「転職したいけどどの業界に行っていいかわからない」
「もっと給料のいい転職先はないか?」
「フリーランスとして働きたいけど不安だ」
そのように思っていませんか?
そのような方は、転職先として公務員を考えたことがあるのではないでしょうか?
公務員は高い年収と安定した業種で人気の転職先になっています。
今回は、社会人枠を利用して有利に転職する方法を解説していきます。
公務員への転職実態と社会人採用
民間企業に勤務経験のある方を対象に、社会人採用という枠で採用試験を実施する自治体が増加しています。
現に、令和元年度は全都道府県政令市の80%以上の自治体で社会人枠の採用が実施されました。
事務職員なども含めると、この数字はさらに大きいです。
公務員への転職の実態
公務員の採用試験は、工場の職人から経営者まで多種多様な人が受験をしています。
そのため公務員への転職理由も様々。
また、優秀であれば採用されるという訳でもありません。
実際に、大都市の超一流企業の社員が首都圏の中核市を受験した際、オーバースペックだからと不合格になったケースも。
あくまでも、採用側のニーズに適合した人が採用されると言えます。
転職する人は全国で年間350万人
1年間に転職を経験する人数は全国で350万人と言われています。
この数字は5年連続増加傾向にあり、潜在的な転職希望者を含めるとさらに大きく、600〜700万人とも言われています。
その中でも公務員は人気の転職先となります。
公務員への就職は2パターンある
ここからは公務員への就職の方法を紹介します。
公務員へ就職するには「新規採用」と「中途採用」の2パターンがあります。
新規採用職員
民間企業でいう新卒採用枠として、高卒程度と大卒程度の一般枠があります。
年齢制限は29歳以下となっている場合が多く、一部自治体では未経験者を対象として設けられている採用枠です。
中途採用職員
公務員への転職は59歳まで可能となっています。
年齢制限は自治体や職種によって異なります。
一般的には「民間経験者採用枠」といいますが、民間企業でいう中途採用枠のことです。
採用倍率はほとんどが10倍以上で狭き門と言われています。
民間から公務員へ転職する際の採用試験
ここからは民間から公務員へ転職する際の採用試験について紹介していきます。
受験要件
受験要件は、職務経験の年数が概ね5年程度とされますが、区分によっては10年以上必要とされることもあります。
給与
総務省の「平成30年国家公務員給与等実態調査結果」によれば、国家公務員の平均年収は約680万円です。
地方公務員の平均年収は約630万円となります。
全国の平均年収が400万円程度であることを考えると高い数字だということができます。
試験期間
一次試験は9月に開催される地域が多いですが、地域によって異なります。
6月や11月に実施している地域もあるようです。
公務員の種類と仕事内容
公務員には様々な種類がありますが、大きく分けると国家公務員(日本全体を支える分野別の専門家)と、地方公務員(地域住民を支えるゼネラリスト)に分けられます。
同じ公務員ですが、国家公務員と地方公務員では試験や仕事内容が異なります。
ここからは、国家公務員と地方公務員の違いに焦点を当てて、仕事内容について紹介します。
国家公務員とは?
国家公務員は、国際社会における日本の役割など大きな視点で、日本国民のためだけではなく全世界のためにも働く仕事です。
中央省庁や裁判所などの国家機関に勤務して、国際社会を視野に入れた企画の立案や執行に携わることになります。
そのためスケールも大きい仕事になるでしょう。
国家公務員の仕事内容
中央省庁で働く国家公務員は、国家公務員総合職と国家公務員一般職に大きく分けることができます。
国家公務員総合職
総合職は、官庁の幹部候補生として採用されます。
早い段階から管理職につき、行政を動かす中心的な役割を果たします。
政策の企画や立案、法律の制定や改正、法律の適正な運用指導、国会対応などが主な仕事です。
基本的には2年単位での部署異動があります。
国会公務員一般職
一般職は、総合職で採用された職員が政策を施行するために必要な事務処理への従事が主な仕事です。
基本的には3年から5年単位での部署移動があります。
一つの部署での在籍期間が長いことで、専門性を磨きやすいというメリットがあります。
地方公務員とは?
地方公務員は、県庁や市役所などの自治体組織に勤務します。
地方行政から企画の立案や執行に携わるため、地域住民に密着した仕事をすることができます。
地方公務員の仕事内容
地方公務員は、特別職と一般職の大きく2種類に分けられます。
特別職は、知事や市町村長、地方の議員などです。
ほとんどは一般職として採用されることになります。
一般職ではたらく職員は、役所の他教育関連施設や警察署、消防署、図書館、病院など、働く場所は多種多様です。
したがって仕事内容も窓口業務や都市計画、地域に密着した企画など、多岐に渡ります。
社会人枠を利用して公務員へ転職するメリット
ここからは公務員へ転職するメリットを紹介します。
社会人採用の枠を設ける自治体が増えている
社会人採用の枠は増加傾向にあり、転職先としても非常に人気です。
特に現在では、就職氷河期世代を対象とした採用を行っている地域もあります。
公務員への転職を目指している方はチェックしておきましょう。
社会人採用枠は、新卒採用枠と比べて受験科目が少ない
社会人採用枠の受験科目は、一次試験が教養、論文のみです。
また、二次試験も個別面接のみとなっています。
新卒採用試験よりも受験科目が少ないので、チャレンジしやすいです。
福利厚生が充実しており、社会的信頼も厚い
公務員は、休暇制度や共済組合などの福利厚生が充実しています。
また生活補助の手当て等も数多くあるため、生活に困ってしまうことはありません。
また企業と違い倒産の危険がないこともあり、社会的信頼も厚いです。
公務員へ転職するデメリット
ここからは公務員へ転職するデメリットを紹介します。
移動や転勤の範囲が全国に及び、回数も多い
勤務地域が全国に及ぶため、転勤は避けられないケースが多いです。
また、転勤の回数も多いため、家庭を持っている場合などはデメリットとなるでしょう。
仕事の成果が給与に反映されない
民間の企業と異なり、仕事の成果が給与に反映されにくいです。
しかし、不調の時も安定して給与がもらえるという側面もありますので、一概にデメリットとは言いきれないでしょう。
しかし、給与が安定しているからと言って、必ずしもホワイトな職場だとは限りません。
配属先や部署、職種によってはサービス残業が多く、プライベートな時間が確保できないというブラックな実態があります。
下記の記事では「絶対に就職してはいけない公務員ブラックランキング」を紹介しています。
ぜひとも、公務員への転職を検討する際の参考にしてください。
ブラックな公務員よりも団体職員のほうがおすすめ
公務員にもデメリットはあるので、「安定していて楽そうだから」という理由で公務員を目指すのは危険です。
安定していて楽な仕事は、公務員の他にも団体職員があります。
団体職員は、民間の営利目的でない団体に属する職員のことで、準公務員と呼ばれています。
比較的ホワイトな職場で働きたい方は、団体職員への就職・転職も視野に入れておきましょう。
下記の記事では、団体職員への就職・転職をお勧めする理由を解説しています。
本記事と合わせてぜひ、読んでみて下さい。
まとめ
最後に、民間企業から公務員に転職できるということはあまり知られていませんでしたが、ここ10年で知られるようになりました。
転職業界でも、公務員へ転職する人数も増加傾向にあります。
また、一度公務員についてしまえば、安定した生活の保障や福利厚生の充実など、多種多様なメリットもあります。
公務員といっても国家公務員と地方公務員では大きな違いがあります。
さらに職種や仕事内容も様々です。
転職をお考えなら、公務員も視野に入れることをお勧めします。