社員によるアドバイス
- 書類選考や一次面接が免除される特別選考への応募
選考情報が掲載されている企業は、2021年3月時点で72社で、どれもM&Aキャピタルパートナーズや楽天、LINE、メルカリなど有名企業ばかりです。
たくさんの情報を得て内定に近づくため、ぜひ会員登録しておきましょう。
自分の市場価値を知りたいならミイダス
MIIDAS(ミイダス)は、プロフィールや職歴、スキルなどを入力して自分の市場価値を測れる転職アプリです。
入力情報をもとに7万人の転職データを分析し、類似した経歴・スキルを持つユーザーの年収から、適正年収を算出します。
さらに情報を登録して待っているだけで、企業から面接が確約されたオファーが届きます。
氏名や住所は入力不要で安心して利用できるので、ぜひ年収を上げるために活用してください。
口コミが見たいなら転職会議
転職会議は、300万件以上の転職口コミを掲載している国内最大級の口コミ情報サイトです。
2021年3月時点の口コミ登録企業数は、172,478社にものぼります。
社員や元社員による社風や年収、福利厚生などに関する口コミが公開されています。
希望する会社の内情を事前に知ることができるので、「思っていたのと違う!」とミスマッチを防げるのは転職者にとってかなり大きなメリットでしょう。
また、転職会議では、口コミや評判の公開の他に、転職支援も行っています。
トレンドを知りたいなら転職人気企業ランキン
転職人気企業ランキングは、転職サイトdodaのサイト内にあり、ビジネスパーソン約5,000人に調査した人気企業のランキングが掲載されています。
業種、職種、男女、年代、年収、職位別にランキングがチェックでき、なぜその企業に投票したのかという理由も確認できます。
これまで知らなかった企業の情報や、どの企業が今人気なのかというトレンドが分かるので、チェックするといいでしょう。
公務員から民間への転職は手厚いサポートのある転職エージェントにご相談を!
公務員から民間企業に転職するのには、様々なメリットとデメリットがあります。
ただし、転職難易度は年齢が上がるにつれて高くなるため、転職を考えているのであれば、1日でも早く転職活動を始めるといいでしょう。
とはいえ、1人で転職活動をするとなると、志望する民間企業が自身の希望に合うか調べたり、細かな対策を練ったりと時間が掛かってしまいます。
働きながら効率的に転職を進めるには、転職エージェントに相談するのが1番です。
この記事で紹介した転職エージェントを活用して、公務員から民間企業への転職を成功させましょう。