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団体職員への就職がオススメな理由は?転職する上で必要な対策を解説!

現在の日本では、企業だけでなく業界構造から再検討が迫られています。

そしてこの状況の中、今後どのように推移していくか見守りつつ、どのように立ち回るべきか考える必要があるでしょう。

将来への不安から安定した職種に就職・転職したいという方も多いです。

そのような場合は、団体職員への就職・転職をおすすめします。

今回は、団体職員への転職がおすすめな理由と、団体職員に就職するための対策をご紹介します。

目次

団体職員とは

ではそもそも団体職員とは何でしょうか。

団体職員とは「民間の営利目的でない団体に属する職員を指す総称」を指します。

たとえば、NPO(非営利組織)法人で働く職員、彼らは団体職員です。

また、学校法人○○学園の職員、彼らも団体職員です。

つまり、団体職員と一括りにしても業務の幅は多岐に亘っています。

また同じ営利目的ではない公務員は団体職員なのでしょうか。

いえ、公務員は団体職員にではありません

その違いは「営利目的でない」とともに「民間であるかどうか」です。

民間で行う営利目的でない活動とは

では、民間で行う営利目的でない活動とは何でしょうか。

それは不特定多数の利益に寄与する事業です。

平たく言えば、社会発展に寄与する活動全般を指します。

そして団体職員は大きく分けて5種類の団体においてその活動を行います。

実は10種類以上の団体がある

団体職員と称される団体は10種類以上あります。

公益社団法人、公益財団法人、一般社団法人、一般財団法人、NPO法人、組合、特殊法人、認可法人、特別民間法人、独立行政法人などです。

それら大きく分けるのは「公益目的事業認定を受けた団体かそうでないか」「公法人かどうか」です。

公益目的事業とは

ではこの公共目的事業とは何でしょうか?

これは「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」に依拠した23の事業で、行政庁から公益認定を受けた法人が行う事業を指します。

公共事業がインフラ等公共のハード面を指すのに対し、公共目的事業は学術、技芸、慈善といったソフト面から公共を支えるといったものになります。

公益社団・財団法人とは

行政庁から「公益事業認定」を受けた法人、それが公益社団・財団法人です。

この公益事業認定を受けると税制面で優遇されます。

そして公益社団・財団法人が公益目的事業と認定されるためには一般社団・財団法人でなくてはなりません。

一般社団・財団法人とは

公益社団・財団法人との違いは「行政庁から公益目的事業認定を受けていない」ことです。

認定を申請したかどうかに関わらず、公益目的事業認定になっていないのが一般社団・財団法人になります。

また、設立は「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に依拠しています。

逆をいえば、公益社団法人は必ず一般社団・財団法人を経ているとも言い換えられます。

社団法人と財団法人の違いは

では公益・一般に関わらず、社団か財団には何の違いがあるの、と疑問は生じませんでしたか。

その違いは社団法人が「法人の活動」に重きを置いているか、財団法人が「目的のために財産を活用すること」に重きを置いているかにあります。

財団法人の方が社団法人より設立する上で資金が必要とされるのです。

また、学校法人は私立学校などの学校法人も財団法人に含まれます。

社団・財団法人とNPO法人の違いは

ところで社団・財団法人以外にもNPO法人もあります。

この違いは何でしょうか。

それは設立の際、依拠している法律です。

社団・財団法人が設立の際、依拠している法律は「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」になります。

対して、NPO法人は「特定非営利活動促進法(NPO法)」です。

NPO法では環境の保全を図る活動や国際協力の活動等、NPO法人が20種類の活動分野が定められています。

また、社団・財団法人と異なり、NPO法人には公益認定がありません。

ただ、NPO法人にも「認定NPO法人制度」というものがあり、認定NPO法人となった場合、税制面での優遇が受けられます。

公法人とは

公益社団法人、公益財団法人、一般社団法人、一般財団法人、NPO法人の5つが民間の法人「私法人」です。

対して、特殊法人、認可法人、特別民間法人、独立行政法人の4つが「公法人」となります。

業務上、国の介入を許容している半民半官の法人です。

それゆえ一般的に「準公務員」と呼ばれる団体職員はこの4つの法人所属している職員を指します。

特殊法人とは

政府からの資金調達や法人税免除のため、特別な監督を受ける必要のある法人を指します。

認可法人とは

設立発起人は民間人であるものの、大臣の許認可が必要な法人を指します。

特別民間法人とは

特殊法人や認可法人が民間法人化された法人を指します。

独立行政法人とは

中央省庁から独立して業務を行っている法人を指します。

特殊法人より独立性が高く、国が直接行っているわけはないものの、国の監視や介入を許容している法人です。

民間企業と非営利企業との違い

では、民間企業とは何でしょうか。

一般的に「収益事業を営む集団」を指します。

収益事業とは「特定者の利益に寄与する事業」です。

また、それらは法人税法で定められている34事業で分類され定められています。

民間企業とは収益を特定の人々へ還元する集団

たとえばある集団に属する社員が自社であったり、自社の株式を所有者等へ還元する目的で事業を営む集団、それが営利集団です。

つまり、その企業の事業が営まれることで特定の関わりが深い人が利益を享受することを目的とした集団と言い換えることができます。

その集団を一般的に民間企業と呼びます。

社団・財団法人やNPO法人は収益活動を行わないわけではない

では、NPO法人や学校法人などで収益活動は行われないのでしょうか。

そんなことはありません。

人件費や運営費など当然資金が必要です。

その建前にあくまで矛盾しない上で収益活動を行えます。

収益目的というより事業へ還元するため収益化していく、そういったニュアンスです。

民間企業の決定的な違いは株主がいるかどうか

では、民間企業と決定的な違いはどこにあるのでしょうか。

それは「株主の存在」です。

上場・非上場に関わらず、株式とは会社の所有権を意味し、所有比率で経営権を握ったりします。

たとえば一人で自分の会社を営んでいるとしても、その社長が100%株式所有となります。

これがないことで株式配当や役員配当はなく、すべて会社の利益となります。
設立条件や事業継承での税制上も違いなどもあります。

そのため、民間企業で期初に株主へ配当を還元するために短期的利益を急ぐようなケースは出てきません。

また元々営利団体ではないので短期的利益と相容れなく、活動目的へ取り組みやすくもあります。

団体職員例≪私法人≫

団体職員は実際どのようなものがあるのでしょうか。

まず、私法人である公益社団・財団法人、一般社団・一般財団法人、NPO法人、組合からみてみましょう。

公益社団・財団法人

学校法人(私立学校)、宗教法人、社会福祉法人など、法人数約10,000。

一般社団・財団法人

医療法人など法人数約67,000。

NPO法人

内閣府資料によりますと2021年1月現在で全国に法人数約51,000。

組合

農業協同組合、漁業協同組合など。

団体職員≪公法人≫

つぎに公法人である特殊法人、認可法人、特別民間法人、独立行政法人をみてみましょう。

特殊法人

日本中央競馬(JRA)、日本放送協会(NHK)、日本年金機構、放送大学学園(放送大学)など。

認可法人

日本銀行、日本赤十字など。

特別民間法人

農林中央金庫、日本商工会議所、自動車安全運転センターなど。

独立行政法人

現在87の独立行政法人があり、7は職員が公務員で、27が研究開発法人です。

残り53は職員が非公務員の中期目標管理法人です。

国立研究開発法人

宇宙航空研究開発機構、森林研究・整備機構、国立環境研究所など。

中期目標管理法人

日本芸術文化振興会、国際交流基金、国立科学博物館、国立美術館など。

団体職員になるメリット

大きくは以下3点が挙げられます。

  • 雇用が安定している
  • 落ち着いて、長期的視座に立って仕事に取り組める
  • 大義が分かりやすい
  • 比較的定時終わりが実現しやすい傾向がある

この点だけでも働きながら充実した時間を過ごせそうな気がしませんか?

また、団体職員を検討する際に気になるのは年収です。

下記の記事では、団体職員の年収について解説しています。

本記事と合わせてご覧ください。

団体職員への転職する上で必要な対策

団体職員と一口にいっても公的機関寄りか民間寄りかで大きく異なる特色が異なります。

また、民間寄りの私法人である団体は特にかなりの数が多いです。

ただ、民間企業と最も異なるところは共通して「営利を目的にしない」ところです。

もし、営利を目的にしたい方であれば、団体職員ではなく民間企業をオススメします。

それらを差し引いても団体職員になるメリットがあります。

専門性が求められるかどうか探る

たとえば国立研究開発法人のような場合、どうしても専門性が重要視されます。

宇宙航空研究開発であれば、宇宙航空分野だけでなく英語などのスキルも同様です。

この辺は応募条件等をしっかり把握しながら見極める必要があります。

合否に拘らない

また公的機関寄りの法人の場合、特に転職の場合、年に1度だけの求人であったり、4月入社など実際働くまでに時間を要する傾向が強いです。

特に郵送で書類応募し、数ヵ月後に合否が分かることが多くあります。

その法人に拘り過ぎると最悪時間ばかり過ぎてしまいます。

たとえ第一志望であっても併願するのをオススメします。

タイミングが合えばラッキーというくらいの気楽さを持ち合わせた方がいいでしょう。

職種に応じた資格取得する

どんなに専門的で営利的な部分より不特定多数の利益を重視していたとしても、やはり職種的な部分で求められるのは民間企業同様です。

たとえば、経理的スキルであれば簿記など、団体職員でも活かしやすい資格を予め身につけていれば書類審査に通過しやすくなります。

試験対策が必要なら試験対策も

国立大学法人などでは公務員試験に準じた試験を催されます。

SPIのような基礎問題というより、やや難易度が高い問題が出題されます。

公務員ではありませんが、民間企業と異なる点ではないでしょうか。

それゆえに公務員試験同様年に1度ですが、しっかり準備して臨むことをオススメします。

また、国立大学法人であれば、異なる大学での選考へも活かせますのでその点も効率がいいかもしれません。

入りたい団体を絞る

もし、ただ単に安定して楽だからという理由で団体職員になりたいというのなら、オススメしません。

なぜなら、書類審査に通過する確率が比較的低いからです。

これには、元々の募集人数がそれほど多くないという背景があります。

団体職員は安定している職種なので、比較的入れ替わりが少ないです。

そのため、離職率は低くなります。

団体職員を希望するのであれば、「どういった仕事をしたいか」など一定の基準を持って選びましょう。

そうすることにより、数ある団体職員の中でも絞り込んで、エントリーすることができます。

絞り込むことにより、自身の経歴と照らし合わせて、希望する団体に合わせた資格を取ることや、実績を作るなど課題が明確になります。

入りたい団体を絞ったら不足を補う

たとえば外国と関わる団体に就職したいとなった場合、やはり英語力があった方が優位です。

そのための手段としてTOEICの点数を上げる努力をしましょう。

このように入りたい団体に合わせて資格を取る、実績を作ることにより、就職・転職を有利に行うことが可能です。

また、団体職員への就職が難しくても、専門的な資格を持っていれば民間企業でも可能性が広がります。

団体職員へ就職するためのおすすめエージェント

それでは最後に、団体職員への就職・転職を考えた際に頼りになる、おすすめのエージェントを紹介します。

就職・転職をする理由は人それぞれです。

しかし、「どのように活動すれば良いのかわからない」という人にとってエージェントのアドバイスは必ず役に立ちます。

困ったときは相談をしてみましょう。

マイナビエージェント

マイナビエージェントは、20~30代の人が多く利用しているエージェントです。

対応エリアは主に関東・関西ですが、全国の企業に太いパイプを持っているため、他のエージェントでは紹介されない求人に出会えることも

アフターフォローも万全で、万が一転職に一度失敗したとしても次の転職に関するアドバイスをしっかりと行ってくれます。

doda

dodaは、国内最大級の紹介実績を誇るエージェントです。

求人数は約10万件となります。

毎週無料で受講できるセミナーを行い、様々なレクチャーや企業の合同説明会など、転職活動に活かせる貴重な情報を入手することができるなど、転職者を後押ししてくれます。

そのため、キャリアアップを目指して転職をしたいと考えている人におすすめです。

パソナキャリア

顧客満足度が高く、未経験の転職にも強いのがパソナキャリアの特徴です。

特に、顧客満足度については3年連続1位を獲得するなど求人を紹介するだけではなく、客観的なアドバイスやマッチング力が強みと言えるでしょう。

「入りたい団体が明確に決まっている」、「初めての転職で不安」という方はぜひ登録しておきましょう。

団体と自分のベクトルを合わせよう

団体職員仕事は、原則として営利より多くの方々の利益を優先する事業を扱っています。

大切なのは、その団体が目指すものと自分がどのくらい共感できるかどうかです。

その観点から団体を探すのをオススメします。

もし念願叶い団体で働けて、団体の役割と自分自身のベクトルが合っていたなら、より満足のいく実りある時間を過ごすことができます。