市民の「安心・安全」を守る警察官は、誰もが尊敬する職業です。
しかし、「新しいキャリアを求めて、警察官から転職したい!」と考えている人もいるはず。
ここでは、警察官から転職するメリットやデメリット、おすすめの転職先や、年収をアップさせる方法について解説していきます。
警察官の転職は難しい
まず、第一に知っておくべきは、その特殊な職業性ゆえに、「警察官からの転職はなかなか厳しい」ということです。
人々の暮らしを守ることが警察官の仕事ですから、社会的に高く評価される職であることは事実です。
しかし、一般企業が採用したがるかというと、残念ながらそうではありません。
業務内容があまりに専門的であり、警察官として身につけた技術を活かせる民間企業はかなり少ないからです。
また、利益の追求を第一としない職業柄、企業が求める営業力などのビジネススキルが十分ではないと見なされることもあります。
警察官という職業から、「本気で転職を目指している場合」は、しっかり現実を知り、対策を立てる必要があるのです。
警察官が転職するメリットとデメリット
転職を成功させるために大切なことは、転職のメリットとデメリットを理解することです。
ここでは、警察官が転職する時に知っておくべきポイントを細かく紹介していきます。
「やっぱり転職しなきゃよかった…」と後悔しないよう、ここで現実をしっかり把握しておきましょう。
警察官が転職するメリット
警察官という職業は、プライベートな時間が取りにくく、厳しい上下関係が存在するため、精神的に疲れることも多いでしょう。
また、治安維持のため、業務時間外であっても気を緩める暇がないことも、警察官の特徴です。
転職してまず第一に得られるものは「精神のゆとり」かもしれません。
ここからは、「警察官が転職するメリット」をご紹介します。
精神的なプレッシャーから解放される
まず、警察官から転職することで「精神的プレッシャーから解放されること」が挙げられます。
厳しい上下関係を守らなければならない警察官と比べ、一般企業ではもっと緩やかな人間関係を築ける場合が多いです。
そのため、立場を過度に意識しない分、気持ち良い緊張感を持って仕事に望むことができます。
心にゆとりを持って業務に取り組むことで、心身の健康が維持された生活を手に入れることが可能です。
自由な時間が増える
転職をするメリットとして「自由な時間が増える」ということも挙げられます。
「事件が解決するまで帰宅できない…」
警察官として働いていれば、事件解決まで、夜通し働かなければならないことがあります。
自分の時間を上手く取れない人も多いです。
そんな場合は、転職をすることでプライベートと仕事を分けられ、自由に過ごす時間を確保できるようになります。
リフレッシュする時間を得ることで、心身ともに元気に働くことができるのです。
選択肢が広がる
違う職業に転職するということは「選択肢が広がる」ということです。
全く違う体験することで、人生に選択肢が増えることは、転職の最大のメリットの1つと言えます。
警察官として働いていれば、「治安を守る」という最大のゴールが変化することはないため、業務内容が大きく変化することも少ないです。
転職を通して、警察官とは全く違うゴールに向かって働くことが可能になり、人生の可能性も広がっていきます。
警察官が転職するデメリット
一方で、警察官から転職するデメリットも存在します。
公務員の枠組みから外れることで、今まで受けられていたサポートなどを失うことがあります。
また、「正義を重んじる警察官を辞める」という事実が、「何か悪いことをしたのではないか…」と否定的に見られる場合もあります。
決断に後悔しないためにも、転職する場合のデメリットを、ここでしっかり知っておきましょう。
年収が下がる場合もある
まず、警察官から転職して「年収が下がる場合がある」というデメリットがあります。
警察官は「地方公務員」に分類されており、命をかけて治安を守るという業務を背負っているため、年俸は平均より高く設定されているのです。
「平成31年度地方公務員給与実態調査書」によると、平均年齢38歳の月給は約46万円で、一般公務員の41万円を上回っています。
そのため、最初から同額の給与を転職先に望むことは、あまり現実的ではありません。
給与を重視している場合は、年収が下がる可能性があることを理解しておきましょう。
民間企業に馴染めない
また、民間企業の社風に馴染みづらいというデメリットもあります。
警察官特有の雰囲気や厳しいルールの中から抜け出すと、一般企業の社風についていけないことがあるのです。
また、ほとんどの職業が営利目的であるため、利益を第一に考える価値観を受け入れられないこともあります。
「警察官だったら、こんなこと絶対許されないのに…」とカルチャーショックを感じても、その都度適応していくことが求められるのです。
転職理由に疑問を持たれる場合もある
さらに、警察官を辞めた理由に疑問を持たれることもあります。
自分は、新しい可能性を求める「前向きな決断」と考えていても、常にあなたの転職理由が受け入れられるとは言えません。
「地域の安心・安全を守る仕事を、どうして辞めなくちゃいけないんだろう…」と不審に思う企業もあるからです。
自分は高いモチベーションを持っていても、転職したあなたの姿を否定的に見られることがある、という事実を知っておきましょう。
警察官を辞めた後におすすめの転職先
ここからは、警察官を辞めた後におすすめの仕事について見ていきます。
実際にどんな選択肢があるのかを知ることで、転職がより現実的になっていくはずです。
鍛えられた体力や精神力など、「警察官として鍛えられたスキル」を最大限活かせる職業を、一緒に探していきましょう。
他の公務員
1つ目は「他の公務員」という選択肢です。
警察官から別の公務員へ転職すると、「給与にあまり変化がない」というメリットがあります。
また、社会的な立場も確立されているため、転職という決断も周りから納得されやすいでしょう。
一方で、面接時に「警察官を辞めてまた公務員になりたい理由」を、明確に答える必要があります。
警察官ではなく他の公務員を目指す理由が、はっきりとしていなければなりません。
警備員
警察官からの転職先として、「警備員」を選ぶこともできます。
人々の安全を守ってきた警察官のスキルを、最大限活かせる職業でもあるため、採用されやすい傾向があります。
また、警察官として養われた責任感や使命感を評価され、大きな仕事を任されることもあるのです。
しかし、警察官と比べると給料は低いことが多いため、給与面に心配がある人は注意しましょう。
介護士
少子高齢化が進行している日本では、「介護士」の需要が非常に高いです。
そのため、転職先として介護士を選び、成功する人がたくさん存在します。
資格がなくてもスタートできる職業でもあるため、「介護なんて未経験だけど…」という人でもチャレンジできるのです。
一方で、「命をお預かりする仕事」でもあるため、体力と精神力を必要とします。
警察官として養った責任感や体力を活かしたい人にはおすすめの仕事でしょう。
営業
警察官から違う業界に飛び込みたい人には、「営業」という選択肢もあります。
会社の利益獲得のために、自分から客の視界に飛び込む必要がある営業職は、強靭なメンタルを必要としています。
そのため、警察官として鍛えた精神力や度胸を活かすことができるのです。
しかし、厳しいノルマを課されたり、歩合給制度であることが多い特徴という特徴もあります。
「バリバリ仕事に打ち込みたい!」という人におすすめできる職種です。
スポーツインストラクター
警察官からの転職先として、「スポーツインストラクター」という選択肢もあります。
特に、「体を動かすことが大好き!」という人にはおすすめです。
一般的には、大学や専門学校で健康について学び、インストラクターを目指す人が多いですが、規則上、資格や学歴は必須ではありません。
そのため、未経験であっても、警官時代の体力や運動能力を活かして働くことができます。
しかし、「体力勝負」であるため、定年まで働きたい人は、自分の体調面をよく理解して決断する必要があります。
トラックドライバー
「人間関係に悩まない仕事がしたい」という人には、「トラックドライバー」という選択肢もあります。
一人でトラックを運転し、目的地を目指すトラックドライバーは、他の仕事に比べ、人間関係で苦労することが少ないです。
警察官時代に、厳しい上下関係や、煩わしい人間関係に嫌気が差していた人には、安心してこなせる仕事かもしれません。
しかし、収入アップのためには、長時間の運転が求められるため、体調管理を自分でしっかりする必要があります。
事務・経理
デスクワークを希望する人には、「事務・経理」という職業があります。
警察官時代に、外での業務ではなく、警察事務として福利厚生などの事務を取り扱っていた人には、特におすすめです。
業務内容は違っても、事務の経験があれば、採用され易くなることもあり、仕事にも慣れやすいでしょう。
また、事務職といっても、学校事務や企業の経理など幅が広いため、選択肢が増えることも期待できます。
警察官が転職を成功させるには転職エージェントを活用したが良い
警察官からの転職を成功させるためには、「転職エージェント」を活用することをおすすめします。
転職エージェントとは、求職者と職場をマッチングさせる人材紹介サービスのことを指します。
登録すると、応募の際のアドバイスから、面接対策までフォローしてくれるため、安心して転職活動を行うことができるのです。
仕事を辞めて一人で転職活動を始めると、周りからの目も気になり、焦りが大きくなってしまいがちです。
「どうしたら希望の職に就けるのかわからない…」と悩み、不本意な職場に再就職してしまっては、警察を辞めた意味がありません。
あなたの勇気を無駄にしないためにも、転職のプロたちを有効活用し、転職を成功させましょう。
警察官の転職におすすめの転職エージェント
ここからは、警察官の転職におすすめの転職エージェントを紹介していきます。
転職に特化したサービスであるため、豊富な求人情報や、転職時のポイント、自分の強みの活かし方を手に入れることができます。
スマートフォンやパソコンで簡単に調べられ、登録も簡単にできるものが多いため、効率よく利用してみてください。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、「20代からもっとも信頼度を集める転職エージェント」として有名です。
3分で簡単に無料登録することができ、初めて転職する人が安心して相談できる体制が整っています。
また、各業界を専門とするキャリアアドバイザーが起用されているため、自分に一番あった職業は何かを、的確に知ることが可能です。
一方で、「頻繁に連絡事項が送られてきて焦る」といった口コミもあるため、スピーディーな転職を目指す人におすすめです。
パソナキャリア
「年収UPに強い転職エージェント」として知られているのは、パソナキャリアです。
お客様満足度3年連続NO.1を誇るパソナキャリアは、「案件の質が高い」、
「アドバイザーが親切」、「女性でも相談しやすい」といった口コミが多くみられます。
実際に転職者の67.1%が年収アップしたというデータもあり、高収入求人への転職が期待できます。(参照:パソナキャリア公式HP)
一方で、求人条件が都市部に集中しているという特徴もあるため、地方での生活を希望する人は注意が必要です。
「主要都市圏で、年収アップを目指したい!」という人にはおすすめです。
doda
最近、テレビCMや広告等で見かけることが多くなったのが「doda」です。
dodaは、求人や実績において業界トップクラスを誇り、丁寧なサポートへの評価も高い大手転職エージェントです。
特に、求人内容の約8割が「非公開求人」となっており、その質が高いことで有名です。
非公開求人が多いということは、一般に出回る求人ではないため、競争率が下がるという利点があります。
一方で、「求人数の多さから質にばらつきがある」という口コミもあります。
「幅広い選択肢の中から、じっくり自分にあった職を選び抜きたい!」という人にはおすすめのサービスです。
まとめ
警察官という「人命を守る仕事」での経験を、別のキャリアに活かすためには、転職の現状をしっかり把握する必要があります。
転職時のメリットとデメリット、警察官のスキルを存分に発揮できる職業を事前に知ることで、転職を成功に導くことができます。
「新しい世界に飛び込んでみよう!」と決意したあなたの勇気が、報われることを祈っています。